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エンジニアにおけるスペシャリストとは?近年需要が増えた理由と、活躍できる環境についても紹介

本記事ではスペシャリストの概要および需要が増えた背景、スペシャリストが活躍できる環境について紹介します。

エンジニアにおけるスペシャリストとは?近年需要が増えた理由と、活躍できる環境についても紹介

本記事ではスペシャリストの概要および需要が増えた背景、スペシャリストが活躍できる環境について紹介します。

キャリア

2022/05/16 UP

専門性の高いスペシャリストは、これまで特に欧米企業で重視されてきました。しかし近年は日本企業でも需要が増えてきています。キャリアパスがマネージャーなどの管理職しかないことが多かった日本企業でも、スペシャリストとして長く活躍できる場が増えてきているのです。

本記事ではスペシャリストの概要および需要が増えた背景、スペシャリストが活躍できる環境について紹介します。

なお、対となるジェネラリストについては、こちらの記事でご紹介しています。併せてご確認ください。
エンジニアにおけるジェネラリストとは?求められる能力や将来のキャリアパスについて解説

エンジニアにおけるスペシャリストとは

特定の分野において、高い専門性を持つ人材のことをスペシャリストと呼びます。幅広い分野の知識や経験を持つジェネラリストとは対となる存在であり、何か一つの分野に特化した知識、経験、スキルを持つことが特徴。自身が得意とする分野で高いパフォーマンスを発揮し、業務に貢献する人材です。

エンジニアのスペシャリストの例として、データベースに特化したデータベースエンジニアや、セキュリティに特化したセキュリティエンジニアなどが挙げられます。

ITシステムにはデータベース、セキュリティ、ネットワーク、アプリケーションなど、さまざまな分野が関係します。一人のスペシャリストだけでシステム全体を完成させることはできず、他の分野のエンジニアとも協力して一つのシステムを創りあげることになります。

エンジニアのスペシャリストが求められる背景

エンジニアのスペシャリストが求められる背景

かつての日本企業ではジェネラリストが一般的でした。しかし最近では特化したスキルを持つスペシャリストも求められています。なぜ需要が高まっているのか、その背景について説明しましょう。

かつての日本企業はジェネラリストを育成

旧来の日本企業における人材育成の特徴は、新卒一括採用と終身雇用でした。新卒社員を総合職として入社させ、さまざまな部署を2~3年ごとに経験させるジョブローテーションを行ないます。複数の部署で経験を積ませることで、幅広い知識と経験を持つジェネラリストを育てるのです。

各配属先で成果を出し続ければ、最終的に管理職となるのが一般的な出世ルート。さまざまな部署での経験と人脈から、会社全体のビジネスを把握し、会社の基幹業務に携わります。

ただしエンジニアの場合は、ある程度時間をかけて知識を深める必要があるため、配置転換はそれほど頻繁ではありません。それでも他の職種と同様に、出世すると最終的に管理職となるキャリアパスが一般的でした。

経済成長の鈍化および成果主義への移行

1990年代のバブル崩壊以降、日本の経済成長は鈍化しています。そのため日本企業としても終身雇用制度が保てず、組織再編のため社員のリストラが行なわれてきました。賃金制度も変わり、年齢や勤続年数に合わせて賃金が上昇する年功序列から、成果に応じた賃金を支払う成果主義に移行する会社も増えています。

かつては一つの会社に属し、会社から与えられたキャリアを歩む生き方が一般的でした。しかし現在では転職も当たり前となり、自分のキャリアは自分で創りあげる時代です。またIT技術の発展により、人間の仕事も高度な知的労働が求められるようになりました。

こうした背景から、会社側と労働者側の双方で特化した専門性を持つスペシャリストへの需要が高まっているのです。

エンジニアがスペシャリストを目指すメリット

エンジニアとしてスペシャリストを目指す場合のメリットについて詳しく説明しましょう。

専門知識を活かせる

一つの分野に特化した専門分野があり、その知識を業務に活かせることが最大のメリットです。自分にとって興味があり、得意とする分野に集中して取り組めるので、技術を追い求めたい人にとっては理想的な働き方ではないでしょうか。特にエンジニアの場合は専門性が重んじられる傾向が高いため、特化した知識や経験は会社からも評価されやすいでしょう。

特に近年需要が高まっているAIやIoT、FinTech、データサイエンス、ビッグデータ、情報セキュリティなどは、一朝一夕で身につくスキルではありません。しっかり取り組んで身に着けることで自身の市場価値を高めることができます。

会社が育成コストを抑えて事業拡大することに貢献

初めて行なう業務でも、すでに基礎知識が身についているため、即戦力として活躍できることもメリット。特に転職市場では一つの特化した分野を持つ方がアピールしやすく、転職活動で有利に働くでしょう。

会社側としても、元から専門知識を持つスペシャリストを採用することで、育成コストを抑えられます。新たな事業を興そうとした場合に、大きな問題となるのは専門知識を持つ人材の確保。会社の需要とマッチした専門知識を持つ人材が入ることで、迅速な事業拡大につなげられます。

エンジニアのスペシャリストを目指すデメリット

エンジニアとしてスペシャリストを目指すデメリットについて説明しましょう。一つの特化した専門分野があることが逆に足かせとなってしまう場合もあります。

自分の専門性が陳腐化する恐れ

ある分野にのみ特化したスペシャリストの場合、その分野の需要がなくなってしまうと優位性がなくなります。時代とともに技術は移り変わるものであるため、現在需要が高いからといって数十年先にどうなるかはわかりません。たとえ世のなかで需要があっても、自分の会社の方針が変わり、専門性を発揮する機会が失われる場合もあります。

