PMBOKにおける課題管理とは?効果的な管理方法やポイントを徹底解説!

PMBOKにおける課題管理とは?

プロジェクトマネジメントの教科書ともいえるPMBOKのノウハウ・手法をベースに、課題管理の目的や、何を管理するのか?どうやって管理するのか?を詳しく解説します。

システム開発に携わるエンジニアなら誰もが一度は経験するのが課題管理です。「A機能の仕様が確定しない」「B機能の開発が1週間遅延している」などシステム開発で発生するさまざまな問題を明確にし、ムダやモレなく解消するには課題管理が欠かせません。

この記事ではプロジェクトマネジメントの教科書ともいえるPMBOKのノウハウ・手法をベースに、課題管理の目的や、何を管理するのか?どうやって管理するのか?を詳しく解説します。

課題管理はなぜ必要?

プロジェクト進行中はどんなに熟練のプロジェクトマネージャーであっても何かしらの課題に直面します。発生した課題に対応せず放置しておくと後々プロジェクトに致命的な影響を与えてしまいかねないので、早めに対処していくことが重要です。

課題管理とは、プロジェクト立ち上げ時に定義した品質・コスト(予算)・スケジュールなどを、計画通り達成する際の障害となる問題を把握し解消することを指します。プロジェクトの関係者で適切に課題を共有し、期日までにモレなく対応することがプロジェクトを成功させるための重要な要素です。

PMBOKにおける課題管理

PMBOKにおける課題管理

課題管理は、現場のルールや既存の運営方針に従って、ただ漠然と実施されることも多いでしょう。一件うまくいっているように見えていても、きちんと管理できていない場合、大きなインシデントが発生して一気にすべて崩壊してしまう可能性があります。

ここからは、プロジェクト管理に関わる人が知っておきたい標準知識体系であるPMBOKを参考に課題管理のセオリーを解説します。

そもそもPMBOKとは何か?

PMBOKとは「Project Management Body of Knowledge」の略で、アメリカの非営利団体PMIがプロジェクトマネジメントに関するノウハウや知識体系をまとめたガイドブックです。システム開発に限らず、あらゆるプロジェクトマネジメント業務に従事する人にとって教科書・バイブル的な存在として知られています。

プロジェクトマネジメントに精通する世界中の有識者が持つ知見を参考に4年に1度改定されており、2021年7月時点では第7版が最新版です。原本は英語で書かれていますが、日本語訳されたものもPMI日本支部から公開されています。

なお、PMBOKについては、こちらの記事も併せてご確認ください。
PMBOKとは?プロジェクト管理における基礎や活用方法!

PMBOKにおける課題とは

PMBOKでは課題を以下のように定義しています。

問題となっているか、または係争中の要点や事柄あるいは、未解決か審議中、もしくは反対の見解や合意できないものがある要点や事柄
(参考:A Guide to the Project Management Body of Knowledge (PMBOK® Guide))

少し難しい説明ですが、プロジェクト実行中に発生するプロジェクト進行において未解決の問題が「課題」です。

また、プロジェクト関係者の間で検討中・係争中の問題を文章化し、監視するために「課題ログ」とよばれる文章を用いて管理する、とあります。課題ログは、一般的な呼び名だと「課題管理表」や「課題一覧」などとして表現される一覧表です。

顕在化した課題を全て管理表に記載し、プロジェクト関係者と状況を共有しながら解消に向けた活動を継続して実施することが求められています。

課題管理を扱う知識エリア

マネジメントに必要なPMBOK10種類の知識エリア

知識エリアとはPMBOKにおいて、プロジェクト管理で必要となる知識を10個に分類したものです。スコープ管理やスケジュール管理、コスト管理などプロジェクトゴールを構成する3つの要素と、プロセスを管理する7つの要素に分かれています。

PMBOKの中では課題管理を独立した知識エリアとして定義していません。プロジェクトチーム管理やコミュニケーション管理、ステークホルダーエンゲージメント管理などの複数の知識エリアで課題管理が登場します。

例えば、コミュニケーション管理の知識エリアではインプットとして課題ログ(課題管理表や課題一覧)を定義しており、「プロジェクト内のコミュニケーションを促進し、課題の共通理解を確実にするために使用する」としています。

課題管理を成功させるためのポイント

課題管理を成功させるためのポイント

このように、PMBOKでは、課題管理はさまざまな場所で横断的に求められるものになっています。これは、課題管理をしっかりすることが、あらゆる場面で重要となってくることを意味します。

では、「課題管理をしっかり行う」とは具体的にどのようなことをするのでしょうか。ここからは課題管理を成功させるためのポイントとして、コツや押さえておくべきポイントを3つ解説します。

効果的な管理項目

課題管理では課題を書き出し、対応状況を把握するための課題管理表の作成が重要です。課題管理表にはメンバー全員で課題を共有できる、課題解消までのアクションが分かるなどのメリットがあり、課題をスムーズに効率よく片付けていくことができます。

課題管理表には課題の詳細以外にも、以下のような管理項目を設定するのが効果的です。

追加項目 内容
ステータス 未着手、対応着手、完了などの課題対応状況
対応期日 いつまでに課題解消が必要なのか
重要度 大中小など、優先順位付けのための項目
対応結果 どのように対応したのか、またどのような結果になったのかを記載
完了条件 どのような状態になれば完了と判断できるか
影響内容、範囲 課題がプロジェクト運営に与える影響

課題管理表の例 クリックして拡大

※課題管理表の例

ただし課題管理表に正解はありません。いくら素晴らしい課題管理表を準備しておいてもプロジェクトメンバーが活用できなければ本末転倒です。メンバーの意見も取り入れながら、実際の運用を意識して使いやすい項目にカスタマイズすることが重要です。

課題は漏れなく管理する

プロジェクト実行中に発生した課題は課題の大きさや影響度に関わらず全て記載することが重要です。また、課題は書き出して終わりではなく、課題の対応内容や検討内容を日々更新していくことが必要となります。プロジェクトメンバーがいつでも自由に追加・更新できるようにしておきましょう。

また、開発業務に忙しいメンバーは課題管理表を見ていなかったり、対応を忘れてしまうこともあります。このようなケースでは日次や週次など短時間のミーティングを開催し対応状況をチェックするなど、課題管理表を常に最新化するための仕組みが有効です。

課題管理は日々コツコツやっていくことが重要です。運用が習慣化するまでは、こまめにフォローするようにしましょう。

完了条件を明確に

完了条件がないとメンバー間での認識齟齬・トラブルが生まれやすくなります。あるメンバーが完了だと思っていても、別のメンバーにとってはまだ対応が必要だった場合、課題が解消しないまま積み残ったり、より大きな課題となって顕在化したりと大変危険です。

課題を新しく起票した際は「何をもって課題を終結させるのか」「どのような状態になったら完了なのか」を出来るだけ具体的に記載しておきましょう。日々の対応状況をチェックする中では、完了条件を満たすかどうかをメンバー全員で確認した上でステータスを更新します。

PMBOKに準拠した課題管理で円滑なプロジェクト運営が可能

プロジェクトマネジメントの教科書であるPMBOKをベースに課題管理を理解することで、

効率よく課題管理を実践できます。

なんとなく管理されることも多い課題管理ですが、少しのコツや管理のポイントを意識するだけでプロジェクト運営が飛躍的に改善することも多くあります。課題対応に悩みを抱えている場合、本稿を参考に一度現場でしている課題管理表や管理ルールを見直してみてはいかがでしょうか。

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