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ネットワークセキュリティとは?企業のセキュリティ対策として重要な施策の仕組みと種類

ネットワークセキュリティの概要から、対策方法の種類やセキュリティの仕組みについて解説します。

ネットワークセキュリティとは?企業のセキュリティ対策として重要な施策の仕組みと種類

ネットワークセキュリティの概要から、対策方法の種類やセキュリティの仕組みについて解説します。

知識・情報

2022/01/28 UP

近年ではあらゆるモノ同士がネットワークによって結びついており、ネットワークに関するセキュリティは欠かせないものとなっています。企業のセキュリティ対策としても、ネットワークセキュリティは重要なものですが、具体的な対策方法にはどのようなものがあるのでしょうか。

この記事では、ネットワークセキュリティの概要から、対策方法の種類やセキュリティの仕組みについて解説します。

ネットワークセキュリティとは

ネットワークセキュリティは企業の資産である情報を守るために、ネットワークの内外に存在するセキュリティリスクを防ぐための対策です。例えば、外部からのサイバー攻撃を防いだり、内部からの不正なデータの持ち出しを防いだりすることが挙げられます。

近年では、クラウドサービスの普及によって企業が守るべき資産(情報)は、社内ネットワークの中だけにとどまらない状況です。あらゆる場所に情報が保管され、ネットワークの境界が曖昧になっているなか、新しいセキュリティの考え方としてゼロトラストセキュリティが注目されています。

ゼロトラストセキュリティについては、クラウドセキュリティと併せて“クラウドセキュリティ対策に欠かせないゼロトラストセキュリティ!リスクと対策方法を解説” にて詳しく解説していますので、こちらもぜひご覧ください。

なお、この記事では、社内ネットワークを中心としたネットワークセキュリティに関して記載していきます。

ネットワークセキュリティの種類と仕組み

ネットワークセキュリティの種類と仕組み

社内ネットワークを中心としたネットワークセキュリティの種類と仕組みについて、代表的なものをいくつか紹介します。

ファイアウォール

ファイアウォールはネットワークの境界に設置し、不要な通信を遮断するためのソリューションです。外部からの侵入を防止したり、内部からの不正な通信を防止したりするために利用されます。

中〜大規模なネットワークにおいては、一元的な通信制御を担う存在として欠かせません。通常、ネットワーク上に配置するファイアウォールは一つですが、パソコン単位に設置されるパーソナルファイアウォールも存在します。

パーソナルファイアウォールは、守るべき対象がインストールされているパソコンのみとなりますが、通常のファイアウォールと同様に動作します。一般的には、ネットワーク上に設置されたファイアウォールと競合しないように、中〜大規模なネットワークに接続するパソコンについては、パーソナルファイアウォールを無効化する場合が多いでしょう。

アクセス制御

システムやデータの機密性を確保するために、それらにアクセスするユーザーには制限をかけるべきです。不正アクセスや人的ミスによる情報漏えいなどを防ぐためにも、アクセス制御はネットワークセキュリティとして欠かせない要素の一つです。

例えば、特定のデータにアクセスできるユーザーは特定部署に限られる、などの制御を行ないます。パスワードを利用することもアクセス制御の一種であり、近年ではより強固な認証を実現するために二段階認証が用いられるケースも多く見られます。

二段階認証はパスワードなどの認証に加え、生体認証やデバイス認証などの認証を加えて二段階で認証を行なう方式です。

データ損失防止(DLP)

セキュリティリスクは外部からの攻撃によるものだけとは限りません。内部からの不正なデータ流出も警戒すべきリスクの一つであり、対応策として重要なデータは不正にアップロードや印刷ができないようにするべきです。

DLPはデータそのものを監視する仕組みであり、データに対するアクションを監視できるため、内部からの不正なデータ流出も防げます。近年では、個人でもクラウドサービスを利用する機会が増えていることからも、悪気なく不正にデータをアップロードしてしまう事例も少なくありません。

さらに、DLPは人的ミスによる情報漏えいも防げるため、重要な情報と併せて従業員も守ることができる仕組みです。

侵入検知・防御(IDS/IPS)

侵入検知システム(IDS)と侵入防止システム(IPS)は、不正な通信を検知・遮断するためのシステムです。おもに外部からの企業のサービスやシステムに対して行なわれる攻撃を防御するために利用されます。

例えば、DDoS/DoS攻撃などのサービス停止攻撃に対して有効です。ファイアウォールに似ていますが、ファイアウォールは事前に許可する通信を定義しており、その定義に該当する攻撃は防ぐことができません。

