
プログラマの将来性をはじめ、リモートワークのメリットやデメリット、必要なスキル、働きやすい求人の見つけ方などについて解説していきます。
近年では、働き方改革の推進としてリモートワークを導入する企業が増えてきました。なかでもプログラマなどのITエンジニアはリモートワークがしやすい職種といえ、求人募集においてもリモートワーク案件が増えつつあります。
リモートワークは「自由」「ストレスが少ない」といったイメージが大きいため、リモートワークに憧れるプログラマも多いことでしょう。
しかし、リモートワークは対面でコミュニケーションが取れないことから、どうしても実力主義になってしまうのが現状です。また、自己管理能力がない人の場合は、かえって効率が悪くなってしまう可能性もあります。
ここでは、プログラマの将来性をはじめ、リモートワークのメリットやデメリット、必要なスキル、働きやすい求人の見つけ方などについて解説していきます。
リモートワーク時代でもプログラマは将来性が高い
プログラマは、将来性が高い職種として注目されています。
IPA(情報処理推進機構)が発行した「IT人材白書2019」によると、IT人材の不足を感じている企業の数は年々増加傾向にあり、2018年度においては全体の約9割が「不足している」と回答してします。
また、そのうち約3割の企業は「大幅に不足している」と回答していることから、プログラマの需要は非常に高いといえるでしょう。
昨今では、プログラミングの自動化技術やAI開発が著しい速さで進歩しており、すでにコマンド1つでコードが自動生成されるようなフレームワークや、ワンクリックでWebサイトのコードを生成できるツールなどが登場しています。
そして、こういった自動化技術は今後さらに進んでいくことが予想されていますが、まだまだできることは限られているため、しばらくの間プログラマの需要が大幅に減少する可能性は低いと考えられます。
これまでは「プログラマは35歳が定年」といった説もありましたが、現在のIT業界では35歳を過ぎた多くのプログラマが活躍しており、以前よりも年齢を気にしない傾向にあります。そのため、スキルを磨けばキャリアの選択肢を広げることも可能です。
プログラマがリモートワークで働くメリット
プログラマがリモートワークで働くメリットは、主に3つです。
時間の有効活用ができる
リモートワークでは通勤の必要がなくなるため、これまで通勤に割いていた時間を自由に使えるようになります。例えば、今まで片道1時間かけて通勤していた場合は、リモートワークになることで通勤往復2時間分の時間が自由時間になるのです。
そのため、朝食をゆっくり摂れることはもちろん、毎朝運動する時間を作ったり、子どもがいる家庭であれば家事や育児に時間を充てたりすることが可能です。
また、毎朝の通勤ラッシュにストレスを感じている人は多いと思われますが、リモートワークであれば通勤ラッシュによるストレスや疲れからも解放されるので、毎日余裕を持って仕事に取り組むことができるでしょう。
業務効率化が図れる
リモートワークでは自分一人で作業することになるため、周囲の環境を気にせず業務に集中することができます。
オフィスで作業する際は、他のスタッフの会話が耳に入ったり、顧客から連絡が入ったりして、作業が中断してしまうことも少なくありません。
しかし、リモートワークであれば作業を邪魔されることがなく、自分が集中できる環境を作れるため、業務の効率化や生産性の向上につながります。
働く場所や時間の選択肢が増える
リモートワークは働く場所や時間に縛られないため、自分の好きな場所で、好きな時に作業することが可能です。リモートワークの場合、基本的にはパソコンとインターネット環境さえあれば作業ができるので、自宅に限らずカフェやコワーキングスペース、さらには、海外からでも仕事をすることができます。
また、リモートワークでは「成果」が重視される傾向にあるので、勤務時間が決まっていないケースも少なくありません。
そのため、朝早くから作業を始めて昼過ぎに切り上げたり、昼間にいったん抜けて夕方から作業を再開するなど、時間をコントロールすることも可能です。
このように、プライベートの時間が確保しやすくなることでワークライフバランスが実現でき、より充実した日々を過ごすことができます。
このように、リモートワークは、自分の好きな空間で、好きな時にプログラミングできるため、業務効率や生産性の向上、スキルアップ、ライフワークバランスの実現といったメリットが得られます。
とくにプログラマは、集中できる環境を自分で作れることから、ソースコードの品質や開発速度の向上が見込めます。プログラマにとってリモートワークは、大きなメリットがあると言えるでしょう。
プログラマがリモートワークで働くデメリット
リモートワークにはさまざまなメリットがありますが、人によってはデメリットになる場合もあります。プログラマがリモートワークで働くデメリットは、主に以下の3つです。
自己管理能力がないと厳しい
リモートワークには「オフィス」や「勤務時間」といった概念がないため、仕事とプライベートの切り替えが難しくなります。
家事の合間などに仕事をする場合、その都度集中力を取り戻す必要があるため、なかなか作業が進まなくなってしまうでしょう。そうなった場合、結果的に納期に間に合わなくなるといったケースも懸念されます。
また、夜遅くまで作業にのめり込んでしまい、長時間労働になるケースも少なくありません。
そのため、自己管理能力がない人には厳しいでしょう。
成果物だけの評価になる
リモートワークの場合、会社や上司は自分の頑張りや進捗を確認することができないため、人柄などの評価よりも、結果や成果が重視されるようになります。つまり、その過程における努力や成長を評価してもらえない可能性があるのです。
こういった状況から、いつまでたっても同じような仕事しかもらえなかったり、キャリアアップがなかなか実現できなかったりするケースもあります。
対面コミュニケーションが減る
人と話す機会が極端に減ってしまい、孤独を感じやすいというのもリモートワークのデメリットです。リモートワークは一人でもくもくと作業をこなすことになるため、仕事の成功の喜びを分かち合ったり、ねぎらったりする仲間はいません。
