PROJECT STORY
プロジェクトストーリー

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産学官連携Universal MaaS プロジェクト

誰もが移動をあきらめない世界を築く
若手エンジニアの挑戦

ここ数年でにわかに注目を集めているのが『MaaS(Mobility as a Service)』。それに、より多くの人に使いやすくする『ユニバーサルデザイン』という思想を組み合わせたのが今回ご紹介する『Universal MaaS~誰もが移動をあきらめない世界へ~』のコンセプトだ。Universal MaaSはANAが京急電鉄、横須賀市、横浜国大と共に進めている。
産学官連携プロジェクトであり、障がい者、高齢者や訪日外国人など、何らかの理由で移動にためらいのあるお客さまが快適にストレスなく移動を楽しめる移動サービスの実現を目指している。
今回パソナテックは、技術的な実証実験におけるアプリケーション・インフラ基盤等、広くシステム開発を担う役割で参画した。
その中心メンバーは20代の若手エンジニアたち。

その中から2名のエンジニアに話を伺い、開発の苦労や醍醐味、そしてプロジェクトを通じて成長できた点について語ってもらった。

INTERVIEW MEMBERS

    • 中部支社 中部エンジニアグループ
    • フロントエンドエンジニア

    山崎 直輝 NAOKI YAMAZAKI

    • 中部支社 中部エンジニアグループ
    • Androidエンジニア

    廉 民基 MINGI YOMU

「社会の問題点を解決する」という理念のもと若手メンバーが参加。いかに移動をためらっている方々の目線に立った開発ができるか?

今回のプロジェクトの起点となったのは、ANAの企画室MaaS推進部大澤信陽氏の問題提起からだった。
車いすを利用している90代の祖母が岡山県から上京する際、他人に迷惑をかけたくないと移動をためらっていた経験から、Universal MaaSのコンセプトが生まれたという。
その後、前述した産学官連携プロジェクトが立ち上がり、「社会の問題点を解決する」という理念の元、実証実験パートナーとしての参加を決定したパソナテック。
早速社内でメンバーが集められ、最終的に7名ほどのメンバーが集結したが、その約半数は20代の若手エンジニアたちで構成された。

そのメンバーであった山崎氏と廉氏は、それぞれどんなテーマを抱いてこのプロジェクトに参加したのだろうか?
山崎氏「2018年に新卒入社してから、開発メインで比較的小規模な案件を手掛けてきました。今回が初めての大きな案件で、前向きにトライしたいと思ったのですが、実際に開発が進むにつれ、障がいをお持ちの方の目線に立った開発が非常に難しいと感じ、それが今回の最大の課題でした」
廉氏「私は2019年に新卒入社してわずか数カ月での参加だったのですが、自己成長につながる大きなチャンスだと思いました。また今回の課題は、主にGPSやBeaconといった技術をどのように組み合わせていくか、という点でした」

空港や駅構内を何度も歩いて実証実験を繰り返すことで
「ユーザー目線に立った解決策」を発見、解決していく

今回はMaaSにおける社会実証実験であることから、開発メンバーは実際にユーザーが利用する空港や駅構内に何度も足を運び、実証実験やアプリ動作の検証を実施。その結果を社内に持ち帰り、ブラッシュアップしていく開発スタイルを採用した。
そこでの経験によって、開発メンバーはこれまで気づかなかった新たな気付きを得たという。

山崎氏「車いすを利用されている方のご意見として『エレベータやトイレの設置場所を把握したい』『電車に乗っている際、トイレに行きたくても途中下車できない』等、健常者である私には想像できない視点が数多くあり、目からうろこでした。
また今回開発した経路案内アプリは、当初30秒間隔で位置情報を取得していましたが、テストの結果、それでは移動者がバスや電車の位置を正しく追えないことが判明し、5秒間隔に縮める等、実験を繰り返しながら少しずつ修正していきました。
皆様からいただいたご要望は、実証実験を通じてアプリに反映し、実際に使用してもらい『使いやすくなったよ』と感謝されたのがうれしくて、開発する上での原動力となりました」

廉氏「現在位置情報把握の技術として、今回はGPSとBeaconの両方を採用しました。GPSは屋外でのみ使用し、GPSの電波が届かない屋内ではBeaconを活用しました。Beaconからの電波が弱く、精度が低い状況が発生した際には、Beacon同士で最適な設置距離となるよう現地で計測しながらチューニングしました。

今回の経験を通じてGPS、Beaconそれぞれの特性をより深く把握することができたため、今後の開発にも活かしていけると思います」

多くの方々と共創する醍醐味。
今後さらに使いやすいアプリにブラッシュアップしていく

今回開発したアプリは、他にも「GISソフト『ArcGIS』を活用し(2019年度版アプリ)、駅構内図や細かいエリア図のレイヤーを重ねて見やすく細かく表示」したり、「フォントサイズの調整やレイアウトの構成など利用者が理解しやすい仕組み」や「屋内でも精度の高い位置情報を取得できるよう調整」したりするだけでなく、「移動者、事業者の双方に使いやすいアプリ構成」などを心がけた点が、他にはない大きな特徴となっている。

また今回のプロジェクトでは、多くの企業、自治体、大学と連携しながら総勢50数名と共同開発したことも貴重な経験となったという。

山崎氏
各担当者が作成した機能を一つにまとめる際には多くのトラブルがありました。しかし密に連携しながら一緒にチューニング作業を繰り返し、完成度を高めていく作業は、やりがいや手ごたえを感じられ、今後大規模プロジェクトを進めていく上で大きな学びとなりました

2020年2月、無事に完成し産学官共同記者会見に立ち会った瞬間もまた、二人をはじめとした開発チームにとって感無量だったようだ。
今後、Beaconの設置数を増やしたり、アプリの精度を高めたりすることによって、さらに使いやすいアプリ・システムへとブラッシュアップしていくことを目指すとのこと(2020年11月24日に産学官共同プレスリリース済み)。

最後に二人からパソナテックの魅力について「新人のエンジニアでもこのような壮大なプロジェクトに参加できるチャンスがあり、エンジニアがエンジニアらしく活躍できる」「GISや、Beaconのように自分自身が未経験の技術や、Universal MaaSのような新しい案件に携われる」「開発したアプリが、実際のユーザーにどのように利用され、どれだけ貢献できたのかを実感できるプロジェクトに携われた」点を挙げてくれた。