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セキュリティエンジニアとハッカーは何が違う?仕事内容やメリット、デメリットも紹介

本記事では、この二つの共通点や違いについて説明します。特にハッカーという言葉は正確な意味で使われないことも多く、誤解が生じやすいので注意してください。またセキュリティエンジニアについての仕事内容やメリットとデメリット、必要なスキルについても解説しましょう。

セキュリティエンジニアとハッカーは何が違う?仕事内容やメリット、デメリットも紹介

本記事では、この二つの共通点や違いについて説明します。特にハッカーという言葉は正確な意味で使われないことも多く、誤解が生じやすいので注意してください。またセキュリティエンジニアについての仕事内容やメリットとデメリット、必要なスキルについても解説しましょう。

キャリア

2022/06/22 UP

情報セキュリティに携わる人材として、セキュリティエンジニアやハッカーと呼ばれる人がいます。本記事では、この二つの共通点や違いについて説明します。特にハッカーという言葉は正確な意味で使われないことも多く、誤解が生じやすいので注意してください。またセキュリティエンジニアについての仕事内容やメリットとデメリット、必要なスキルについても解説しましょう。

セキュリティエンジニアとハッカーの関係

はじめに、セキュリティエンジニアとハッカーとの関係を整理します。ハッカーという言葉には、「ホワイトハッカー」と「ブラックハッカー」という二つの意味があるので注意してください。

セキュリティエンジニアとは

セキュリティエンジニアはITシステムのセキュリティを担保し、安定な運用を支える存在。政府機関や企業などの情報資産を守るシステムを構築します。セキュリティの問題は金銭的な被害が発生するだけでなく、社会的な信用の失墜につながることもあるでしょう。組織の信頼性を守るうえで非常に責任のある仕事です。

サーバーやネットワークに対する不正アクセスや、ウイルス感染などのサイバー攻撃を未然に防ぐこともセキュリティエンジニアの役目。サービスやシステムにおける脆弱性を見つけて対策し、堅牢なシステムを開発します。万が一、セキュリティのトラブルが発生した際には迅速に対応することが求められます。

なお、セキュリティエンジニアに関しては、こちらの記事で詳しく解説しています。併せてご覧ください。
セキュリティエンジニアとは?仕事内容や必要資格および未経験から目指す方法を解説

ハッカーとは

ハッカーとは、コンピュータやインターネットについて高度な専門的知識を持つ人を指す言葉です。サイバー攻撃からの防衛やセキュリティ対策を実施する人を「ホワイトハッカー」と呼びます。ホワイトハッカーはセキュリティエンジニアとも呼ばれますが、セキュリティエンジニアは企業における職種を表す言葉。これらに明確な定義の違いはありません。

本来、IT用語としてのハッカーは中立的な意味を持ちます。しかし、一般的には「ハッカー」と聞くと、ITシステムに悪意のある攻撃を仕掛ける人物をイメージする人が多いでしょう。明確に悪事を行なう者のことは「ブラックハッカー」や「クラッカー」と呼ばれます。同じハッカーでも、知識を社会に役立てるホワイトハッカーと、知識を犯罪行為に用いるブラックハッカーは真逆の存在です。

セキュリティエンジニアの仕事内容

セキュリティエンジニアの仕事内容

セキュリティエンジニアの仕事内容について紹介します。なお、セキュリティエンジニアとホワイトハッカーは意味が近いため、本記事ではセキュリティエンジニアという呼び方に統一しています。

セキュリティを確保したシステム設計

不正アクセスやウイルス感染などのサイバー攻撃を未然に防ぐシステム設計を行ないます。保護すべきデータやシステム構成、利用者などを洗い出して正確に把握することが重要。前提条件を間違えたために的外れな対策をしていると、大きな手戻りが発生してしまいます。

現在の状況を把握したら、システムに対する脅威の洗い出しを行ないます。それからリスク分析を実施し、セキュリティ要件を定義。具体的な対策を決定したらシステム設計に反映。運用および保守についても継続的に行ないます。

ブラックハッカーによるサイバー攻撃への対応

実際にサイバー攻撃が発生した際は、初動対応および脆弱性の特定、対策実施を行ないます。初動対応では、すぐに被害を食い止めるか、それとも追跡するかなど、事前のリスク評価に基づいて対応方針を決定。被害の原因となるシステム上の脆弱性を特定したら、対策の実施を進めます。

システムの堅牢性を高めるため、疑似的なサイバー攻撃を行なう脆弱性テストを事前に実施することもあります。問題が見つかれば原因を調査して修正を実施。あらかじめ問題を抽出できれば、余裕を持った対応が可能です。

セキュリティエンジニアのメリット

セキュリティエンジニアは、現代のIT社会においてシステムの信頼性を担保するために必要不可欠な存在です。セキュリティエンジニアの職に就くことによるメリットを紹介します。

セキュリティ人材不足のため将来性が高い

2000年代以降のサイバー犯罪として、マルウェア感染やDDoS攻撃、不正アクセスなどの件数が増加しています。以前はすぐに問題が発覚するような目立つ攻撃が主流でしたが、近年は目立たない攻撃が主流。攻撃の発覚が遅れるために被害が拡大しやすくなります。

