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内製化とはなにか?5つのメリットと押さえておきたいポイントを解説

内製化を検討する際には、適切な業務かどうかを見極めたうえで実施することが重要です。本記事では内製化の意味を解説したのち、メリットと内製化する際に押さえておきたいポイントを解説していきます。

内製化とはなにか?5つのメリットと押さえておきたいポイントを解説

内製化を検討する際には、適切な業務かどうかを見極めたうえで実施することが重要です。本記事では内製化の意味を解説したのち、メリットと内製化する際に押さえておきたいポイントを解説していきます。

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2021/09/22 UP

業務改善や改革などを目的として、企業運営に必要な業務を外注せず、社内のリソースを活用する「内製化」を検討する方も多いのではないでしょうか。業務の内製化には、さまざまなメリットがあります。一方で、すべての状況に向く手法ではありません。

このため内製化を検討する際には、適切な業務かどうかを見極めたうえで実施することが重要です。本記事では内製化の意味を解説したのち、メリットと内製化する際に押さえておきたいポイントを解説していきます。

内製化の意味と注目される理由を解説

内製化の意味と注目される理由を解説

内製化とは企業活動に必要な業務を外注せず、社内の要員や設備を使って実施することを指します。社内で業務が完結していても、常駐する他社の要員に任せている場合は内製化と呼ばないことに注意が必要です。

内製化は業務の単位で考えます。そのため、ある業務は内製化し、ある業務は大部分を外注する、といったことも可能です。実際に、このような手法を取る企業も多いことでしょう。

内製化はいま注目されている手法であり、アウトソーシングや業務委託から移行する企業も増えています。その理由について、以下で解説していきます。

内製化が注目される理由

企業では業務を効率化する手法として、専門の企業に外注する「アウトソーシング」が流行した時期もありました。しかし現在では、内製化が再び注目されています。おもな理由として、以下の2点が挙げられます。

・業務によっては、社内で行なったほうが安価かつスピーディー

・技術競争が進む時代では、ノウハウなど知的財産の流出防止も重要な課題

上記のように、内製化にも大きなメリットがあります。上記のメリットを活かせる業務が少なくない点も、内製化が注目される大きな要因の一つといえるでしょう。

内製化は、すべての業務が対象となりうる

さまざまな業務を外注する企業にお勤めの方のなかには、「コア業務以外の外注は当たり前」と思っている方もいるのではないでしょうか。しかし外注した効果や費用をよく検討せず、安易に外注する姿勢はおすすめできない場合があります。

そもそも企業は、企業活動における業務のすべてを自社で行なうことが基本です。それができない、あるいはコストに見合わないといった場合に外注を検討します。したがって現時点で外部委託している業務も含めて、すべての業務が内製化の対象となりうることに留意が必要です。

業務を内製化する5つのメリット

業務を内製化する5つのメリット

業務を内製化するメリットは、大きく5つに分けられます。それぞれのメリットについて、順に確認していきましょう。

外部に機密情報や個人情報を渡さずに済む

社外に機密情報や個人情報を渡さずに済む点は、内製化する大きなメリットに挙げられます。

業務をアウトソーシングする場合、委託先企業に対して機密情報や個人情報を提供することは避けられません。たとえ機密保持契約書の締結を行なったとしても情報に触れる人数そのものが増えるため、以下に挙げるリスクは増します。

・情報が社外へ流出する

・提供した情報をもとに、自社と競合する製品やサービスをつくってしまう

情報はいったん社外へ流出してしまうと、原状回復が不可能です。このため、被害の未然防止に注力しなければなりません。

一方で内製化した場合は、情報を社内にとどめることができます。必然的に情報に触れる方も減るため、情報流出のリスクが低減することは重要なメリットといえます。

社内にノウハウを蓄積できる

社内にノウハウを蓄積できる点も、大きなメリットの一つに挙げられます。内製化した場合は、すべての業務を自社の従業員で担当することが特徴。細部にわたるまで自社で手掛けるため、細かいノウハウも含めて自社に蓄積できます。新入社員に技術などを伝承できる点も、見逃せないポイントです。

もしアウトソーシングに頼った場合、このようなわけにはいきません。システム運用・保守の現場では、協力会社の方しか仕様がわからないというケースもあります。もし協力会社の方が去ると業務継続が不可能になりかねないため、事業運営のリスクとなります。このような事態は、早急に解決しなければなりません。

スピーディーな対応が可能

スピーディーな対応ができる点も、内製化の大きなメリットです。外注では契約手続きが煩雑となりがちですが、内製化ならば不要。社内調整だけで済むため迅速な対応ができ、ビジネスチャンスを逃しません。

