エンジニアの生産性を高めるには?評価指標や方法についても解説

エンジニアの生産性を高めるには?評価指標や方法についても解説

現在エンジニアの生産性を上げることが重要である理由や、生産性を上げる方法などについて解説します。

日本はOECD(経済協力開発機構)加盟国のなかでも労働生産性が低く、政府が打ち出した働き方改革でも労働生産性の向上が求められています。

これまでに経験したことのない超高齢化にともなう人口減少による人手不足や、グローバル化が加速するなか、労働者1人あたりの労働生産性を向上させることが急務となっています。そのような現状において、エンジニアの生産性を上げることも重要な課題の一つです。

ここでは、現在エンジニアの生産性を上げることが重要である理由や、生産性を上げる方法などについて解説します。

生産性とは何か

生産性とは、労働者が1人あたりまたは1時間あたりに生産できる成果を数値で表したもので、どれだけ効率的に製品やサービスを生産したか示す指数として用いられています。

例えば、性能が良いサーバーを導入しても、サーバープログラムを書くプログラマーが未熟であれば開発に時間がかかりコストになりますし、サーバーを管理するアドミニストレーターのスキルが低ければ、サーバーのスペックが引き出せず効率的に運用できません。こういった場合には、労働生産性が低いということになります。

労働生産性を上げるためには、サーバーの導入とともにサーバーを動かすシステムのプログラムや運用についても考えなくてはなりません。また、そのための教育コストもあわせて計算する必要があります。

労働生産性を測定する方法はいくつかありますが、主なものは「物的生産性」と「付加価値生産性」の2つです。

物的生産性

物的生産性は、生産物をどのくらいの労働力をかけて作ったか計算するもので、生産効率や生産能力の推移を見るときなどに用いられます。

例えば、500人で500個の物を作った場合は1人あたりの物的生産性は1で、500人で1万個の物を作った場合は1人あたりの物的生産性は20です。つまり、同じ条件でたくさん作れば生産性が高いということになります。

なお、生産量を単位とする物的生産性は、経済状況で変動する物価に影響されることはありません。

付加価値生産性

付加価値とは、生産額から経費や外部購入した費用を差し引いた売上総利益のことで、どのくらいの労働量をかけて付加価値を作ったのか計算するのが付加価値生産性です。

売上総利益をベースに算出されるので、上がった分の労働生産性の分配方法について考えるための重要な指標といえます。

例えば、10人で作業をおこなって10万円の売上総利益が出た場合、1人あたりの付加価値生産性は1万円です。なお、付加価値生産性は売上総利益を元に計算されるため、物的生産性とは違い物価に影響されます。

エンジニアの生産性を高める必要性

2つの指標により生産性は数値化できることを説明しましたが、ここからは、この生産性を高める必要性について解説します。エンジニアの生産性を高める必要性はいくつかありますが、ここでは大きく2つ解説します。

高齢化にともなう労働人口の減少

国際的に見ても日本の労働生産性は低く、日本より労働人口が少ないEU主要国のほうが高いという現状があります。また、日本の労働人口は少子高齢化によって減少し続けており、2019年の経済産業省のIT人材需給に関する調査によると、2030年には79万人ものITエンジニアの不足が予想されています。

現在は、企業や組織における高度なIT活用やデジタルビジネスなどの第4次産業の進展により、AIやビッグデータを使いこなせるような人材が必要とされています。しかし、その分高いスキルや能力が求められるため、人材を確保することがさらに難しくなってきているのです。

ITエンジニアは、日本のIT産業の競争力の強化だけでなく、さまざまな産業や企業における高度なITの利活用や、今後のデジタルビジネスの進展において重要な人材です。

このままエンジニア不足の状態が改善しなければ、生産力不足による経済力の低下を招く恐れもあるため、AIの活用能力を高める教育やエンジニアを育成する機会が求められています。

企業間でグローバル競争が激化している

近年、高度なネットワークの発達によってグローバル企業が次々に生まれ、競争が激化しています。世界を相手にするとなると、若くて安価な労働力を大量に確保できる外国企業に対し、日本企業はこれまでのやり方では太刀打ちできないでしょう。諸外国に比べて人件費が高く、労働人口が減少し続けている日本では、労働生産性を高めることによって、競争力を向上する必要があります。

そのためエンジニアは、第4次産業に対応する企業や組織で付加価値を創出し、効率化によって生産性を高め、成果を出していかなくてはなりません。具体的には、1つの仕事にかける手間や時間を減らして多くの仕事をこなせる、人とは違う高い付加価値のものを作るスキルがある、コストを削減するアイデアを出したり実現したりできる、などの能力が求められます。

エンジニアの生産性を評価する指標とは?

