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QAエンジニアとは?テストエンジニアとの違い・必要な資格について

この記事ではQAエンジニアの概要や仕事内容、テストエンジニアとの違いについて解説していきます。またQAエンジニアとして活躍するために求められるスキル・資格についても紹介します。

QAエンジニアとは?テストエンジニアとの違い・必要な資格について

この記事ではQAエンジニアの概要や仕事内容、テストエンジニアとの違いについて解説していきます。またQAエンジニアとして活躍するために求められるスキル・資格についても紹介します。

キャリア

2023/03/02 UP

システム・アプリケーション・サービスなどの製品開発において、品質保証に関わる職業が「QAエンジニア」。QAエンジニアはただ単に仕様のチェックをするだけではなく、製品をより高品質でユーザビリティの良い状態にするために重要な役割を担っています。

QAエンジニアは、製品の品質を左右するやりがいと責任のある仕事ですが、具体的な仕事内容については知らない方も少なくありません。

この記事ではQAエンジニアの概要や仕事内容、テストエンジニアとの違いについて解説していきます。またQAエンジニアとして活躍するために求められるスキル・資格についても紹介します。

QAエンジニアとは?

QA(Quality Assurance)には「品質保証」という意味があります。

つまりQAエンジニアとは、システム・アプリケーション・サービスなどの製品の品質保証のために、テスト工程での動作チェックや、製品の品質管理を担当するエンジニアのことを指します。

QAエンジニアの仕事は、ただ単に不具合の有無や、使用に沿った動作をするかを確認するだけではありません。動作や仕様の確認に加え、「ユーザーが使いやすい製品になっているか」「イレギュラーな操作をした場合でも動作に問題がないか」という視点でのチェックも行ないます。

QAエンジニアは、製品の品質をより高め、また品質を維持するという役割も担っているのです。

QAエンジニアとテストエンジニアの違い

QAエンジニアとテストエンジニアの違い

QAエンジニアとよく似た職種がテストエンジニアです。

テストエンジニアは、開発途中の製品に対して、プログラムが正常に動作するか、不具合がないかのテストを行ないます。

一方QAエンジニアは、完成した製品が仕様に沿っているか、ユーザーが使用できる状態になっているかの確認をおもに担当します。また、製品状態をチェックするだけではなく、テスト結果の分析や開発者へのフィードバックも行ないます。

QAエンジニアとテストエンジニアは異なる職種ですが、業務内容が似ているため、それぞれを区別していない企業も存在します。

QAエンジニアの具体的な仕事内容

QAエンジニアの具体的な仕事内容

QAエンジニアは品質管理に関わる業務を担当します。この章ではQAエンジニアの仕事内容を、工程ごとに解説していきます。

品質保証テストの設計・計画

製品の品質を保証するために、どのようなテストが必要かを決め、テストの実施計画を立てます。品質水準は数値で明確に定義しておく必要があります。

QAエンジニアのテスト工程は、製品リリースが間近に迫っていることが多いため、スケジュール管理も非常に重要な業務です。関係部署とのスケジュール調整をし、スムーズにテストを終了できるように工程管理をする必要があります。

テストの設計・計画が適切に組まれていない場合は、本来実施すべきテストが漏れていたり、あとになって再テストが必要になったりする可能性もあります。

テストの実行・検証

テストの設計・計画に沿って、製品の動作や品質をチェックしていきます。

仕様に沿った状態になっているかの確認のほか、開発者が想定していなかった動作をしても問題ないかなど、多角的な視点でテストを実施します。また、ユーザーが快適に使用できるかという点でも検証を行ないます。

QAエンジニアが直接不具合を修正することもあり、その場合は修正後の検証も担当することが多いです。

テスト結果の分析・フィードバック

テストで見つかった不具合を分析し、不具合の数や内容を開発者にフィードバックします。またクライアントに対しての、不具合の対策や改善提案などを担当する場合もあります。

QAエンジニアは製品の品質を維持・向上させる役割を担っています。そのため、品質テストではその製品の品質基準をクリアするだけではなく、品質向上のために新たな提案も行ないます。

