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タスクマネジメントとは?手順や正しい管理方法を解説

タスクマネジメントの基礎知識や運用手順、正しい管理方法などを詳しく解説します。

タスクマネジメントとは?手順や正しい管理方法を解説

タスクマネジメントの基礎知識や運用手順、正しい管理方法などを詳しく解説します。

スキルアップ

2023/02/03 UP

ビジネスの世界において、「タスクマネジメント」という言葉を耳にする機会は多くあるでしょう。しかし、実際にはどのような意味を持つのか、正確に理解している方は少ないのではないでしょうか。

タスクマネジメントはスムーズに業務を進めるために必要不可欠な手法であり、意味を正しく理解して取り入れることで高い成果を得られます。

そこで今回は、タスクマネジメントの基礎知識や運用手順、正しい管理方法などを詳しく解説します。

タスクマネジメントとは

タスクマネジメント(タスク管理)とは、タスクの進捗状況を適切に管理する手法のことです。対象となる業務を洗い出して、重要なタスクに順位付けを行なうことで業務を効率良く進行できます。

タスクマネジメントは詳細を理解しないままツールなどを導入しても、使いこなせずに効果が限定されてしまう恐れがあります。あらかじめ十分な知識を身に付けたうえで、運用を開始することが大切です。

タスクマネジメントの必要性

1人で複数の作業を並行して行なうマルチタスクの場合、タスク別に優先順位を付けて管理することで、自分が抱えている業務の全体像を把握できます。自分がどのような業務を持っているかを可視化することでタスクの対応漏れを防止できるため、正しい順序で効率良く業務を処理できるようになるでしょう。

チームとして複数人でタスクマネジメントを行なう場合も同様に、チーム全体のタスクを可視化して優先順位を設定することで、全体の作業効率は大きく向上します。

タスクとToDoの違い

タスクとToDoは、どちらも「やるべき作業を管理する」という意味で使われやすい言葉ですが、厳密には意味合いが異なります。

タスクは「期日が決められているプロジェクトに関連する業務」であり、先延ばしにすることができません。一方、ToDoは「期日が設定されていない日常的な業務」のことであり、先延ばしにすることも可能です。

「やるべき仕事」という点では同じですが、処理しなければならない期日があらかじめ定められているタスクのほうが、ToDoに比べて優先順位は高いといえます。

タスクマネジメントを行なうメリット

タスクマネジメントは作業効率を向上させるのに有効な手段です。タスクマネジメントを行なうメリットについて、具体的に見ていきましょう。

作業の全体像を把握できる

タスクを細分化し、洗い出すことで、作業の全体像を把握することができます。

全体像を把握しないまま作業に取りかかってしまうと、時間の配分がうまくいかなかったり、無駄な作業が発生したりする可能性があります。

タスクマネジメントを行なうことで、目の前の業務だけでなく、それに関連・付随する作業を把握したうえで業務に取り組めるようになります。進捗状況も確認しやすくなり、遅延やトラブルの防止にもつながります。

また、次にやるべきことがわかりやすく、効率的に作業を進めることもできます。

作業の優先順位を可視化できる

タスクを洗い出すことで、重要度の高い作業や、時間のかかる作業が可視化されます。

「どのタスクから着手すべきか」「いつまでに作業を完了すべきか」が明確になり、優先順位を決めて作業を進めることができます。

効率的に作業できるようになるため、スケジュールに遅延が生じにくくなるというメリットがあります。

作業の抜け漏れを防止できる

チームで作業を分担する場合は、作業の見落としが発生しやすくなります。もし対応漏れが発生すると、作業にあたる人員の調整が必要になり、業務の負荷が増えてしまいます。対応漏れの発覚が遅れた場合は、納期遅延につながる恐れもあります。

タスクマネジメントを取り入れることで、「各作業の担当者は誰なのか」「それぞれの作業はどこまで進んでいるのか」をメンバー全員が一目で把握できるようにしておくことで、作業の重複や抜け漏れを防ぐことが可能です。

業務の属人化を防止できる

チーム全体のタスクマネジメントを行なうことで、業務負荷のかたよりを防止することができます。

個人が自分の作業だけ把握するような環境では、作業が属人化しやすく、特定のメンバーに負荷が集中することがあります。

チームでタスクを管理することで、業務内容や進捗状況をメンバー全員で把握することができ、お互いにフォローしやすくなります。メンバー間のコミュニケーションが活発になり、プロジェクトをスムーズに進めやすくなります。

