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DXの意味とは?理解すべき定義や取り組みによる効果を解説

DXの意味や成功した際に実現できること、取り組むにあたり認識しておくべき課題について解説しますので、自社のDX推進にお役立てください。

DXの意味とは?理解すべき定義や取り組みによる効果を解説

DXの意味や成功した際に実現できること、取り組むにあたり認識しておくべき課題について解説しますので、自社のDX推進にお役立てください。

DX

2022/01/24 UP

あらゆる分野においてデジタル化が進み、ビジネス業界では「DX」という言葉を頻繁に聞くようになりました。DXという言葉の意味について、どれくらいの人が理解しているでしょうか。企業がDXに取り組むためには、DXの意味を理解し、適切なプロセスで進めていく必要があります。

この記事では、DXの意味や成功した際に実現できること、取り組むにあたり認識しておくべき課題について解説しますので、自社のDX推進にお役立てください。

なお、DXについてさらに理解を深めたいという方は、日本のDX推進のキーマンとして経済産業省の研究会委員も務める山本修一郎さんのインタビューも併せてご覧ください。
【インタビュー】DX時代に求められる人材とは〜日本のDXの課題とデジタルエンジニアの必要性

DXの意味とは

ここでは、概念として理解されているDXと、ビジネスの場面で用いられるDXの意味について解説しますので、DXの意味について理解を深めましょう。

DXとは「概念」

DX(デジタルトランスフォーメーション)は、2004年にスウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授によって提唱された概念です。「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させること」と定義されています。

DTではなくDXと表記する理由は、英語圏において「transformation」の「trans」を「X」と略して「X-formation」と表記するのが一般的なためです。

ビジネス的な用途での意味とは

DXという言葉は、もとは学問的な意味合いで誕生しましたが、現在ではビジネス的な解釈や定義で語られる傾向にあります。また、業界や職種は多岐にわたるため、認識には人それぞれのわずかな違いがあるでしょう。

一般的な意味合いとしては、デジタル技術の活用によって企業のビジネスモデルを変革することです。また、今後のデジタル時代にも勝ち残れるように、自社の競争力を高めていくという意味合いが込められています。

DXに設けられたあらゆる定義

DXに設けられたあらゆる定義

DXについての定義は、エリック・ストルターマン教授の概念だけではありません。他のおもな定義2つを解説しますので、どのような違いがあるのかを確認しましょう。

デジタル ビジネス トランスフォーメーション

デジタル ビジネス トランスフォーメーションは、2010年にマイケル・ウェイド氏らによって提唱された概念です。

デジタル技術とデジタルビジネスモデルを用いて組織を変化させ、業績を改善することが定義されています。業績の改善やデジタルを土台とした変革、人やプロセスなど、テクノロジー以外のものが多く関わっている概念です。

経済産業省の定義

経済産業省は、2004年にエリック・ストルターマン教授によって提唱されたDXの概念を、日本企業に向けて再定義しました。2018年に「DXレポート」を公表し、将来的に考えられる課題、DXを推進するための対策として「DX推進ガイドライン」を公表しています。

定義された内容は、データとデジタル技術の活用により、ビジネス環境の激しい変化にも対応できる環境を整えることなどが挙げられています。ビジネスモデルやサービス、業務そのものといった組織全体の変革によって、競争上の優位性を確立することが目的です。

DX実施までの「デジタイゼーション」「デジタライゼーション」を解説

DX実施までの「デジタイゼーション」「デジタライゼーション」を解説

DXを進めていくまでの間には「デジタイゼーション」「デジタライゼーション」「DX」という段階があります。混同されやすい言葉ですが、それぞれが示す意味は異なるため、本来の意味を理解したうえでDXに取り組まなければなりません。

どのような流れで進めていき、どのような意味合いを持っているのかを理解しましょう。

デジタイゼーションとは「効率化」

デジタイゼーションという段階では、IT技術の活用によって業務をデジタル化し、業務効率化を図る目的があります。業務プロセス自体を変更するわけでなく、特定の業務をアナログからデジタルへと移行するというイメージです。

例えば、これまで手動で行なっていた業務をRPAツールの活用により自動化したり、紙を使用した文書のやり取りからクラウド管理に移行したりします。これにより、書類の保管場所が不要となるだけでなく、データを探しやすくなることで作業時間が大幅に削減されるでしょう。

その他にも、CRMによる顧客管理や、アナログ広告からオンライン広告への移行なども効果的です。業務効率化だけでなく、コスト削減などにも大きく貢献するステップといえるでしょう。

デジタライゼーションとは「プロセスの変革」

デジタライゼーションという段階では、デジタル技術の活用によって、ビジネスプロセス自体を変革する目的があります。

この段階の目的は、部署単位によるデジタル化ではなく、組織全体におけるワークフローの効率化です。新たなビジネスモデルを見出し、生産性の向上に向けて取り組んでいきます。

また、オンラインで管理している蓄積データをもとに、業務フローの最適化などが実現します。他にも、デジタル稟議へと切り替えることで決裁の効率化を実現し、スピード感のある経営につなげることも可能です。これにより、新たなビジネスチャンスを創出することも期待されるでしょう。

DXにより企業が得る強みとは

DXにより企業が得る強みとは

DXに取り組むことで、効率化やビジネスプロセスの変革だけでなく、組織強化にも貢献します。得られる効果を具体的に解説しますので、DXに取り組む際の参考にしてください。

安定的な事業の継続性を担保

新型コロナウイルス感染症の影響を受け、世界中の企業がビジネスモデルや働き方の見直しを行なったことでしょう。自然災害の多い日本の場合でも、急な市場の変化に対応できる基盤を整えておくことは非常に重要な課題です。

