ビジネスに活かせるデータの分析手法を詳しく解説!

ビジネスに活かせるデータの分析手法を詳しく解説!

代表的な分析手法を順番に解説するので、データの分析手法について知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

企業経営において、工場の生産ラインの情報や顧客の購買データなどのデータを集めて分析することが、必須となってきました。集めたデータをうまく活かすことができれば、今まで何となく行なっていた施策や課題解決の方向性が明確になり、失敗する確率を下げられます。万が一、うまくいかなかったとしても、根拠が明確なので軌道修正が容易に行なえます。

データの性質と分析したい内容によって適切な分析手法が異なるので、データをビジネスで活用するにはそれぞれの特徴をとらえることが不可欠です。

この記事では、代表的な分析手法を順番に解説するので、データの分析手法について知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

ビジネスにおけるデータ分析およびその手法の必要性

企業が有するさまざまなデータを、企業の経営・成長に役立てることは多くの企業が検討しています。分析をするには、まずデータの収集から始めることになりますが、集めてそのままでは意味がありません。活かしてこそ、情報資産が価値を持つのです。

企業がビックデータを活用することは総務省も推進しており、ビジネスの発展にはデータの分析が不可欠となっています。集めたデータを上手に利用すれば、売上向上に必要な施策を適切に判断できたり、顧客ニーズを正確に把握できたりする手助けとなります。

有効なデータ分析を行なうには、何のために分析するのかを意識することが基本です。例えば「売上を向上させたい」「企業としての競争力を高めたい」など、根本となる考えを持たず、やみくもに分析しても有用性はありません。データ分析を行なう際は、目標達成に必要なデータを把握し、そのデータを導き出す適切な分析手法を取り入れる必要があります。

【分析手法】データの差を統計的に比較する

【分析手法】データの差を統計的に比較する

分析手法はそれぞれに特徴があるため、知りたい内容によって使い分けることがポイントです。

まず、データの差を統計的に比較する分析手法を解説します。

F検定・T検定

2つのデータ群の平均に違いがあるかどうかを検定する分析手法であり、単に平均値を比較するだけでなく、本質的な違いがあったのかを検証します。

通常、平均値は異常値に引きずられて結果が変わってしまいますが、T検定なら異常値も考慮した結果を導き出すことが可能です。T検定は、売上や利益のような連続値の分析に利用します。

T検定は比較するデータ群が等分散かどうかで統計の手法が変化し、この分散状態を調べるために使うのがF検定です。F検定はデータのばらつき具合が等しいかを検定します。結果として出てくる値をP値と呼び、このP値が5%以下にならないと差があるとは認定しません。

F検定を使う場面としては、2つの営業所の業績やキャンペーン前後の売上を比較する、地域ごとの販売数の違いを検証するなどが挙げられます。

カイ二乗検定

クロス集計表を作成し、分布の期待値から「データ結果は特異な結果ではなく、データ全体に対しても起こるのか」ということを分析する手法です。クロス集計表を使うので、データを組み合わせて分析ができます。

カイ二乗検定では、集計したデータの違いが偶然なのか必然的に起きたものかを判断できますが、どの程度の差があるかは判断できません。何ポイント差があるかを知りたいときは、併せて調整化残差を利用します。

例えば、インターネットと電話申し込みのどちらが売上に貢献しているか、顧客の年代別でどの年代の売上が多いか、といった分析に利用する手法です。

分散分析

複数のデータ群の平均に違いがあるかを比較する手法です。データ群の平均に違いがあるかを比較する点はT検定と同じですが、データ群が2つのときはT検定、3つ以上の場合は分散分析を利用します。

各データ群の平均値を求め、それらが異なった場合、その差が偶然か必然かを検証します。分散分析だけでは、どのデータ群に差が生じているかがわからないので、多くは違いを把握できる多重比較とセットにして使われます。

分散分析は、分析したいデータの種類によって使える手法がさまざまあるため、集めたデータがどれに当てはまるのかをきちんと確認することが大切です。不明な場合は、自動で判断してくれるツールの力を借りるとよいでしょう。

利用事例としては、地域や商品ごとの売上金額の比較など、データ群の数が多い分析に使われます。

【分析手法】データ同士の関係性を調査する

【分析手法】データ同士の関係性を調査する

データ同士の関連性を調査する分析手法について解説します。

相関

2つのデータ群が連動しているかどうかを確認し、データの関連性を判断する手法です。データ群をもとに相関図を作成し、データを分析します。

相関図では、データの正負分布がどの方向に向いているかを、-1~1までの強さの状態によって判断します。相関関係の強さは0.5あたりから「相関がある」、0.7から「強い相関関係」、0.9以上で「非常に強い相関関係」です。相関図で右上がりの集合ができあがれば正の相関、右下がりの集合ができあがれば負の相関、どちらでもなく分散している場合は相関がないとなります。

この手法は顧客の属性調査や、属性ごとに商品の売れ行きに違いがあるかなどの分析を行なう際に多く使われます。

因子分析

複数のデータ群間の共通因子を見つけ出し、データ群同士の関連性を判断する手法です。直接目に見えないデータの特性を知ることができ、知覚マップを作るのに最適です。データの共通因子を発見できれば相関図などを作成でき、改善点が導き出しやすくなります。

この手法がよく使われるのは、商品のカテゴリ決めやブランドイメージを把握するシーンです。特定の商品が顧客にどういった印象で見られているか、因子に分解して把握することができます。