QAエンジニアに必要なスキル

QAエンジニアに必要なスキル

QAエンジニアは製品の品質に関わる重要な仕事です。QAエンジニアとして活躍するためには、どのようなスキルが求められるのでしょうか。

プログラミングスキル

QAエンジニアには、プログラミング言語ごとの構造や特徴についての幅広い知識が求められます。

IT製品・サービスはプログラムによって構成されています。そのため、仕様・設計のテストや評価を行なう際に、プログラミング言語に関する知識が必要となります。

また、QAエンジニアは問題のあったプログラムを直接修正することもあります。QAエンジニアにとって、開発製品に使用されているプログラミング言語についての知識は求められると考えてください。

ソフトウェア開発の知識

品質テストの設計・計画、結果分析・改善提案をするために、ソフトウェア開発に関する知識が求められます。

QAエンジニアは必要に応じて開発工程の見直しも提案することがあります。そのため、どのように開発が行なわれているかは十分に理解しておく必要があるでしょう。

QAエンジニアはプログラマーやSEの経験者が担うことが多く、ソフトウェア開発の知識はQAエンジニアにとって基本スキルともいえます。

テスト技法に関する知識

QAエンジニアは品質テストの設計・実施をするため、テスト技法に精通していることが求められます。

取り扱う製品によって実施すべきテスト内容は異なります。そのため、どのようなテストを実施すべきなのかを都度判断しなくてはなりません。

また、限りあるリソースで必要なテストを実施できるよう設計したうえで、各テストにおける品質評価基準を数値として設定する必要もあります。

品質テスト実施時に、その開発現場独自の専用ツールを使用する場合も少なくありません。そのような場合は、そのツールを使いこなすスキルも求められます。

品質保証・マネジメントの知識

QAエンジニアは製品の品質管理を担うため、品質保証に関する知識は必要不可欠です。

製品そのものの知識もさることながら、開発工程全体の管理能力や、品質をより向上させるためのマネジメントスキルも、QAエンジニアとしてキャリアを築くうえで重要なスキルといえるでしょう。

開発現場によっては、国際規格であるISOの知識が必須の場合もあります。

コミュニケーションスキル

QAエンジニアは、製品開発のさまざまな部署・関係者と関わる仕事です。スムーズに開発を進めるためにも、コミュニケーションスキルは欠かすことのできない能力といえるでしょう。

品質テストは製品リリース直前に行なわれることが多く、時間に余裕がないケースも少なくありません。そのため、開発現場全体の状況を把握できるような視野の広さと、イレギュラーが発生した場合でも柔軟に対応できるスキルも求められます。

また、直接クライアントの対応をすることもあるため、論理的な説明力と交渉力、ビジネスマナーが見についていることも重要です。

QAエンジニアに向いている人の特徴

QAエンジニアは製品の品質を左右する重要な役割を担う仕事のため、注意力や観察力が問われます。ここでは、QAエンジニアとして長く活躍している人の特徴について、具体的に見ていきましょう。

細部まで注意を払える人

QAエンジニアは、製品やシステムの開発における最終テストを担当します。QAエンジニアが不具合や脆弱性を見落としてしまうと、製品がそのままリリースされ、ユーザー評価を著しく下げてしまう原因になる恐れもあります。そのため、細かい部分も注意深く丁寧に確認できる人に向いている仕事といえるでしょう。

QAエンジニアが携わる工程は、製品リリースが直前に迫っていることも少なくありません。納期が迫っているというプレッシャーのなかでも、落ち着いて集中力を保てることも重要な資質の一つに挙げられます。

わからないことを放置しない人

QAエンジニアには、テスト技法、製造工程、品質保証、法律など幅広い知識が要求されます。また、新しい技術が登場したり、法律の改正が行なわれたりした際には、学び直すことも必要となります。

QAエンジニアとして第一線で活躍するためには、不明点を放置せず、自主的に学び続けることが大切です。

ユーザー視点を持てる人

QAエンジニアは、動作や仕様の確認はもちろんのこと、ユーザーにとって使いやすい製品になっているかどうかを考えてテストを行なう必要があります。

そのため、ユーザーの心理に寄り添いつつ、客観的な視点から製品をとらえることができる人に向いている仕事といえるでしょう。

QAエンジニアの仕事に役立つ資格

QAエンジニアには必須資格はありません。しかし品質テストに関する資格や、ソフトウェア開発に関する資格を取得しておくことで、転職活動を有利に進めることができます。また資格取得のための学習を通して、知識をより深めることが可能です。