タスクマネジメントの作業手順

タスクマネジメントの作業手順

タスクマネジメントを運用するにあたって、基本的な流れを解説します。一般的には、次の4つのフェーズを順番に行なっていきます。

タスクの洗い出し

まずは、現在やるべき作業をすべてリストアップして、全体像を可視化して把握します。

タスクを洗い出す時点で作業の抜けや漏れがあると、結果的にこなすべき業務を忘れたままになってしまう可能性が高いため、必ずいったん立ち止まって忘れているタスクがないかどうかを確認しましょう。

頭のなかで思い浮かべるだけではなく、手帳やノート、メモなどに書き出して目に見える状態にすることが重要です。パソコンを使うのであれば、メモ帳やWord、Excelなどのアプリケーションを使うとよいでしょう。誰から見てもわかりやすい状態にすることが大切です。

すべてのタスクを洗い出せたら、個々のタスクに不明点などがないかどうかも確認します。疑問を抱えたままにしておくと優先順位を付けられなかったり、スムーズに業務を進められなかったりする場合もあるため注意が必要です。

優先順位の設定

リストアップしたタスクの一つひとつを見て、重要度や緊急度などに基づいて優先順位を設定します。

緊急度は、「今すぐ処理が必要なもの」「一週間後でも構わないもの」といったように決めていきます。期日を間違えないために、「どのタスクをいつまでに片付ける必要があるか」を正確に把握しておきましょう。

また、多くの場合、業務上のタスクは1日の枠には収まりません。「1日ごとのタスク」「1週間を通じてのタスク」など、おおまかな全体像を把握しておくことも大切です。

スケジュールの設定

優先順位を設定したら、タスクごとに期限を設定してスケジューリングします。どのタスクもギリギリの期日を設定するのではなく、ある程度時間に余裕をもって作業を完了できるような計画を立てることが大切です。

ギリギリのスケジュールで時間に追われると気持ちにゆとりがなくなり、ケアレスミスも増えやすくなります。また、突発的な案件やタスクが入る可能性もあるため、他の仕事が割り込んでも支障が出ないようなスケジュール設定を心がけましょう。

スケジューリングの内容はタスクの洗い出しと同様に、目に見える形での可視化が重要です。頭のなかだけでタスクを管理すると、予定がダブルブッキングしていることに気がつかない、重要な会議を無断欠席してしまうなどのトラブルを起こす恐れがあります。

進捗状況の管理

スケジュールを設定したら、実際にタスクに取りかかりましょう。随時作業の進行度合いを把握しながら、予定どおり進められているかをチェックします。

進捗状況のチェックは品質管理をメインに行ないましょう。納期に気を取られて低品質のものを提出してしまうと、結果的に納期の遅れにつながる可能性が高まります。あくまでも品質を重視し、そのうえで期日を守ることが大切です。

タスクの具体的な管理方法

タスクマネジメントを運用する方法には、おもに次の4つがあります。最近ではクラウドサービスを提供する事業者も増えているなど、さまざまな種類があるので、状況に応じて適切なものを取り入れましょう。

手書きで行なう

1つ目は、手帳・メモ・付せん・ノートなどの紙媒体に手書きして、タスクを管理する方法です。最も手軽に実践できる方法であり、身の回りにあるものだけで簡単に取り組めるのがメリットといえるでしょう。

思い立ったときにすぐに取りかかれるので、個人で少数の業務を管理する場合などにおすすめです。例えば、付せんならタスク開始とともにデスクの周辺に貼りつけて、終わったら剥がせるため便利に使えます。

チームでタスクマネジメントを行なう場合は、ホワイトボードに付せんを貼り付けると見やすく、管理しやすいでしょう。チーム専用のホワイトボードがあるなら、直接タスクを書き出し、終わり次第消していくという方法も考えられます。

表計算ソフトを使用する

ExcelやGoogleのスプレッドシートを活用して、管理する方法もあります。業務用パソコンにはExcelが標準でインストールされていることが多く、比較的ハードルが低い方法だといえます。スプレッドシートはGoogleのアカウントを持っていれば無料で使用できるため、Excelを使える環境にない方には特におすすめです。

表計算ソフトを利用すると、表を項目別に作成して誰にでもわかりやすくタスクを管理できます。色をつけて目立たせるなどの処理もワンタッチでできるため、優先度が高い業務や納期が迫っている業務を赤字にするといった加工をするとよいでしょう。

