PROJECT STORY
プロジェクトストーリー

溶接個所の位置ずれ自動判定システム

機械・電気・制御各技術をチーム力と
スピードで工場全体のIoT化実現を目指す

大手産業機器メーカーでは、主力製品の一つである「空気圧機器」の製造時に、品質不良の発生による問題を長年抱えていた。以前から取引関係にあったパソナでは、生産精度や作業員の安全性向上を実現するために、これまでの知見や技術を活かした新たな【溶接個所の位置ずれ自動判定システム】を施工。
機械・電気・制御など様々な分野のスペシャリスト技術者がプロジェクトチームに集結することで、比較的スムーズかつ短期間でプロジェクトを推進し、無事に納品~稼働できた。
今回は、このプロジェクトを通じて見えたパソナの強みや、技術者として飛躍できるメリットについて参加メンバーの声から探ってみたい。

INTERVIEW MEMBERS

    • IoEソリューション事業部IoEマネジメントグループ
    • グループ長

    山形 幸之介 KOUNOSUKE YAMAGATA

    • IoEソリューション事業部IoEマネジメントグループ
    • シニアマネージャー/エンジニア

    伊勢 太郎 TAROU ISE

難易度の高い「精密板金部品の成型溶接作業」による品質不良発生を抑えるために。溶接個所の位置ずれ自動判定システム施工を実装

パソナのクライアントの1社に大手産業機器メーカーがあり、そこでは「空気圧機器」と呼ばれる製品を生産している。製品の構造のメインとなる備品に、精密板金部品の突合せ部分を溶接することによって完成する。
しかし、この精密板金部品が、生産工程において最も難易度の高い技術。
現状、熟練の作業者が溶接時の位置合わせを「目視」によって精密板金部品を微調整しながら最適な位置に調節し、溶接作業が行われている。

しかしそれでも位置精度に“微妙なばらつき”が発生してしまうのだが、位置合わせが適正なのかを判断するシステムがなく、位置がずれたまま溶接装置が作動してしまうため、結果的に一定の割合で溶接不良が発生してしまうという問題を抱えていた。

そこで今回、新たにこのような長手の溶接設備に対応した位置ずれ自動判定システム施工を実装するプロジェクトが2020年8月~10月にかけて行われることになった。
クライアントから受け取る仕様書をベースにカメラの設置による位置ずれの自動判定工程と、インターロック機能による制御システムの追加改造を行うことによって、品質や安全面の向上を図るのが大きな目的だ。

機械・電気・制御各技術力を集結して
困難を乗り越え、無事納品できた達成感

今回のプロジェクトチームの構成は、営業とPMである伊勢氏、そしてパートナーメンバー3名の計5名。
そのPMである伊勢氏は、これまで主に工場設備系のシステムを手掛けてきた20年近いキャリアを持つベテランエンジニアだ。

彼の役割はPMとしてクライアントから提示された予算感や仕様書をベースに、適切な人員配置やスケジュール管理はもちろん、何度も工場に出向いて製造ラインの設備を調査・検証を繰り返しながら、細かな技術的課題解決の糸口を探っていくことにある。
合計10ある製造ラインでは、ラインごとに大きさや形状が異なる空気圧機器が製造されるため、製品ごとに最適な位置を識別してOK/NGを瞬時に判定する必要がある等、難易度の高い課題を乗り越える必要があった。

しかし、結果的に約2か月の期間内で無事に納品できたという。
その大きな要因として伊勢氏が挙げるのは、「チーム力と成長」によるものだという。
伊勢氏「パートナーである3名のエンジニアはそれぞれ機械・電気分野のスペシャリストであり、また私自身も長年工場設備のシステム開発のノウハウがあったので、メンバーの持つ知見を集結することで解決策を出し合い、課題をクリアできました。
例えば2台のカメラを既存の溶接装置に設置する際、どうすれば溶接機能に干渉しないように設置できるか、新たな部品を設計開発する際には、メンバーのアドバイスが大いに役立ちました」

また伊勢氏自身も今回のプロジェクトを通じて、それまでバックグラウンドのなかった電気制御に関するノウハウを吸収し、成長できたそうだ。
その結果、納入時の試運転や納品後、無事に稼働できたことで顧客から感謝されたことは本人にとってこの上ない達成感ややりがいを得たという。

クライアントのニーズにいち早く対応できるスピード感も
パソナの強み。工場全体のIoT化を支援していく

実は今回のプロジェクトは「第2弾」で、今後の状況次第では第3弾も始動する可能性がある。
さらに今後、「工場全体のIoT化」を推進していく方針だという。

「今回のプロジェクトは、生産ラインの一工程を対象としていましたが、普段から現場で工場を見渡すと他にも生産現場が抱える様々な課題の洗い出しができ、そこから自動化や省力化、無人化等IoT化できる箇所も必然と見えてきます。
そこで今後は“ファクトリーサイエンティスト”として、パソナが持つ固有の技術や豊富な実績、強固なアライアンスを武器に、スマートファクトリー化の支援サービス等を積極的に提案していきたいですね」と伊勢氏は語る。

改めて今回のプロジェクトを通じて見えてきた「パソナの強みとは何か?」について聞いてみたところ、伊勢氏からは「スピード感」というコメントが返ってきた。

伊勢氏
自分たちから主体的にスケジュールの計画を行い、調査・提案することで受注につなげていくスタイルは、クライアントにとって大きなメリットをもたらします。それを可能にするのは営業をはじめ他のメンバーやパートナーと堅い信頼関係を築いていることに加え、社員に大きな裁量が与えられている点も大きいと思います

また伊勢氏が所属する組織全体としての強みとして、グループ長である山形氏は「ホスピタリティ」という言葉で説明した。

山形氏
今後さらに受託案件を増やそうとしている中で、その成功のカギを握るのは、お客様に対するメンバー一人ひとりの『ホスピタリティ意識』。
お客様に安心して仕事を任せてもらえるような信頼関係を築けるメンバーがすでに多く在籍しているので、この強みを今後さらに高めるための体制づくりに注力していきたいと考えています

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