この章では、QAエンジニアの仕事に役立つ資格について紹介します。

ソフトウェア品質技術者資格認定(JCSQE)

一般財団法人日本科学技術連盟が主催する、ソフトウェアの品質向上に関する知識を認定する資格試験です。

試験は初級、中級、上級の3段階で構成されています。上級試験は今後新設予定のため、現在は初級・中級のみ受験が可能です。

専用の参考書籍や問題集が出版されているので、試験学習を進めやすいというメリットがあります。

JSTQB認定テスト技術者資格

JSTQB(Japan Software Testing Qualifications Board)が主催する、ソフトウェアのテスト技術を認定する資格試験です。

試験は「Advanced Level」と「Foundation Level」の2つのレベルがあり、レビュー評価からソフトウェアテストに関する知識など、品質管理に関わるさまざまな知識が問われます。

JSTQB認定テスト技術者資格は、アメリカ、イギリス、ドイツなどのISTQB連携のテスト技術者資格と相互認証を行なっており、海外でも通用する資格です。

IT検証技術者認定試験(IVEC)

一般社団法人IT検証産業協会(IVIA)が認定する、テストエンジニアの資格試験です。

実務を重視した試験内容になっており、実務力を問う記述式試験が出題されることが特徴です。

IT検証技術者レベル1からレベル7までの7段階で構成されており、下位試験に合格することでその上位試験の受験が可能になります。

QC検定

日本規格協会グループ(JSA GROUP)が主催する、品質管理の知識を認定する検定試験です。

試験は筆記形式で、「企業の業務内容」「求められる品質管理スキルのレベル」に応じた4級・3級・2級・(準1級)1級の4段階で構成されています。

学生から社会人まで、幅広い層を対象とした試験です。

QAエンジニアのキャリアパス

QAエンジニアは、経験を活かしてさまざまなキャリアにつなげることができます。ここでは、「シニアQAエンジニア」と「マネジメント職」へのキャリアパスについて具体的に見ていきましょう。

シニアQAエンジニア

シニアQAエンジニアは、製品テストや設計に関する深い知識・高い技術力が求められるスペシャリスト職です。QAエンジニアとして経験を積み、さらに高いレベルのQAエンジニアを目指したいという方に向いている職種といえます。

シニアQAエンジニアは、チームリーダーとしてテストの計画・設計を主導します。また、メンバー管理やプロジェクトマネジメントに携わることもあるため、コミュニケーション能力やマネジメント能力も重要となります。

マネジメント職

マネジメントスキルを活かしたキャリアを考えている方は、チームリーダーやマネージャーなどのマネジメント職への道を進むという選択肢もあります。

「QAマネージャー」や「QAコンサルタント」は品質保証に特化した職種なので、QAエンジニアの経験を活かして活躍することが可能です。いずれもコミュニケーションやマネジメントの能力が求められます。

より幅広い業務を担当したい方や、課題発見力と提案力を活かして活躍したい方におすすめのキャリアといえるでしょう。

QAエンジニアの将来性

QAエンジニアの将来性

どのような製品・サービスにおいても品質管理という仕事は必要不可欠であり、QAエンジニアは今後も高い需要が見込める職業です。

日々多くの製品が生み出され、より高品質であることが求められます。そのため、QAエンジニアに求められるスキルは、今後より高度になっていくことが予想されます。AIやクラウドなど、最新技術についての知識も習得することで、より広いステージでの活躍も可能になるでしょう。

QAエンジニアとして経験を積むことで、QAコンサルタント・QAマネージャー・シニアQAエンジニアなど、上位職へのキャリアパスも視野に入れることが可能です。

QAエンジニアは製品クオリティを左右するやりがいある仕事!

QAエンジニアは、製品やサービスの品質を左右する重要な仕事です。

品質管理についての知識はもちろんのこと、限られたリソースで必要十分なテストを行なうためのスケジュール管理能力など、幅広いスキルが求められます。

QAエンジニアは今後も需要が見込める職業であり、将来性もあります。製品開発の技術は日々進歩するので、常に新しいプログラミング言語やソフトウェア開発の知識を身に付けるよう努めることが大切です。

また、品質管理に関する資格を取得したり、AIなど最先端のIT技術を身に付けたりすることで、より多くのステージで活躍することも可能でしょう。