加えて内製化ならば本稼働後も、製作したスタッフが社内にいるため心強く感じるもの。トラブルが発生した場合も、社内の要員だけで迅速に対応し解決へ導けます。このため競合他社よりも優位に立てるなどのメリットが期待できます。

正確できめ細かな対応ができる

業務に必要なシステムやツールは、該当する業務と社内事情の両方を知っている方が作ると使いやすく、社内で定着しやすくなります。内製化はこの条件に合致した手法。業務の要件を正確に反映したうえで、きめ細かな対応が可能です。

加えて内製化では社内の要員だけで開発や製作を行なうため、関係者の数も必然的に減ります。関係者が多くなると、どうしても「伝言ゲーム」のように情報が誤って伝わりがち。この点で内製化はアウトソーシングよりも情報が正しく伝わりやすくなり、現場の意見が反映しやすくなる手法といえます。

コストを下げられる場合もある

内製化によりコストを下げられる場合があることも、留意しておきたいポイントの一つです。例として、以下の業務が挙げられます。

・業務内容に対して委託費が割高

・外注すると、かえってコミュニケーションコストが高くなる

・閑散期にまとめて生産し、作り置きができる製品の生産

またシステム化が絡む業務の場合、かつては自社で高価なシステムを持つよりも、アウトソーシングしたほうが安価な場合も少なくありませんでした。しかし現在では、Power Appsに代表されるローコード開発の普及により、IT技術者でなくても業務に必要なシステムを作成できる時代です。

この結果、委託する際の開発・保守費用が軽減でき、コスト削減も可能となります。むしろアウトソーシングしたほうがかえって高くなるケースも出てくることでしょう。

内製化する際に押さえておきたい3つのポイント

内製化する際に押さえておきたい3つのポイント

ここまで解説したとおり、内製化にはさまざまなメリットがあります。一方で、すべての業務に向いているとは限りません。

内製化を業績アップにつなげるポイントは、3つあります。それぞれのポイントがなぜ重要か、詳しく解説していきます。

自社の中核的な業務か

業務が以下に示すいずれかの項目に該当する場合は、内製化を後押しする重要なポイントになります。

・中核的、または主力の事業

・今後成長が見込める事業

・特有の業務がある事業

上記に挙げた事業では社内でノウハウを蓄積するとともに、機密情報の流出を防ぐことが重要です。内製化ではこの課題をクリアできるため、必然的に選ばれやすくなることでしょう。

一方で、どの企業でも内容があまり変わらない業務もあります。この場合は、アウトソーシングも検討されます。特に重要な機密情報や個人情報を扱わない業務は、リスクが低いため適しています。

要員や設備の確保は可能か

内製化する場合は、事業に必要な経営資源をすべて自社で確保しなければならない点にも注意が必要です。代表的な項目には、以下のものが挙げられます。

・製造に必要な建物や設備

・業務に必要な備品

・業務に従事する要員

場合によっては巨額の投資を要したり、長い期間をかけたりする必要もあります。従業員の採用も、すべて自社で行なわなければなりません。

要員や設備などを確保できない場合は、外注に頼らざるを得ません。このため内製化を検討する場合はリソースを確保できるかどうか、あらかじめ見通しを立てておくことが重要です。

コストは適正か

コストも、検討すべき重要なポイントです。内製化の大きな特徴として、設備や人件費といった費用がかかる点が挙げられます。例えば季節ものなど繁閑のある業務では、閑散期でも設備を保有し従業員を雇用する必要があります。このため、思った以上にコストがかかる場合があることに留意が必要です。

一方で外注したことで、かえってコストが高くなる場合もあります。費用を惜しんだ結果、品質が下がるリスクがあることにも留意しなければなりません。

このため、「外注は安い」「内製化は高い」といった固定観念を持たないようにしましょう。もし外注と内製化で品質が変わらない場合は、コストを比較して検討することも一つの方法です。

内製化の強みを活かし、業績アップにつなげよう

内製化にはさまざまなメリットがありますが、万能の方法ではありません。社内のリソースが乏しい場合は、外注を選択する場合も多いでしょう。

一方で内製化が可能な経営資源を持つ企業ならば、貴社の強みを活かせる業務に適用することで業務改善や業務改革につなげることができます。業績アップも実現できることでしょう。まずは貴社が担う業務の特徴と強みを持つ分野をよく把握したうえで、内製化すべきか十分に検討することをおすすめします。