自分の専門性を発揮する機会がなくなれば、諦めて別の分野の業務を行なわなければなりません。長年経験を積んできた専門知識を活用できず、不満を感じる場合もあるでしょう。自分のスキルを必要としてくれる会社に転職できれば良いですが、年齢を重ねていると転職活動も難しくなってしまいます。

スペシャリストのキャリアパスがない会社もまだ多い

日本企業はジェネラリストとして業務を行ない、出世して管理職を目指すキャリアパスがまだまだ多いとされています。一方でスペシャリストとしてのキャリアパスを用意している会社は依然として少ないのが現状。いくら社員自身がスペシャリストのような働き方をしたいと願っても、専門外の業務を指示されることもあるでしょう。

本来の専門と異なる業務を続けていれば、自分のスキルを磨く機会がなくなってしまいます。他のエンジニアとどんどん差がついてしまい、気付いたときには手遅れになる場合も。勤続年数に比べてスキルが低いと見なされてしまえば、スペシャリストとしてのキャリアからさらに遠ざかってしまうでしょう。

エンジニアのスペシャリストが活躍できる環境とは

どのような制度が整っている会社であれば、スペシャリストが活躍できるでしょうか。スペシャリストの特性を発揮できる会社の特徴について説明します。

ジョブローテーションから職種限定へ

エンジニアとしてスペシャリストを目指すのであれば、ジョブローテーションの制度がある会社は厳しいでしょう。2~3年ごとに配置転換するような環境では、会社のビジネスを知るには有効としても、特化した専門性は育ちにくいです。

ある程度職種を限定した採用を行なっている会社を選ぶことをおすすめします。どの分野でスキルを伸ばしたいのか、入社時点で会社も理解しており、スキルを発揮できる環境も用意されています。同じ職場で長く働き続けることが理想ですが、たとえ配置転換があったとしても、社員のキャリア志向に合う配属先を用意してくれる会社であれば働きやすいでしょう。

スペシャリストにあった給与体系を制定

管理職向けのキャリアパスしか用意されていない会社では、スペシャリストを目指す働き方をしていると給与が伸び悩む場合が多いでしょう。管理職を目指すキャリアパスとは別に、スペシャリストを目指すキャリアパスが用意されている会社もあります。スペシャリスト向けの人事制度が整っており、評価制度も用意されているのです。

例えば、大手電気機器メーカーでは、専門職の社員向けに「専門職制度」を設けているところがあります。高い専門性を発揮したいと考える社員が成長できる環境を整えるために、専門職固有の制度が用意されているのです。

エンジニア派遣

自分でやりたい仕事を選べるエンジニア派遣という選択肢もあります。エンジニア派遣とは、あらかじめ派遣会社に登録しておき、自身の経験や希望に合わせた派遣先が見つかれば、その会社で就業するという働き方。業務内容や責任範囲が明確なため、自身が希望した業務に集中して取り組めます。

例えば、パソナテックでは職種や必要スキル、勤務場所などの条件を明確にして、派遣先とのマッチングを提案致します。また担当営業者がどの現場にも必ずつくため、勤務条件に関する交渉事などについての相談も可能。特定の技術や就業条件にこだわりたい方は検討してみてはいかがでしょうか。
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エンジニアのスペシャリストのキャリアパス

エンジニアのスペシャリストのキャリアパス

エンジニアのスペシャリストとして、今後どのようなキャリアパスが想定されるでしょうか。ひたすら専門性を極める方向性と、専門性を発揮しつつマネジメントの業務も担う2つを紹介します。

スペシャリストとして専門性を極める

自身の専門分野について圧倒的な専門性を有し、会社で評価される結果を出せる人材を目指します。スペシャリストとして一つの分野の経験や知識を積むことで、他者と代替できない強みに。会社や世のなかで需要の高い専門性であれば、引く手あまたの存在になります。

ただし、会社としてスペシャリストを育てる制度が整っていなければ難しいでしょう。会社の方針で専門とは異なる業務を行なわざるを得ないことも。また評価制度や賃金制度が用意されていなければ、成果を出しても給与に反映されない場合があります。スペシャリストとして活躍できる職場であるかどうか、見極めることが大事です。

管理職の役割も担うプレイングマネージャー

専門性が発揮できるプレイヤーとしての業務を行ないながら、プロジェクトのリーダーや管理職の役割も担う人材を目指します。自分の専門外のスキルや業務の進捗管理、人のマネジメントなどのスキルを学ぶことで業務の幅が広がります。自身のスキルが陳腐化するリスクを分散できることもメリットです。

プレイングマネージャーという立ち位置は、一人二役でプレイヤーと管理職を兼務するという大変さがあります。それでも、ジェネラリストのような働き方を求められる会社においては実現可能性が高いキャリアパスです。

スペシャリストは特定の分野で高い専門性を発揮できる人材

スペシャリストとは、ある特定の分野において高い専門性を持つ人材のことです。かつての日本はジェネラリストのように幅広い経験をさせることが多かったのですが、近年はスペシャリストの人材を求める傾向にあります。

専門知識を活かして即戦力になるというメリットがある一方、知識が陳腐化するリスクがあり、会社としてキャリアパスが用意されていない場合も。スペシャリストとして長く働けることや、適切に評価してくれる会社を選ぶことが重要です。