また、スキルを競えるライバルもいませんので、モチベーション管理が難しくなる場合もあるでしょう。
さらに、ちょっとした相談や雑談は同じ空間にいれば簡単ですが、メールやチャットを使うとなると温度感が異なったり、文字を打つのが面倒だったりして、コミュニケーションが減ってしまう可能性があります。
このように、リモートワークでは仕事とプライベートの切り替えが難しく、高い自己管理能力が求められます。また、コミュニケーションが減り、成果物が重視されることで、今まで周囲の人に助けてもらってばかりだった人にとっては厳しい環境になる可能性があるでしょう。
プログラマにとってもこれは同じで、集中して開発していたら、夜遅くになってしまった、もしくは子供が騒いで集中できず、よいアルゴリズムが組めなかったといったことが起こる可能性もあります。
とくに集中して作業することが成果物の品質に直結するプログラマにとって、しっかり自己管理を行い、集中して作業する時間を確保することが重要となります。
成果物だけで判断されやすくなるリモートワークは、プログラマにとってデメリットがあることも意識しておく必要があります。
プログラマがリモートワークで働くために身に付けるべき能力
プログラマがリモートワークで働くためには、プログラミングスキルはもちろん、リモートワークを円滑にする能力も必要になります。ここでは、リモートワークで働くために身に付けておきたいスキルや経験を紹介します。
オンラインコミュニケーション能力
リモートワークでは、同僚との雑談や相談、意識合わせの場が極端に減るため、自分一人で問題を抱え込んでしまいがちです。
また、コミュニケーションが減ると意識のズレが生じやすくなり、本来やるべき作業ができていなかったり、無駄な作業を長時間続けてしまったりするケースも少なくありません。これでは業務効率が悪化するどころか、モチベーションを維持するのも難しいでしょう。
そのためリモートワークでは、メールやチャットを駆使し、オンライン上でもしっかりとコミュニケーションを取れる能力が必要不可欠となります。
プログラミング能力をアップさせる
デメリットにもあるとおり、リモートワークでは成果物がとても重要になってくるため、プログラミングスキルを上げることも大切です。現代のIT技術は著しい速さで進歩しているため、これからのプログラマにはより高い技術力が求められるでしょう。そのため、どれほどスキルの高いプログラマでもスキルアップは必要だといえます。
プログラマという職種はリモートワークに適しているものの、リモートワークで働いていけるかどうかは、本人の意識やスキルが大きく関係してきます。とくに成果物が重視されるようになることから、プログラミングの能力の向上が重要です。
また、プロジェクトはチームで遂行していく必要があるため、プログラミングスキルだけではなく、オンラインでのコミュニケーション能力もしっかり高めていくことが大切です。
対面でのコミュニケーションと比べて、伝達できる情報量が少ないことから、ビデオチャットを駆使したり、通常よりも返信の速度を上げるなどの工夫も重要になります。
プログラマがリモートワークしやすい求人の特徴
プログラマがリモートワークで働くためには、プログラミングスキルだけでなく、オンラインでのコミュニケーション能力が必要不可欠です。
しかし、会社や仕事内容によってもリモートワークのしやすさは変わってくるので、リモートワークを定着させるためには求人を見極めることも必要です。
ここでは、リモートワークがしやすい求人の特徴についてご紹介します。
会社:ベンチャー企業・スタートアップ
リモートワークがしやすい会社としては、ITベンチャー企業やスタートアップ企業が挙げられます。
すでに企業文化が完成している組織の場合、「リモートワーク」という新しい仕組みを取り入れることによって混乱を招く可能性があるため、慎重になってしまうケースがほとんどです。そのため、リモートワークを完全に導入できる企業は多くはありません。
リモートワークを導入していたとしても、社外から確認できないデータがあったり、会社側の管理が行き届いていなかったりと、中途半端なリモートワークになる可能性があります。
それに比べて、ベンチャー企業やスタートアップ企業は既存概念にとらわれない働き方をしているところが多く、新しい働き方を取り入れやすい環境にあります。働き方に対して柔軟な考え方も持っているので、リモートワークを自分から提案することも可能でしょう。
また、スタートアップ企業については、企業が求めるニーズと自分のスキルさえ合致すれば、リモートワークでも重要なポジションを任せてもらえる可能性があります。
仕事内容:Web開発・アプリ開発
リモートワークがしやすい仕事内容としては、Webやアプリの開発が挙げられます。
実際、プログラマのリモートワーク案件で最も多いのがWeb開発で、HTML・CSSでWebページを作成する仕事をはじめ、PHPやRuby、Pythonなどのプログラミング言語を使った開発案件も多くあります。
その背景には、進捗管理やプログラムレビューなどが簡単にできる管理システムが増えてきて、リモートワークでも複雑な開発やテストが可能になったことがあるでしょう。
プログラマはリモートワークに積極的にチャレンジして新しいキャリアを作っていこう!
年々需要が高まっているプログラマですが、その働き方はリモートワークへシフトしつつあります。リモートワークは場所や時間に縛られることがないほか、作業の妨げになるものがないため、業務効率の向上にもつながります。
しかし、対面でのコミュニケーションが減り、モチベーションの維持が難しいのも事実です。また、成果物が評価の対象となるため、プログラミングスキルが低い人にとっては厳しいといえるでしょう。
とはいえ、オンラインでのコミュニケーション能力やプログラミングスキルをアップさせることで、プログラマとしての選択肢を広げることが可能です。
ベンチャー企業やスタートアップ企業の開発業務であれば、比較的リモートワークがしやすい環境が整っているので、この機会にぜひリモートワークにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。