労働生産性の計算方法について解説しましたが、エンジニアの生産性も計算によって算出することができます。IT開発の現場なら、利益に対して開発メンバーが労働生産性にどのくらい貢献したかを算出することで、付加価値労働生産性の向上に必要なギャップを計れます。

物的労働生産性の計算例

エンジニアの物的労働生産性の計算式は、以下の計算式で求められます。

物的労働生産性(量/人)=生産量/労働投入量(対応社員数など)

物的労働生産性は、生産量を人数や時間で割ることで算出することができます。

例えば、システム開発の現場で開発メンバー5人が合計20のモジュールを開発した場合、物的労働生産性の計算式は、以下のようになります。

物的労働生産性(個/人)=20個/5人

つまり、この場合の物的労働生産性は4個/人です。

これをプロジェクトごと、部門ごとなど、ある程度のグループ分けをして行って比較することで、物的労働生産性の高いグループと低いグループという形で分けます。

そして高いグループと低いグループの違いなどから、課題を抽出します。

付加価値労働生産性の計算例

エンジニアの付加価値労働生産性の計算式は、以下の計算式で求められます。

付加価値労働生産性(円/人)=付加価値/労働投入量(対応社員数など)

付加価値労働生産性は、付加価値を人数や時間で割ることで算出することができます。

例えば、システム開発の現場で開発メンバー5人の売上総利益が100万円だった場合、付加価値労働生産性は、以下のようになります。

付加価値労働生産性(円/人)=100万円/5人

この場合の付加価値労働生産性は、20万円/人です。

こちらも同様に、グループに分けて比較することで、高いグループと低いグループの差分を検討していきます。

エンジニアが生産性を高める方法

エンジニアの労働生産性が重視されていますが、生産性を高めるためにはどのようにしたら良いのでしょうか。その方法を3つ挙げて説明します。

スキルアップ

技術というものは絶えず変化していくものですが、特に変化の速いIT業界では、現在使っている言語やツールは、1年後は効率の良い代替ツールが出ている可能性もあります。

限られた時間のなかでパフォーマンスを最大限に引き出すためには、知識やスキルを常にアップデートして使えるようにしておくことが重要です。そのためには、資格を取得することも含めて常に学び続け、スキルを上げる努力をしなければなりません。

希少資源を見える化する

仕事における希少資源とは、時間やお金のことです。エンジニアは、まず自分の業務を見直したり、タスク管理をおこなって時間の使い方を見直したりして、ボトルネックになっているのは何なのかを分析して、見える化してみましょう。

見つかったボトルネックを意識して業務に取り組むだけでも、生産性が上がるようになります。

タスク管理には、スマートフォンのアプリを利用しても構いません。最初はうまく時間管理ができないかもしれませんが、繰り返すことで徐々に自分はどのくらいのことができるのかを把握できるようになり、精度も上がってきます。

また、タスク進捗状況から自分の弱みが客観的にわかるようになるので、スキルアップのために力を入れるべきところも見えてきます。

朝・昼・夜で作業内容を変える

エンジニアが生産性を高めるために、朝・昼・晩で作業内容を変えることも有効です。朝は1日のうちで最も頭がさえているので、論理的思考が必要な仕事に取り組むようにしましょう。

システム開発をしているなら、ロジックを考えたり難しいアルゴリズムを読み解いたりして、ソースコードを書いてみましょう。それまで思いつかなかったようなロジックが頭に浮かんだり、無駄のないソースコードが書けたりすることがあります。

昼食後は血糖値が上がって集中力が低下してくるので、午後は単純作業をおこなうようにします。午前中に思いついたロジックを設計書にしたり、設計書から単純にソースコードが書けるような部分のプログラミングをしたりするのが良いでしょう。

夜は、できるだけ仕事をしないようにします。定時を過ぎれば、会議やクライアントからの問い合わせなどもないので作業がはかどると思うかもしれませんが、疲れがたまっているので生産性が落ちてくるものです。疲れを解消できないと、翌日の生産性も落ちてしまいます。

エンジニアの生産性は今後の重要課題

エンジニアの生産性は今後の重要課題

日本の労働生産性は世界的に見ても低く、超高齢化にともなう人口減少による人手不足やグローバル化が加速するなか、その向上が急務となっています。

また、企業や組織でのIT活用やデジタルビジネスなどの第4次産業の進展により、AIやビッグデータを使いこなせるような人材が必要であるにも関わらず、高いスキルや能力を持つ人材が十分に育っていないため、人材確保が難しくなっています。

企業間のグローバル競争も激化していますが、人件費が高く労働人口が減少し続けている日本では、労働生産性を高めて競争力を上げる必要があります。そのため、エンジニアは付加価値を創出し、効率化によって生産性を上げ、成果を出していかなくてはなりません。

これからのエンジニアは、変化の速いIT業界で生き残るために、さまざまな工夫をしなければなりません。常にスキルアップをする、希少資源を見える化しボトルネックを意識して業務に取り組む、朝・昼・夜で作業内容を変えて効率を上げるなどして、労働生産性を上げていきましょう。

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