しかし、IDS/IPSは通信内のパケットの中身までチェックできるため、DDoS/DoS攻撃を防ぐことが可能です。

VPN

VPN(Virtual Private Network)は、仮想的な専用線を作り出す技術であり、テレワークが普及した昨今では利用する企業も多くなっています。インターネットはオープンなネットワークであり、誰もがアクセス可能であるため重要な情報をやり取りする場合にはセキュリティが心配です。

VPNにもいくつか種類がありますが、基本的には2点間を仮想的な専用線でつなぎ、暗号化した通信を実現することでセキュリティを担保する仕組みです。テレワークでは、社外から社内ネットワークに安全に接続するための手段として利用されています。

その他にも、本社と支社などの拠点間の安全な接続のためにも利用されています。

モバイルデバイスセキュリティ

今や誰もがスマートフォンを保有する時代であり、従業員のスマートフォンやタブレットなどのデバイスを業務に利用するBYOD(Bring Your Own Device=自身の端末を持ち込むこと)が注目されています。そのような背景から、モバイルデバイスに対するセキュリティの重要性が増しました。

パソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスを利用することで、エンドポイントとなるデバイスの数は爆発的に増えることになります。すべてのエンドポイントを把握していないと、許可していないサービスやアプリケーションの利用などによって情報漏えいなどのセキュリティ事故が発生することも考えられるでしょう。

近年では、会社で許可していないサービスやアプリケーションなどを従業員が無断で利用するシャドーITも問題視されており、全エンドポイントの把握と制御を実現することが求められています。

Webセキュリティ

業務で調べ物をする際には、インターネット上のWebサイトを閲覧しますが、なかには不正なWebサイトも多く存在します。不正なWebサイトへのアクセスを遮断したり、業務に不要なWebサイトへのアクセスを制御したりするために用いられるものがWebフィルタリングです。

Webサイトを閲覧するだけでなく、自社Webサイトをサービスとして提供している場合もあるでしょう。その際には、外部からの攻撃への対策としてWAF(Web Application Firewall)の導入も検討するべきです。

WAFはWebアプリケーションの脆弱性を狙った攻撃に対するセキュリティ対策ソリューションであり、Webセキュリティ対策として多くのWebサイトで利用されています。

電子メール・マルウェア対策

標的型攻撃メールなど、メールを中心としたサイバー攻撃は多く報告されています。メールに添付されたファイルからマルウェアに感染することもあり、電子メールやマルウェアに対するセキュリティ対策も重要です。

標的型攻撃メールに対しては、サンドボックス型セキュリティのソリューションを導入することも有効です。攻撃されても問題のない仮想環境でファイルを実行して確認するため、実被害をおさえることができます。

また、利用するパソコンにはマルウェア対策としてセキュリティ対策ソフトを導入し、万一の感染時にも実行前に気付ける仕組みを作ることが重要です。加えて、システム的な対策だけでなく、従業員のリテラシー向上も併せて進めることが、電子メール・マルウェア対策としては有効になってきます。

総合的なネットワークセキュリティにはUTM

総合的なネットワークセキュリティにはUTM

ここまでに解説してきたとおり、ネットワークセキュリティには総合的なセキュリティ対策が求められます。さまざまなリスクに対して、対応する専用ソリューションが存在していますが、統合的なネットワークセキュリティを実現するソリューションとしてUTMが挙げられます。

UTM(Unified Threat Management)は統合型脅威管理と呼ばれるものであり、ファイアウォールやIDS/IPS、Webフィルタリングなどのセキュリティ機能が一つに集約されたものです。

ネットワークセキュリティを効率的かつ、包括的に管理するためにUTMは用いられ、各種セキュリティリスクに対して個別に対応する必要がない点がメリットです。個別に対応する場合、コストの高騰や知識不足による対策不足が懸念されますが、UTMならこれらの課題を解決できます。

近年ではクラウド型のUTMも登場しており、企業のネットワークセキュリティ対策として利用しやすいソリューションとなっています。

ネットワークセキュリティ対策に迷ったら、UTMを検討してみては?

ネットワークセキュリティは企業の資産である情報を守るために、ネットワークの内外に存在するセキュリティリスクを防ぐための対策です。おもなネットワークセキュリティの種類としては次のようなものが挙げられます。

・ファイアウォール

・アクセス制御

・DLP

・IDS/IPS

・VPN

・モバイルセキュリティ

・Webセキュリティ

・電子メール、マルウェア対策

これらの対策を個別に行なう場合、コストの高騰や知識不足による対策不足が懸念されますが、総合的なネットワークセキュリティを実現するためのソリューションとしてUTMが存在しています。ネットワークセキュリティ対策に迷ったら、UTMを導入することを検討してみてはいかがでしょうか。