Google Cloud Platformとは?特徴やサービスを具体的に解説

Google Cloud Platformとは?特徴やサービスを具体的に解説

Google Cloud Platformの特徴やサービス内容について解説します。今後の導入を検討している際は、ぜひ参考にしてください。

Google Cloud Platform(GCP)は、Google社が提供しているコンピューティングサービスです。Google社が提供しているということもあり、高い信頼性や安全性を担保したサービスといえるでしょう。

Google Cloud Platformは、どのような業務に貢献するのか。また、似たようなサービスと、どのような違いがあるのか、などを理解したうえでの導入が重要です。

この記事では、Google Cloud Platformの特徴やサービス内容について解説します。今後の導入を検討している際は、ぜひ参考にしてください。

Google Cloud Platformとは

まず、Google Cloud Platformについてわかりやすく解説します。サービスの概要や特徴を理解し、利用する際の参考にしてください。

Google Cloud Platformはクラウドコンピューティングサービス

Google Cloud Platformとは、Google社がクラウド上で提供しているサービスの名称で、GCPという略称で呼ばれています。

Google Cloud Platformを利用すれば、Google社が自社で利用しているインフラおよび技術と同じ環境を利用し、効率的なWeb開発が可能です。基本的な構成要素はすでに用意されているため、開発業務に素早く取り組めるでしょう。

Googleといえばよく知られているYouTubeや検索エンジンなども、Google Cloud Platform上で稼働しています。規模の大きい処理をスピーディに行なえる、信頼度の高いインフラといえるでしょう。

Google Cloud Platformには無料枠が設けられており、枠内分であれば無料で利用可能です。料金体系は従量課金制のため、無料枠の範囲を超えた分が請求されます。

Google Cloud Platformの特徴

Google Cloud Platformはクラウドサービスであり、Web開発の環境となるプラットフォームやマシンなどについては、自社で用意する必要がありません。そのため、導入コストを抑えながら高い技術が備わっている環境を利用できるのが特徴です。

また、Google Cloud Platformのネットワークは負荷分散されているのが特徴で、高速通信が可能なだけでなく、通信障害も起こりにくい環境での開発業務が可能です。

この他、機械学習やデータ分析機能など、Google社が利用している高度な機能を利用できるのは、Google社ならではのサービスといえるでしょう。

Google Cloud Platformの導入によって何ができるのか

Google Cloud Platformの導入によって何ができるのか

Google Cloud Platformで提供しているサービス内容は多岐にわたります。種類が多く、どのサービスから理解を深めるべきか悩んでしまうかもしれません。

ここでは、特に利用者の多いサービスについて解説します。これまで利用したことのない方や、ほかのコンピューティングサービスしか利用経験がないという方は、ぜひ参考にしてください。

コンピューティングサービス

従量課金で利用できる「Google Compute Engine」は、仮想サーバーの構築サービスです。利用時間やスペックによって従量課金されます。仮想マシンはメモリやOS、CPUなど、用途に応じて組み合わせられるのが特徴といえるでしょう。

「Google App Engine」はPaaS形式のサービスで、安定したインフラ上でのアプリケーション開発が行なえる環境を提供しています。アクセスが増えた際でも拡張できるため、安心して利用できます。

Dockerコンテナを実行する環境の「Google Kubernetes Engine」は、Googleのインフラ上でDockerコンテナを運用するサービスです。環境を複数構築できる点では仮想マシンと似ていますが、各コンテナにOSを含む必要がないため、軽量になるなどの違いが見受けられます。

なお、DockerおよびKubernetesについては、こちらの記事も併せてご確認ください。

【触って理解!】Docker入門 - 初心者に向けて使い方や基本コマンドを解説
Kubernetesとは?コンテナオーケストレーションの定番OSSをメリット含めて解説

APIやDNSに関連するサービス

「Google Translate API」は、APIで受け取った文字列を検出し翻訳するサービスで、多言語間でのコミュケーションがスムーズに行なえます。テキストのみならず、音声にも対応しているのが特徴といえるでしょう。

分散型APIの「Google Cloud Endpoints」はREST APIの作成が可能なサービスです。

Google Cloud Endpoints を利用することで、APIのモニタリングが可能なことや、複数のクライアントへの対応も可能など、さまざまなメリットがあります。

ドメイン管理に不可欠な「Google Cloud DNS」の特徴は、低遅延でありながら、優れた回復力も持ち合わせていることです。世界各地での安定した接続を実現するため、信頼性の高いDNSサービスとして利用されています。

ストレージに関連するサービス

オートスケール機能が備わっている「Google Cloud Datastore」は、サーバーの負荷に応じてリソースを拡張するのが特徴です。そのため、安定的に稼働する環境を実現するだけでなく、サービスへの負荷をその都度心配する必要はありません。

フルマネージドデータベースサービスの「Google Cloud SQL」は、定期的なバックアップやユーザー管理、データベース管理をWebコンソール上で行なえるサービスです。管理工数の大幅な削減が可能です。