競合製品や自社の類似製品などと合わせてマッピングすることで、今のイメージを伸ばしていくか、路線変更が必要かといった具体的な検討を進められます。

主成分分析

要因が数多くあるデータに対して、類似した要因を集約し、データを見やすくするのが主成分分析です。データを集約することにより、分析しやすい形に整えることができます。要因が多すぎてデータが複雑になっている場合に有効な分析手法です。

データの特徴や傾向を大まかに把握することに長けていますが、分析結果は集約されたものです。細部に関しては捨てることになるため、細部を検討する場合は他の分析も合わせて利用しましょう。

自社商品をグループ化して、売上の良いグループの新商品開発を検討したり、顧客の属性をカテゴリ化して、DMのターゲットを決めたりする場面で使われます。

コレスポンデンス分析

分類表の質的データを散布図上に配置し、データの傾向を視覚的に把握できる分析手法です。コレスポンデンス分析では、満足度、評価、特徴などの分析対象の質に関するデータを使います。売上金額などの量的データを分析する場合は、因子分析のほうが向いているでしょう。

この手法は、顧客の傾向を把握して、その顧客の利用しやすいサービスを作ったり、自社の商品の特徴を把握して競合に勝てる強みを見出したりするシーンでよく使われます。

アンケートは回答者が答えやすいように質問数や選択肢数を絞ることが多く、ただ結果をまとめるだけではそれぞれの関連性や特徴を見つけることは困難です。このような場合、コレスポンデンス分析で散布図にプロットすることで、利用傾向の高い人やサービスの利用シーンなどの傾向が見えてくるでしょう。

【分析手法】データをグループ化する

【分析手法】データをグループ化する

データをグループ化して分析する手法を解説します。

クラスター分析

異なる性質のデータ集団が混在しているなかで、似た性質のものを集めてグループ化し、対象を分類するための分析手法です。共通性を持つ集団のことを「クラスター」といいます。

クラスター分析は分類基準をデータの共通項から探すため、分類基準がない個々のデータを分類できることが特徴です。対象が人であれば、性別・年齢・外見など人にまつわるさまざまな要因が分類基準となります。モノであれば、価格・売上・種類・産地などが異なる商品の分類が可能です。

価格帯別によく売れている商品や、顧客の属性ごとでの人気商品がわかるため、商品の特徴を消費者視点から分類することに向いている分析手法といえるでしょう。興味関心を引きやすいターゲットを見つけ、確実にアプローチができます。

ABC分析

重点分析とも呼ばれるABC分析は、商品の在庫管理など、現状の把握と管理方法の検討によく使われる手法です。売れている商品とあまり売れていない商品を把握できるので、優先的に在庫を確保するものや、販促に人的リソースを割くべきものがわかります。

売れていない商品が確認できれば、売るための戦略を考える糸口となります。あまりにも売れ行きが悪ければ販売停止を検討するなど、余計なコストの削減にもつながるでしょう。

ABC分析は取り組むべき課題や改善点が見つけやすくなることが特徴です。この手法は、売れ筋商品を把握したうえで商品ごとの発注個数を決める場合や、次の販促企画を考えるために商品の売上動向を把握したい場合に使われています。

【分析手法】データから予測する

【分析手法】データから予測する

データから予測をするための分析手法を解説します。

判別分析

対象を「ある・なし」「する・しない」といった特性ごとに、2つのグループに分けて分析する手法です。判別式に予測したい対象のデータを入れ、出てきた値で予測することが特徴です。

例えば、見込み客が商品を購入するか予測する場面では、年齢や性別などの属性を使います。購入につながる層がわかれば、各顧客に対する適切なアプローチの検討が可能です。

総資産や総負債などそろえるデータは複雑になりますが、企業の倒産予測にも使われています。売上向上だけでなく、リスクヘッジにも使える手法といえるでしょう。

ロジスティック回帰分析

ロジスティック回帰分析は回帰分析の一種です。回帰分析は一方のデータを使って、もう一方のデータを推測する手法で、築年数や駅からの距離、階数などの要素で家賃相場を計算したり、天気・温度・販売履歴を使って特定の日の売上を予測したりします。

そのなかで、「はい」か「いいえ」で答えられるデータを予測する場合に使われるのがロジスティック回帰分析です。発生確率の予測になり、結果は0から1の間の数値で表されます。

ロジスティック回帰分析は2択の質問を使うため、喫煙や飲酒など特定の習慣を持つ人が病気を発症する確率の予測に多く使われます。その他にも、顧客が商品を購入するかどうかの予測にも利用されている手法です。

時系列分析

時間の推移にともない変化するデータを分析し、数値の予測や傾向の把握を行なうのが時系列分析です。事業戦略や施策を考える際に、傾向を加味することで、大きく外れることのない手段を講じることができます。

例えば、季節性のある商品は、季節が変わると売れ行きが落ちてしまうものです。何の手も打たなければ、多く売れていたときと同じように、右肩上がりに売れる予測を立てるのは早計でしょう。どれくらいの変動があるかを時系列分析で予測し、需要の減少を見込むか、右肩上がりの売上を維持するために何らかの施策を行なうかの判断が必要となります。

時系列分析は、同様に顧客の属性別の購入傾向を把握する際にも利用でき、経験や勘だけに頼らない需要予測によって購買機会の損失を防ぐことが可能です。

データ分析には目的に合わせた手法を用いるのが重要

データを上手に利用できれば、企業の抱える課題解決やビジネスの成長へつなげられるでしょう。そのためには、データ分析の際に目的に合った分析手法を選択することが必要です。

今回紹介した手法以外にも数多くあり、分析手法によって分析できるデータともたらされる結果が異なります。適切な分析手法を選択できるよう、各手法の分析できるデータと、分析によってどのような結果がもたらされるかを把握しておきましょう。

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