サイロ化とは?分断されたシステム設計や縦割りの組織構造が企業にもたらす弊害

サイロ化とは?分断されたシステム設計や縦割りの組織構造が企業にもたらす弊害

サイロ化が企業に与えるデメリットや、サイロ化を解消する方法などを解説します。

2018年に経済産業省からDX 推進ガイドラインが出るなど、国を挙げてDXの推進が叫ばれるなか、それを妨げている一因がサイロ化です。

サイロ化とは、組織やシステムが全体から孤立してしまい、外部との情報共有が図れない状態を指します。そもそも企業内の業務が独立しすぎていることや、データやそのデータを扱うシステムが外部との情報共有を想定していないことなど、要因はさまざまです。

本記事では、サイロ化が企業に与えるデメリットや、サイロ化を解消する方法などを解説します。

サイロ化の意味とは?

サイロ化とは、部署やシステムが独立して業務を完結しているために情報の連携が図れず、全体のなかで孤立している状態のことをいいます。

特に、組織が細分化された大企業で生じやすく、外部との連携を考慮せず、自分たちの業務効率化を最優先にシステムを構築してしまうことなどが原因です。社内システムを横断して管理することが難しいため、会社全体の業務効率化を妨げる要因にもなります。

ここからは、企業が直面する2種類のサイロ化を見ていきましょう。

縦割りの組織構造によるサイロ化

まずは、各部署が独立して業務を遂行しているため、互いに情報共有ができない状態です。

たしかに、縦割りの組織構造であることには、部署の責任や権限が明確になったり、部署内の結束力や専門性を高められたりと、単一の機能として成果を出しやすいというメリットがあります。

しかし、特定の部署のなかだけで業務が完結されるようになると、部署間でのシナジーや企業全体の発展性が損なわれてしまいます。部署横断で業務を行なう際も、責任や予算の問題でもめることになりかねません。

それだけでなく、従業員が他部署の担当業務に無関心であったり、部署間で派閥やしがらみがあったりすることもサイロ化を加速させる要因です。

情報システムによるサイロ化

次に、アプリケーションの仕様やデータ形式の違いなどが原因でデータの連携ができない状態も、サイロ化の一つとされます。他部署や他システムとの連携を想定せずに、システムを構築したことが原因です。

あとから連携させようとすると、常にデータの加工を必要とし、連携元・連携先システム両方の仕様変更に合わせて改修する必要があるので、連携ミスが発生する要因にもなりかねません。また、社内にデータが分散している状態のため、必要なデータの収集にも手間がかかり、情報活用の妨げになります。

もちろん、今後発生しうるデータ連携まですべて想定して、システムを作ることは不可能です。しかし、現状のシステムと連携がとれるようにすることや、今後のシステムのために連携しやすい形にすることを考慮しておかないと、結局余計な手間が増え、リソースの無駄遣いになってしまうでしょう。

サイロ化の問題点

サイロ化の問題点

AIでビックデータを解析するには、データの統合が不可欠です。しかし、サイロ化しているとデータの統合が難しく、取得・解析ができません。

そして、部署やシステムごとにデータの形式や管理IDが異なると、データの統合はさらに難しくなります。ビックデータを取得できないと、データの有効活用が阻害されてしまい、業務の質が上がらず生産性も下がる一方です。

経営上の意思決定が遅れる

経営判断に必要なデータが社内に散在していると、複数の部署に依頼して情報を集める必要があり、意思決定に時間がかかります。重ねて、集めたデータの形式が異なる場合はそれらを手動で統一する必要があり、無駄な作業や人件費の増加につながるだけでなく、統合ミスのリスクも高まるでしょう。

また、収集や加工を一つずつ手動で行なうと、状況の把握にタイムラグが発生するため、迅速な決定を必要とする分野では大きな損失を招きます。

作業効率が悪い

データが適切に統合されていれば、日報作成やデータ入力など、単調な繰り返し業務は自動化できます。

しかし、サイロ化している状態ではそれができないだけでなく、部署間で作業が重複することにもなりかねません。稼働管理と在籍管理システムの2つに出退勤を入力するなど、同じ作業を別システムでやることになり無駄な作業が発生してしまう可能性もあります。

顧客満足度が下がる可能性がある

顧客満足度の向上のためには、さまざまな接点から顧客データを収集してアクションを起こす必要があります。顧客と接点を持っているメンテナンス・保守チームが吸い上げたニーズに沿って、営業チームが提案に行くというスキームはよく組まれていますが、これも保守チームと営業チームの情報が分断されていては実現できません。あまりにも連携がとれていないと、会社としての体制を疑われることにもなります。

