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C#とはどんな言語?特徴やメリットを知ろう

今回はこのように多彩な機能を持つC#について、言語の特徴や習得することによるメリット、求人需要や展望について解説していきます。

C#とはどんな言語?特徴やメリットを知ろう

今回はこのように多彩な機能を持つC#について、言語の特徴や習得することによるメリット、求人需要や展望について解説していきます。

スキルアップ

2022/08/08 UP

C#はMicrosoftのアンダース・ヘルスバーグ氏が開発したプログラミング言語です。C#という名前の通り、構文構造はC++やJavaなどのC系言語に近い構造をしていますが、構文以外はPascal系言語のDelphiから影響を強く受けています。

C#は基本的にはオブジェクト指向の言語として扱われますが、マルチパラダイムプログラミング言語として設計されており、ほかにも関数型、手続き型、宣言型、命令型などの要素を持っています。

また、共通言語仕様(CLS)によって、.NET Frameworkを経由することで、他のCLS準拠の言語(Visual系)と相互に連携が可能になります。

※Windows専用の「.NET Framework」はメジャーアップデートが終了し、マルチプラットフォームの「.NET」に移行しました。これに伴い、「(Visual系)」の制限も無くなりました。

今回はこのように多彩な機能を持つC#について、言語の特徴や習得することによるメリット、求人需要や展望について解説していきます。

なお、C#の環境構築なども知りたいかたは、こちらの記事も併せてご確認ください。
C#の入門者が覚えておきたい機能の特徴や開発環境の構築方法

C#とはどんなプログラミング言語?

C#はもともと、Windowsの.NET Framework上で開発・実行されるプログラミング言語でした。

Windows、Linux以外に、2017年に登場したVisual Studio for Mac を使用することでMacOS上でも開発が可能になりました。

C#の特徴を知ろう

C#は複数のプログラミングパラダイムを持つマルチパラダイムプログラミング言語として設計されていますが、基本的にはオブジェクト指向の言語です。

共通言語仕様(CLS)によって、共通中間言語にコンパイルされた異なる.NET言語と簡単に連携でき、さまざまな言語をひとつに統合してシームレスに処理することが可能になっているのも、.NET Frameworkを使うC#の特徴の一つといえるでしょう。

C#は構文構造にC言語やJavaの良い部分を取り込んでいるため、JavaやC/C++の経験があれば、文法を覚えるのは比較的容易でしょう。ほかにもさまざまなプログラミング言語の長所を取り入れており、特に開発者が開発に携わっていたDelphiに強い影響を受けています。

また、現在のC#はマルチプラットフォームに対応しているため、WindowsだけでなくMacOSやAndroid、iOS向けのアプリ開発、またWebアプリ開発も可能です。

C言語とC#の関係は?

C#は名前にCと付いていますが、C/C++とは別の言語です。そのため互換性はありません。それぞれの言語は、遠縁の親戚のような関係にあります。

大きな違いとしては、Javaの特徴を継承したC#は、C/C++ほど厳密なプログラミングをする必要がありません。また、C#は基本的にはコンパイル言語ですが、インタプリタ言語のように動作させることもできます。

C言語とC#の最大の違いは、C#はJavaと同様に「ガベージコレクション(不要になったメモリを開放する機能)」が使用できる点です。プログラムが確保したメモリ領域のうち、不要になった領域を自動でリリースしてくれるため、C/C++と比較すると格段にリソース管理が容易です。

また、C#はC/C++と同様にコンパイラ言語ですが、インタプリタ言語のように動作させることもできます。これはマルチパラダイム言語として開発されていることから、CILを利用したJITコンパイルや事前コンパイル、疑似スクリプト言語化などさまざまな方法で実行が可能なためです。

この他、用いられる分野にも違いがあります。後述しますが、C#は主にUnityエンジンを使用したゲーム開発分野や、.NET Framework上で稼働するWindows向けアプリの開発に適しています。

一方C++は大規模な基幹システム開発や業務システムの構築、またIoT用の組み込みソフトウェア開発や、宇宙開発など、限られたリソースを厳密に管理し、高速で処理することが求められる分野で活用されています。

C#が得意な分野、苦手な分野

C#は統合開発環境(IDE)の「Visual Studio」を利用することで、.NET上で稼働するWindows向けのアプリを効率的に開発するのに適しています。

チェックボックスやドロップダウンリストなどのフォームやボタン、カレンダーなどをドラッグアンドドロップで配置するだけで、ととのったGUIのフォームアプリ開発が可能です。

また、Webアプリ向けのフレームワークであるASP.NETを利用することで、Webアプリが可能になります。近年ではAR・VRの分野にも活用され、拡張現実向けのコンテンツ開発に用いられるようになりました。