チームで表計算ソフトを使用するのであれば、Excelよりもオンライン経由で手軽に共有できるスプレッドシートを利用すると便利です。自動更新もできるため、常に最新のプログラムを利用できます。

メールを使用する

普段から頻繁にメールを使う方なら、メールの受信ボックスを利用するのもよいでしょう。受信ボックス内のメールをタスクに相当するものとそうでないものに分けて、保護機能やお気に入り機能、未読・既読設定などを駆使して未処理のタスクを可視化します。

ただし、メールソフトによってはタスク管理機能が用意されていないため、機能があるものを選ぶことが必要です。OutlookなどではToDoリストを作成できる機能が搭載されているため、所有しているのであれば積極的に活用してみましょう。

ツールを使用する

タスク管理専用のツールを利用して管理する方法もあります。タスク管理の効率化を目的に開発されたシステムなので、タスクに優先度を設定する以外にも、さまざまな機能が用意されている点が特徴です。

あらかじめインターフェースが用意された状態で使い始められるため、表計算ソフトのように自分で表を作成する必要がありません。誰でも簡単に操作できるように設計されているものが多く、使い勝手を求めるのであれば導入してみるとよいでしょう。

ツールによってさまざま機能があるため、自分の使いたい機能が用意されているかどうかをあらかじめ確認し、費用対効果を十分に検討して選ぶことが大切です。

タスクマネジメントで気を付けるべきポイント

タスクマネジメントで気を付けるべきポイント

タスクマネジメントは、誤った方法で行なうと思うような成果にはつながりません。ここでは、タスクマネジメントを運用する際に注意すべきポイントとして、3つ紹介します。

タスクを細分化する

作業の過程はできるだけ細かく分類することで、全体像を把握しやすくなります。一つひとつの要素を細かく分けられていない状態だと期日が設定しにくくなり、進捗確認も十分に行なえません。

例えば、「郵便局で書類を郵送する」というタスクがあった場合、「書類作成→内容チェック→印刷→封入→切手を貼る→郵便局に行く」というように、タスクを細かく分けていきます。そうすると、作業を完了するまでに自分が何をこなすべきかが把握しやすくなります。

チームの場合もタスクが細分化されていれば、誰が見てもひと目でやるべきことを把握できるでしょう。それぞれのタスクが適切に行なわれているかをチェックできるので、タスクはできる限り詳細に分けることが大切です。

優先順位をつける

タスクに優先順位を設定すれば、納期の遅れを防げます。重要度が高く、かつ緊急度の高い作業を優先的に対応するように意識しましょう。

タスクの優先順位は、一般的に次の4つに分けられます。

・重要度が高く緊急度も高い

・重要度が高く緊急度が低い

・重要度が低く緊急度が高い

・重要度が低く緊急度も低い

上が最も優先度が高く、下が最も優先度が低いタスクになります。このように分類しておけば、もし途中で新たなタスクが増えたとしても、そのタスクがどの部分に入るのかがわかるようになるでしょう。

緊急度が高いタスクをなるべく早く消化したくなるかもしれませんが、緊急度に気を取られると重要なタスクに割ける時間が限られてしまうので注意が必要です。

情報共有する

チームでタスク管理を行なう場合は、定期的な情報共有を徹底しましょう。Excel・クラウドサービス・ホワイトボードなど共有方法はさまざまありますが、いずれにしても進捗状況やスケジュール、タスクの優先順位をチームメンバーがお互いに把握できる状態にすることが大切です。

チーム全体で情報を共有すると連携が取りやすくなり、生産性も大きくアップします。「どのメンバーがどの範囲までタスクを消化できているか」を可視化されていれば、遅れているメンバーの業務を進捗状況が良いメンバーに割り振るなどの対応も可能です。

タスク管理ツールは、チーム間で作業完了を把握するよう通知できたり、タスクリストを一覧表示できたりする機能もあるので、利用を検討してみるとよいでしょう。

きちんと理解することで確実な目標達成につながる

タスクマネジメントは、きちんと概要を理解してこそ真価を発揮します。適当にタスクを並べて運用するのではなく、業務を隅々まで洗い出して一つひとつの工程を可視化した状態で進捗状況をチェックしましょう。

タスクマネジメントは、個人だけでなくチーム内でもきちんと理解して適切に活用すれば、プロジェクトの目標達成にも非常に役立ちます。情報共有を徹底し、業務の効率化を目指して有効活用することが大切です。