サイバー犯罪件数が増加している状況に対し、日本はセキュリティ人材が不足しています。IT企業でさえもセキュリティ人材を十分確保できていないことが大半で、専門知識を有する人材の育成は喫緊の課題です。そのためセキュリティ人材に対する将来性は高いといえるでしょう。

社会貢献度が高い

サイバー攻撃を受けることのデメリットは非常に大きく、企業にとって致命的な被害となってしまうことも。個人情報流出による社会的信用の失墜、企業活動の停止、損害賠償金の発生などの問題があります。

近年ではコロナ禍に対応してテレワークやクラウド化が進められており、これらに適合したセキュリティの整備も求められています。業界を問わずセキュリティ管理は重要課題であり、社会への貢献度の高い仕事です。

セキュリティエンジニアのデメリット

セキュリティエンジニアのデメリット

セキュリティエンジニアとして働くうえで何が大変となるのでしょうか。おもなデメリットについて紹介します。

責任が重い

サイバー攻撃を受けると、企業にとって大きなダメージです。一つの事件が会社全体へ影響するような問題となることも。セキュリティエンジニアの需要が高い一方で、責任の重い仕事であるという覚悟が必要です。

事故を未然に防げず被害が発生してしまうと、周囲からプレッシャーを感じる場合もあるでしょう。一方で、多くの人は被害が起きなくて当たり前と考えているため、被害を防いでいるのに周囲から感謝されることは少ないという辛さもあります。

緊急対応を求められることが多い

サイバー攻撃が発生してしまうと、被害の拡大を防止するために迅速な初動対応が求められます。問題が解決するまでは企業活動を停止せざるを得ない場合もあり、プレッシャーも大きくなります。

問題発生時には昼夜を問わず対応する必要があり、激務な状況が長期間続くこともあります。当然ながら自身の生活にも影響してしまうため、生活リズムの崩れや家族との時間が持てないといった不満も出てくるでしょう。

新しい技術のキャッチアップが欠かせない

IT分野には新しい技術が次々と生まれており、それにともないサイバー犯罪も巧妙化しています。セキュリティエンジニアとしては、新しい技術やサイバー犯罪について学び続けなければなりません。セキュリティはITシステム全体に関わってくるため、キャッチアップすべき分野も広いです。

エンジニアの業務ではありませんが、サイバー犯罪を未然に防ぐためには社員全員の意識改革も必要。業務用のパソコンを許可なく社外に持ち出さない、怪しげなメールは開封しないなど、各社員が注意すべきことも多くあります。基本的なセキュリティ知識は、エンジニアに限らず全社員が身につけておくべきでしょう。

セキュリティエンジニアに求められるスキル

セキュリティエンジニアとして業務を行なうために、どのような知識やスキルが求められるのか紹介します。

IT全般およびセキュリティに関する知識

セキュリティの脆弱性を見つけるには、IT全般に関する基礎知識は必須。業界によってはIoT機器やFA機器、ロボットなどでインシデントが発生することもあり、自身が関わる業界特有の知識も必要となります。

セキュリティエンジニアにとって専門分野である、セキュリティやサイバー犯罪については常に最新情報を仕入れておきましょう。他の組織で発生したインシデントの事例についても情報を把握しておくと、問題を未然に防ぐ対策作りに役立ちます。

IT関連の法律の知識

最低限の情報セキュリティ関連の法律や制度の知識も身につけておくべきです。企業として順守しなければならないものもありますし、逆に企業が被害を受けた際に法律的にどう判断されるか知っておく必要もあります。代表的なものを3つ紹介します。

個人情報保護法:個人情報の保護に関する事項(個人情報の管理や追跡など)について定義

不正アクセス禁止法:不正アクセス行為や、行為につながる情報の不正取得などを禁止

迷惑メール防止法:送信の同意なき者への送信や、送信者情報を偽った送信を禁止

資料やレポートの調査力

セキュリティに関する最新情報の入手および資料やレポートを分析する調査力が必要です。サイバー犯罪を未然に防ぐためにも、新しい攻撃手法についての情報を仕入れておくことは必須といえます。

最新情報は海外のWebサイトなどを調査しないと得られないことが多く、英語の文章を読み解く語学力も身につけておきましょう。セキュリティ機器に関するレポートや、他社で発生したインシデントの分析レポートを調査することもあります。レポートを分析し、課題の把握および対処法を検討しておくことは自身の業務に役立つでしょう。

セキュリティエンジニアやハッカーはセキュリティのスペシャリスト

セキュリティエンジニアはITシステムのセキュリティを担保する存在。ハッカーと呼ばれる者のうち、セキュリティエンジニアと同様にサイバー犯罪を防ぐ側はホワイトハッカー、サイバー攻撃を仕掛ける側はブラックハッカーと呼びます。

セキュリティエンジニアにはサイバー攻撃を未然に防ぐシステムの設計、発生したインシデントへの対応が求められます。サイバー攻撃を受けてしまうと影響が大きいため責任の重さはありますが、高度なセキュリティ人材への需要は高く、社会貢献度の高い仕事です。