安全性の高さや耐久性のある保管を実現した「Google Cloud Storage」は、場所を問わずデータの取得や保存が可能です。

なお、保存可能なデータ量の制限はありません。

ビッグデータに関連するサービス

「Google Cloud Pub/Sub」は、バックエンドメッセージングサービスです。スマート端末からのデータ収集における工数軽減や、デベロッパーによるメッセージのやり取りなどに利用されています。

「Google BigQuery」は、ビッグデータの分析サービスで、膨大なデータの高速処理が可能です。ビッグデータ分析を得意とするGoogleならではのサービスといえるでしょう。

フルマネージドサービスの「Google Cloud Dataflow」は、大量のデータ分析や分類、データの取得などが可能です。また、オートスケーリング機能があるため、負荷のことを気にせず作業に注力できます。

Google Cloud Platformに期待される安全性や利便性

Google Cloud Platformに期待される安全性や利便性

Google Cloud Platformが提供しているサービスは、どのような点で優れているのでしょうか。ここでは、Google Cloud Platformの魅力について解説します。

高度なセキュリティ対策で安心

クラウドサービスを利用する際、セキュリティ対策への不安を抱く方は多いでしょう。

Google Cloud Platformでは、暗号化ハードウェアのセキュリティ要件を満たしているのか確認できる第三者認証「FIPS 140-2」を取得しています。

FIPS 140-2は、アメリカ政府とカナダ政府によるテストが実施され、検証されたことを意味し、世界中で採用されているセキュリティベンチマークです。そのため、データの保管や送受信も安心して行なえるでしょう。

自社に適したサービスを選べる

Google Cloud Platformのサービス内容は非常に充実しており、さまざまなサービスのなかから自社に必要なサービスを選定して利用できます。サービスごとに契約を分ける必要がないため、契約における手間もかかりません。

前述したように、Google Cloud Platformで提供しているサービスは、Google社の技術やインフラといった、信頼性の高いインフラ環境を利用できます。

Google社と同等レベルの環境を自社で構築する場合、膨大なコストや時間を要するでしょう。Google Cloud Platformなら、低コストで自社に適したサービスをすぐに利用できるのが魅力です。

低コストの運用を実現する

Google Cloud Platformの利用料金は秒単位の従量課金制であり、前払いの必要はありません。そのため、不明瞭な要素がなく、安心して利用できるでしょう。

また、事前契約の必要なく長期間利用割引が自動で適用されるため、低コストによる運用を可能にします。

Google Cloud Platformは少人数でも利用可能であり、コスト面のメリットも大きいことから、スタートアップ企業などにも適しているといえます。

Google Cloud PlatformとAmazon Web Serviceの違い

Google Cloud PlatformとAmazon Web Serviceの違い

Google Cloud Platformと比較されやすいサービスとして、Amazon Web Service(AWS)が挙げられます。

Amazon Web Serviceの最大の特徴はシェアの高さです。2006年から提供している、歴史のあるクラウドサービスで、Google Cloud Platform同様にさまざまなサービスを提供しています。一方の、Google Cloud Platformは後発ということもあり、勢いはあるものの、シェアの観点ではAmazon Web Serviceに先を越されている状況です。

シェアが高い=Amazon Web Serviceに詳しいエンジニアが多くいるともいえるため、自社サービスをどんどん拡張していきたい場合、エンジニアの確保がしやすいAmazon Web Serviceが選択肢に入ります。

なお、現在ではGoogle Cloud Platform(GCP)とAWSは優劣つけがたい状況になっています。そのため、GCPにしかないサービス、AWSにしかないサービス、という観点ではあまり比較することができません。

Google Cloud Platformを導入する際の注意点

Google Cloud Platformを導入するにあたり、事前に留意しておくべきことは、日本語への対応に遅れがあり、公式ドキュメントに日本語訳が少ないということです。

Google翻訳による日本語のドキュメントは、若干読みづらさを感じる可能性があるため、開発業務がスムーズに行なわれない可能性が考えられます。そのため、開発業務において英語のドキュメントを読みこめるエンジニアは有利といえるでしょう。

また、リージョンが少ないことから、グローバル展開を視野に入れている場合は地域の選定に注意する必要があります。緊急時や障害が発生した際の対策を確立し、万が一障害が発生しても対応できる準備を整えておくことが重要です。

これらを踏まえた場合、あらかじめGoogle Cloud Platformに対する理解を深めて導入するのが重要と考えられるでしょう。

Google Cloud Platformは今後のIT業界に不可欠

Google Cloud Platformは、安全性と利便性の両方をかなえるサービスです。近年のIT業界における発展を踏まえた場合、今後も成長が見込まれることから、Google Cloud Platformの利用者も増えていくと考えられます。

しかし、サービスの導入からWeb開発業務までを適切に行なうには、Google Cloud Platformへの理解を十分に深めることが重要です。

Google Cloud Platformを有効活用できるように、知識の習得や導入をサポートしている企業や団体があります。導入後の適切な運用を実現するために、サポート企業の利用を検討してみてはいかがでしょうか。

掲載日:2022/01/07