PROJECT STORY
プロジェクトストーリー

見守り・健康増進システム

エンジニアの熱意で地域を活性化。
子どもから高齢者まで見守るシステム開発

子どもや高齢者の見守りをテクノロジーの力で叶えるべくスタートした、今回の「美郷町プロジェクト」。マイナンバーも活用し地域活性化や健康増進の効果も創出する社会的意義のあるプロジェクトだが、発端は一人のバイタリティあふれるエンジニアの存在にあった。
今回はその当人であり、本プロジェクトの中核を担った溝江氏と、今回の開発にあたってチームの一員として参加した福井氏に、本プロジェクト始動の経緯や開発にかけた想いを聞く。テクノロジーで社会を変えるパソナらしい本プロジェクトが、どのようにして生まれたのか見ていこう。

INTERVIEW MEMBERS

  • 溝江 正 MIZOE TADASHI

    • 2015年入社。
      本プロジェクトの中心人物で、

      自身でもコーディング等の開発を担当。
  • 福井 大地 FUKUI DAICHI

    • 2020年入社。
      本プロジェクトでは、
      フロントエンド・バックエンド

      両方の設計担当として参加。

プロジェクトのきっかけは
保育園向けに開発したChatbotシステム

今回の美郷町プロジェクトの発端となったのは、溝江氏が開発したChatbotシステムにある。

溝江氏はパソナに入社後、インフラエンジニアとしてキャリアをスタート。入社当初は、サーバーの構築や一部ネットワークの構築などインフラ周りが主な業務だった。しかし、社内で始まったPythonの勉強会を機に、開発に対する気持ちが徐々に高まっていく。

そうして溝江氏が開発したのが保育園を対象にしたChatbotを使った「出欠連絡システム」だ。

溝江氏
このシステムは、LINEのChatbotを使って、園児の出欠・遅刻・早退の連絡を24時間いつでもできるものです。実際に保育園に導入していただき、導入後の評判も上々です

この開発をきっかけに溝江氏はインフラだけでなく、開発も行なう方向に徐々に変わっていく。そして福井氏や他のメンバーにも参画してもらい、このシステムをより大きくしていった。

さらにこの開発ノウハウを活用して何か社会貢献できないかと考えていたとき、ニュースでも大きく取り上げられた保育園送迎バスでの園児置き去り事故が発生。衝撃を受けた溝江氏たちは、このようなことが二度と起きないようにと、Chatbotを活用したシステムを発展させた「登降園管理アプリ」の開発を始動させた。

福井氏
この登降園管理アプリでは、まず下駄箱などに設置してある読み取り機を使って、園児1人ずつに配布したQRコードやICカードを登園時にかざしてもらいます。すると、親のLINEにメッセージが送られ、子どもが無事に登園したことが確認できるという仕組みです
溝江氏
今回のプロジェクトでは登降園管理アプリの機能を、島根県美郷町が掲げる「美郷町デジアナ構想」施策の一部として導入いただきました。美郷町は高齢者が多い街だったこともあり、子どもを見守れる人があまりいないという課題がありました。このアプリを導入すれば、テクノロジーの力でその課題をある程度解決させることができます。そういったメリットをこのアプリに感じてもらえたのだと思います

マイナンバーカードも利用できるシステムに改修。
ポイント制も導入し地域活性化も促進

その後、このアプリはQRコードやICカードではなく、マイナンバーカードで対応できるように改良される。

溝江氏
マイナンバーカードを活用したシステムは今まで作ったことがなく、初めはデータを取る方法すら分かりませんでした。マイナンバーカードを知るためにテストカードをいただいて検証したり、仕様書を読んだりして、仕組みを理解していくところから始めたのです。

パソナのなかにも精通している人は少なく、自分が専門的な人材になることで、事業の幅の広さにもつながると考えました。

マイナンバーカードに対応した同アプリは、高齢者向けのサービスとしても展開。公民館などの人が集う場所にマイナンバーカードの読み取り機を設置し、訪れた高齢者が自身のマイナンバーカードをかざすと、その場所の情報が家族に通知される。さらに、地域通貨のポイントが貯まる仕組みも備わっています。

福井氏
高齢者がどこにいるのか家族に通知されるので、ご家族の方も安心です。さらに各公共施設などに設置することで、色々な場所に行くための動機づけを行ない、健康増進につなげる狙いもあります。貯まったポイントは地域の商店街などで使えるので、地域の活性化も実現できるシステムです

先端技術も積極的に導入。業務効率化とコスト低減を実現

今回のプロジェクトに携わっているエンジニアは、17名ほど。各エンジニアは全国各地にいるというが、どのように連携しているのだろうか。

溝江氏
プロジェクトは、クラウド、ネットワーク、アプリ開発などさまざまな専門スキルを持った人員で構成されています。メンバーは美郷町のある島根だけではなく、東京・大阪・福岡など全国の各拠点に所属しています。開発は基本的にはリモートが中心で、オンラインで日々進捗確認や企画会議、勉強会なども混ぜながら進めています

さらに今回の開発では、先端技術を積極的に取り入れている。Raspberry Piを用いたIoTや、LINEサービス、デスクトップアプリ、Webアプリなど、これらをすべてサーバーレス構成で開発している。

なかでも福井氏は「サーバーレスにこだわった」と話す。サーバーレスにすることで、社内の業務効率化と、自治体が運営する際のコスト低減の2つを実現できたという。

福井氏
通常は、サーバーにどのOSを入れるかという検証から始まり、バージョンアップやメンテナンスをしながらシステムを動かしていく必要があります。その点、サーバーレスであれば、OSなどはクラウドベンダー側で管理するので、我々はプログラムを作ることだけに注力できます。メインの開発業務に専念できれば、メンバーの業務効率化につながり、完成するシステムの品質も高くなります
溝江氏
サーバーレスにすることで、自治体が運用していくなかでのランニングコストも抑えることができました。サーバーを設置した場合は毎月の固定料金がかかりますが、サーバーレスでは使った分だけ請求される従量課金制です。どうしてこんなにコストを抑えられるのかと驚かれたほどでした。自治体側としても導入しやすい提案ができたことは嬉しかったですね

チャレンジングな開発環境。自分がやりたいことを尊重してもらえる会社の存在

マイナンバーカードを活用した見守りシステムは、今後そのノウハウを駆使して、ほかの自治体への横展開も考えているという。

溝江氏と福井氏はクラウドインフラのチームだが、今回の美郷町プロジェクトなどのように開発案件も増えている。本業であるクラウドインフラ業務に注力しつつも、開発案件も積極的に行なう非常にチャレンジングな職場環境だといえそうだ。

最後に、パソナへ入社を検討している人に向けて両名からコメントをしてもらった。

溝江氏
パソナは、自分が本当にやりたいことがあれば、会社のサポートも受けながらさまざまな業務にチャレンジできる職場です。エンジニアとしてキャリアが進むにつれて、自分が進みたい方向が見えたとき、手を挙げればやりたいことを聞いてもらえますし、叶えることも可能です。私のようにインフラエンジニアでありながら開発に携わる人間もいるので、色々な技術や仕事に興味がある人にも向いていると思います
福井氏
自治体との連携など、規模感が大きく、社会的にも価値のあるプロジェクトにかかわることができるのもパソナならではの魅力です。今回の美郷町についても、全国の各拠点に散らばっているエンジニアの力によって、1つの自治体を動かす大きなプロジェクトになりました。パソナでは、熱意を持っている人なら成長できる環境が整っています。どんどん新しい風を吹かせてほしいと考えています。ぜひ私たちとともに、そしてパソナとともに成長しましょう

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