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リバースエンジニアリングとは?メリットや手法、違法行為とならないための活用時の注意点

この記事ではリバースエンジニアリングの概要からメリットや手法と併せて、活用時の注意点を解説します。

リバースエンジニアリングとは?メリットや手法、違法行為とならないための活用時の注意点

この記事ではリバースエンジニアリングの概要からメリットや手法と併せて、活用時の注意点を解説します。

知識・情報

2022/05/25 UP

近年、リバースエンジニアリングという言葉を聞く機会が増えています。しかし、具体的な内容についてはよくわからないという方も多いのではないでしょうか。リバースエンジニアリングは違法といわれることもありますが、正しく使えば企業にとって多くのメリットをもたらすものです。

この記事ではリバースエンジニアリングの概要からメリットや手法と併せて、活用時の注意点を解説します。

リバースエンジニアリングとは

リバースエンジニアリングとは、既製品の製造を分析して構成や動作・ソースコードなどの技術情報を調査することを表します。

通常は製品を開発する際には設計図などを事前に作成し、それにしたがって開発を進めます。リバースエンジニアリングはその工程を反対から実施する手法であり、自社製品だけでなく他社製品の構造などを調べたりする際に活用可能です。

開発工程をさかのぼる(リバース)することからリバースエンジニアリングと呼ばれ、日本語では“逆行工学”とも呼ばれます。リバースエンジニアリングを活用することで、設計図が残っていないような昔の製品も設計図から起こし直し、改良して新たな製品として生まれ変わらせることも可能です。

製品を分析することで、動作原理や製造方法などを詳しく知ることができ、次に紹介するようなさまざまなメリットを得られます。

リバースエンジニアリングのメリット

リバースエンジニアリングのメリット

リバースエンジニアリングのメリットとしては、次に紹介する3点が大きなメリットといえるでしょう。

開発にかかるコストと時間の削減

リバースエンジニアリングによって既製品を分析することで、分析結果からわかった技術を元に新たな製品の着想を得ることができます。一から作らずとも済む部分があるため、コストと時間の削減が可能です。

通常はしっかりと設計図を起こしてから開発を進めても、開発段階で問題が見つかることも多く、何度もトライ&エラーを繰り返す必要があります。しかし、既製品の分析によってトライ&エラーを繰り返した結果の技術を参考にすることができ、開発にかかるコストと時間の削減が実現できるのです。

また、開発サイクルが短くなり、新製品をいち早く市場に投入できる点も大きなメリットの一つとなっています。

製品の文書化

古い製品の場合、設計図などが手元に残っていない可能性も考えられるでしょう。古い製品に使われている技術をそのまま応用し、新たな製品として開発を進めたい場合も少なくありません。

そのような場合でも、リバースエンジニアリングによって分析することで、内部回路や設計が把握できます。調査した結果を文書化し、さらなる改良や今後の維持管理のために役立てられます。

セキュリティ対策

技術情報は不正コピーや脆弱性を突いたサイバー攻撃などに悪用される可能性があります。自社製品に対して、攻撃者を想定したリバースエンジニアリングを行なうことで、脆弱性やバグなどの発見につながり、セキュリティ対策が実施できます。

設計図や内部構造が理解できれば、悪用することも可能になる点は覚えておくとよいでしょう。そのため、自社製品を守るためにもリバースエンジニアリングに対するセキュリティ対策は欠かせません。

特にIT関連の製品は常に攻撃者から脆弱性を狙われているため、攻撃を受ける前に脆弱性を発見し、対応することでセキュリティ対策となります。

リバースエンジニアリングの手法

リバースエンジニアリングと一言でいっても、その手法はハードウェアとソフトウェアで異なります。加えて、IT関連技術に限ったものではないため、それぞれの手法について見ていきましょう。

ハードウェアとソフトウェアで手法が異なる

ハードウェア製品のリバースエンジニアリングは、機械を分解・観察して製造方法や内部回路などのメカニズムを解析することが目的です。実際に機械の内部を観察しながら進めるためイメージしやすいでしょう。

例えば、目覚まし時計の内部構造を理解するために、裏蓋を外して分解しながら仕組みを観察する、というものがハードウェアのリバースエンジニアリングです。

対して、ソフトウェアの場合は“逆アセンブル”や“逆コンパイル”によってソースコードを作成することを表します。完成品のソフトウェアは、コンピュータ(機械)が認識できるように0と1のみの機械語で構成されていますが、それを人間がわかる形(ソースコード)に戻す手法が逆アセンブルや逆コンパイルです。

ソースコードはソフトウェアの設計図そのものであり、ソースコードが作成できればソフトウェアの改変も容易に行なえます。

製造・加工業でも活用可能

リバースエンジニアリングは名前からIT業界でのみ活用されるもの、と思われがちですが、実は製造業や加工業でも活用されています。IT業界でのリバースエンジニアリングは、技術の解明やセキュリティ対策という面が大きいといえますが、製造業・加工業では少し意味合いが異なります。

製造業・加工業におけるリバースエンジニアリングでは、製品そのものや部品を測定し、CADデータなどに落とし込むことが一般的であり、設計図を作成することが中心です。

業界によって手法や多少の意味合いの異なりはありますが、製造過程を逆行するという意味では同じリバースエンジニアリングです。

リバースエンジニアリングは違法?活用時の注意点

リバースエンジニアリングは違法?活用時の注意点

ここまでリバースエンジニアリングについて解説してきましたが、「リバースエンジニアリングは違法」と聞いたことがある方は多いでしょう。悪用して違法なコピー製品を作成する事例も多く見られますが、リバースエンジニアリング自体は違法な行為ではありません。

しかし、リバースエンジニアリングを活用する際には、特許法や著作権法など、法律に触れないように気をつける必要があります。例えば、ソフトウェアのリバースエンジニアリングで取得したソースコードをそのまま流用すると、著作権法や特許法に抵触する可能性があります。

著作権法ではアイデアは著作物にならないため、アイデアを得るための研究・開発目的のリバースエンジニアリングであれば問題ないといえるでしょう。また、特許法においても、試験や研究を目的としたリバースエンジニアリングは問題ないといえます。

自社製品の場合はあまり関係ないかもしれませんが、他社製品をリバースエンジニアリングする際には特に注意すべき点です。また、反対に自社製品が悪用されないようにするために、ソフトウェア製品であればソースコードを読みづらくする(難読化)、暗号化するなどの対策も必要です。

ハードウェア製品などの場合は簡単に分析できないように複雑な内部構造にするなど、セキュリティ面も意識するとよいでしょう。

リバースエンジニアリングにはメリットがあるものの注意して活用しよう

リバースエンジニアリングは、既製品の製造を分析して構成や動作・ソースコードなどの技術情報を調査することです。通常の開発工程を逆行(リバース)するため、逆行工学とも呼ばれます。

リバースエンジニアリングを活用することで、開発にかかるコストと時間の削減、製品の文書化、セキュリティ対策といったメリットを得られます。ただし、リバースエンジニアリング自体は違法な行為ではありませんが、活用する際には著作権法や特許法などに抵触しないように注意しなければなりません。

上手に使えば多くのメリットをもたらすものであるため、ぜひ活用したい手法の一つです。