DXが実現している企業の場合、テレワークを採用することで、災害時で出勤できない状況でも業務が可能な環境が整っています。また、電子印鑑の導入により、決済時のハンコが不要になることで、出勤しなくてもスムーズな取引先とのやり取りが可能です。

どのような状況にも対応できる基盤を整えておくことで、オフィスが被災したとしても事業継続性は担保されるでしょう。

市場での競争力強化への取り組み

近年の市場では、既存のビジネスモデルを破壊する新規参入者が勢いを増しています。これまでのやり方とは異なるビジネスモデルを再構築し、市場をけん引してきた企業に引けを取らない優位性の強化を目指していると考えられるでしょう。

すでにあらゆる変革が起こっている市場において、これまでのサービスやビジネスモデルによる市場競争が通用しなくなるのも時間の問題です。最新のデジタル技術を取り入れた新規参入者にシェアを奪われ、市場における競争優位性は失われるかもしれません。

市場で生き残るためには、市場に合わせたビジネスモデルの展開を考えてみてはいかがでしょうか。競争力強化に向け、既存のビジネスモデルにこだわり過ぎず、速やかにDXに取り組みましょう。

消費者ニーズの変化に対応できる

近年では、スマートフォンやパソコンの普及により、消費者自身がインターネットで簡単に情報を収集できるようになりました。また、サブスクリクションのように「所有」から「共有」するサービスへの関心が高まっている傾向にあります。

例えば、購入費や維持費をかけずに利用できる「カーシェアリング」では、必要に応じて自由に車を利用できるのが魅力です。つまり、品質の良い「モノ(車)」から、必要な場面で気軽に利用できる「コト(共有)」に対するニーズが高まったと考えられます。

今後の市場でサービスや商品を訴求するためには、これまでよりもパーソナライズされたアプローチが不可欠です。そのためには、DXに取り組むことでデータやIT技術を活用し、消費者ニーズに対応できるビジネスモデルへの変革が不可欠といえるでしょう。

DXを成功させるために理解しておくべき課題

DXとは、ビジネスツールを導入しただけで実現できるような施策ではありません。組織全体が変革を目指す取り組みを行なうことが重要です。

DXへの取り組みに際し、理解しておくべき課題を解説しますので、自社業務で当てはまる項目がないか確認しましょう。

日本特有の慣習

日本の企業では、回付を必要とする稟議や押印しなければならないハンコ文化など、デジタル世界におけるスムーズでスピーディな解決法とは異なる商慣習が残っている場合があります。

また、完璧主義な傾向にある日本では、まずは最小限のサービスでリリースし、徐々にアップデートを重ねていく実装法もまだまだ少ないと考えられています。

これまでの慣習を変更するとなれば、自社だけでなく外部の関連企業あるいは業界そのものを巻き込まなければならない場合も考えられます。

しかし、DXの推進に歯止めがかかっている要素のため、速やかに対応する必要があるでしょう。また、規模が大きくなるほどデジタルシフトのハードルは高くなるため、早めにDXを進めるのが賢明です。

システムを業務に合わせた事業形態

日本企業はメンバーシップを重要視する傾向にあり、自身が担うべき仕事が明確にできず、属人的な業務が目立つ企業も存在します。そのため、日本の多くの企業は、事業に合わせたシステムを導入する必要がありました。

近年ではビジネスの複雑化が影響し、事業に合わせたシステムを使い続けるとなれば、事業単体での競争優位性の向上は見込めず、他社との差別化も進みません。

業務に合わせたシステムの場合、交換やアップデートが難しいという欠点がありますが、システムに業務を依存しているため、簡単には手放せない状況にあると考えられます。しかし、新たなシステムを導入する際の妨げになるため、DXを実現するためには、システムに業務を合わせる取り組みが必要といえるでしょう。

充実した通信インフラを活用しないITリテラシーの低さ

日本の場合、メールやFAXを中心としたコミュニケーションは現在でも多く活用されており、チャットツールなどが定着したのも最近の出来事です。

欧米では、紙でのやり取りがほとんどなくなっただけでなく、モバイル端末による仕事が可能な環境へと変化しています。通信インフラが充実しているはずの日本において、オンラインサービスなどの活用が進んでいない現状を考慮すれば、ITリテラシーの低さがうかがえるでしょう。

DXは、ITの利活用が前提の取り組みであり、部署や業務範囲にとらわれず、横断的な対応が求められる場面も多く見受けられます。そのため、ITリテラシーを持っているキーパーソンを配置し、スムーズな対応が可能な環境を整えることが重要です。

DXの意味を理解し企業競争力を強化しよう

DX戦略を立てることで企業競争力の強化が可能となり、激しい変化が起こりうる今後の市場でも生き残る可能性を高められます。そのためには、DXの意味に理解を深め、適切な取り組みを行なうことが重要です。

DXはデジタルへの移行だけでなく、デジタル移行後に蓄積できるデータやデジタル技術を活用できなければ実現しません。DXの環境が整った時点がゴールではないということに留意し、成功に向け取り組みましょう。

なお、パソナテックでは、企業のDX推進をサポートするサービスも展開しています。

例えば、MicrosoftリモートヘルプデスクサービスはMicrosoft製品の導入後にうまく活用できない企業様に向けて、導入後の更なる社内活用を支援するサービスです。

DX推進の一環として、Microsoft製品を導入したが、社内活用が進んでいないといったお悩みがある場合、ぜひ一度ご確認ください。
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