また、他部署の成功事例やクレームなどの有用な情報を社内で共有されていないと、ビジネスチャンスの損失や顧客満足度低下につながりかねません。

サイロ化を改善するメリット

サイロ化を改善するだけで解決できる業務課題も存在します。サイロ化の解消で、無駄な手間や時間を減らすことができれば、業務の品質向上やコスト削減も可能です。

データの価値が高まる

社内に散らばっていたデータが整理され、必要なデータを必要なときに抽出できるようになれば、データの価値が高まります。どのようなデータがどれくらいあるのかを可視化できるので、利用者それぞれが活用方法を検討することも可能です。

購買や購入時の行動データなど、必要な複数のデータを組み合わせて多角的に分析できれば、効果的なプロモーション手法の検討やオムニチャネルマーケティングを行なう際にも役立つでしょう。また、複数のデータを統合することによって、データの信憑性を高めることもできます。

業務効率化や生産性向上につながる

情報のサイロ化を解消してビッグデータを取得・解析できるようになれば、AIや機械学習によって高度な業務自動化を実現できます。まずは、データのインポート・エクスポートに必要な、日々の繰り返し作業を自動化するだけでも効率化に大きく役立つでしょう。

単純作業から解放された従業員は、空いた時間でより重要なコア業務に集中でき、生産性の向上も期待できます。新サービスの提案や顧客へのアプローチなど、人の手で行なう必要のあるところに、より時間をかけられるのは大きな魅力です。

サイロ化の解消法と防止策

サイロ化の解消法と防止策

システム的な部分の改善は必要ですが、それだけでなく、社内の体制や従業員一人ひとりの考え方を見つめ直すことでも、サイロ化を解消・防止できます。

まずは部門の責任者同士が協力する

マネージャーなどのリーダー同士が互いの部門の目標を共有し、相互理解を深めることが大切です。まずは他部署が何をしていて、どのような情報を持っているか、どのような情報を必要としているかを確認するところから始めましょう。協力できるプロジェクトが目先になかったとしても、今後のアイデアにつながります。

具体的なプロジェクトが発足するまでは、リーダーがチームを代表してコミュニケーションを取ることが想定されます。リーダーはチーム内の目標だけでなく、会社全体としての目標を視野に入れておきましょう。そして、メンバー一人ひとりにチームの目標だけでなく会社全体の目標を達成する意識を浸透させ、部門間の協力を促す必要があります。

他部署のメンバーが交流する機会を設ける

従業員が自分の担当する業務領域しか把握しておらず、他部署の業務に関心を示さないこともサイロ化の一因です。他部署が何をしているかある程度見える仕組みを作り、交流できる環境を用意することがサイロ化解消の一助となるでしょう。

部門を横断するプロジェクトを行なうのも良いですが、必ずしも業務に直結している必要はありません。勉強会やランチ会といった他部署との関わりでも、情報共有や相互理解を深めることができます。

また、社内SNSの導入など、部署をまたいだ情報共有の仕組みを整えるとよいでしょう。気軽にコミュニケーションを取れる場があることで部署間の情報共有を促進でき、サイロ化の解消につながります。

データ統合を目的としたシステムを導入する

既存のシステムを残しながら社内のデータを統合できるソフトウェアや、APIを提供しているツールを活用すると、データ統合のハードルは下がります。

ただし、メンテナンスに余計な工数がかかったり、作業手順が増えることで習熟の手間がかかったりとデメリットもあるので、中長期的には既存システムの廃止も検討する必要があるでしょう。

データ統合は、まずデータを一意に特定できるキーとなる項目を作り、それを起点にしてデータを集約することがポイントです。それぞれのシステム更改のタイミングで、データ形式をそろえられないか検討することも必要になります。

DXの推進にはサイロ化の解消が不可欠

マーケティングを効率的に実施するには、ビックデータの活用が不可欠です。しかし、サイロ化され必要なデータが一元管理されていなかったり、データの形式がバラバラだったりするとデータの統合ができず、ビッグデータの取得が難しくなります。

システムや組織構造のサイロ化を解消することができれば、ビックデータを取得できるだけでなく、社内に眠るデータの価値が高められるでしょう。さらに、従来の構造では難しかった、業務の効率化やスピーディーな経営判断も可能となります。

DXの推進を図るなら、まずは社内のサイロ化の解消に取り組むとよいでしょう。

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