Unityエンジンを利用することで、3Dを用いたゲームの開発が簡単に可能になったことから、スマートフォン向けのゲームアプリで活発に採用されています。

一方でC#は、単体では3Dを多用した画面の描画や、C/C++が用いられる分野のような、高度な最適化が必要な計算処理はあまり得意ではありません。補完するUnityエンジンのようなものが必要になります。

C#でなにができる?できることや需要がある分野を知ろう

C#でなにができる?できることや需要がある分野を知ろう

C#は2000年に登場して以来、Microsoft関連の主にWindows向けアプリ開発を中心に、Webアプリやゲームをはじめとして、クロスプラットフォーム開発に活用されています。現在どのような分野に実績や需要があるのか、具体的に見てみましょう。

Webアプリ・Webサービス

ASP.NETを利用することで、大規模なWebアプリの開発が可能です。C#はサーバ上でも高速で処理が可能なので、大人数が利用し、処理が重いWebアプリでも、快適に利用できます。

実際にC#を用いて開発・提供されているWebアプリ・サービスは、Microsoftの公式ポータルサイトMSNや、Microsoftが提供する検索エンジンBing、ほかに価格.com、トレンドマイクロなど、利用者が多く有名なサイトがC#で作られていることがわかります。

GUIアプリ開発

C#を開発したMicrosoftが、IDE(統合開発環境)であるVisual Studioを提供しています。そのため、緻密な開発サポートが受けられ、インストールからライブラリの利用、入力補助、簡便なGUI設計機能によって、初めてC#に触れる人でも、ととのったGUIを持つアプリをすぐに開発できます。

アプリを設計する上で、GUIがドラッグアンドドロップですぐに設置できるのは、開発効率を大きく引き上げる要因の一つといえるでしょう。

ゲーム開発

本来C#は3Dを多用する処理を苦手としていますが、Unityというゲーム用エンジンを使用することで、3Dを豊富に使ったゲームを簡単に開発ができます。

Unityはゲーム開発に必要となる3Dモデルや画像、効果音、処理用のコードなどさまざまなリソースやライブラリを提供しているので、個人で初めてゲームを開発する人でもすぐに始められるだけでなく、企業によるゲーム開発も効率化されました。

Unityエンジンの登場によって、3Dゲームアプリ開発は以前よりも簡単になり、多くの3DゲームでUnityが採用されています。

クロスプラットフォーム開発

Xamarinという開発ツールによって、macOSやiOS、Android向けのアプリ開発が可能になりました。また「.NET MAUI」がリリースされたことにより、Xamarinから置き換えが進むと考えられます。

C#一つで多くの環境に適したアプリが開発できるため、開発に掛かる工数やコストを削減できることで、さまざまな現場で採用されています。

C#を開発に使うメリットは?

C#を開発に使うメリットは?

C#が開発に適している理由とメリットは、大きく分けて2つあります。

ひとつは、さまざまな言語の良い点を取り入れているため、多くの言語で問題点と挙げられている部分が解消されていることです。メモリに関するリソース管理の簡便さなどはそのひとつといえます。

豊富な言語機能やライプラリの充実、LINQ(統合言語クエリ)、ラムダ式など、プログラミング言語に起きがちな記述の冗長さを削減できます。

また、言語の開発元であるMicrosoftが提供するVisual Studioが優れたIDEであることから、開発環境が充実している点も、メリットのひとつです。

優れた言語機能と充実したライブラリ

C#は登場から20年以上の歴史があり、公式ライブラリはもちろん、サードパーティ製のライブラリも充実しています。特にWindows上での処理に関するライブラリに関しては、ほかの言語よりも豊富に揃っていると言っても過言ではないでしょう。

また、多くの言語から優れた点を採用し、盛り込んでいるため、開発言語としての機能が豊富に備わっているので、アプリ開発がしやすく、コードを記述しやすいのもC#の長所です。

統合開発環境が提供されている

Microsoftが提供しているVisual Studioは頻繁なアップデートで機能の刷新や充実が図られており、言語の開発環境としてはとても優れています。

直感的にGUIフォームが簡単に作れるほか、コードの自動補完機能も充実しており、コーディングのミスが起きにくいのも、生産効率を上げるための要素といえます。

初心者でも挑戦しやすいC#は需要も高い

C#は開発を始める環境が整っているため、初心者でも直感的にプログラミングを始めやすい言語です。充実した統合開発環境とライブラリの提供によって、JavaやC/C++よりも学習難易度と開発難易度が低いため、これからプログラミング言語を学習したいと考えており、特にゲーム開発に挑戦したいのであれば、Unityで使えるC#はおすすめの言語です。

また、マルチプラットフォーム性が高く、さまざまな分野での開発が可能で汎用性が高い言語でもあるので、将来性も高いといえるでしょう。