- 業界
- 電子部品メーカー
- 効果
- スマートファクトリー化
AIを活用した画像解析による熟練者の技術伝承の仕組みをデジタル化
サイクルタイムを改善し生産性をUP!

課題と効果のポイント
課題
・作業者ごとの生産品質のバラつき
・熟練者の技術伝承
・熟練者の育成負担増加
効果
・生産品質の平準化
・属人的ナレッジの共有化
・育成のデジタル化
課題
お客様企業では、製品組立てラインごとに生産数量や品質にバラつきが発生していることを課題に感じられており、改善に向けて熟練者による作業者への教育を実施されていました。しかし、長年の経験で蓄積された技術の伝承は難しく、熟練者の育成工数が増えることで、体力的な負担や生産数量の低下が課題となっていました。
解決策
熟練者の作業プロセスを動画撮影し、画像解析によりAIモデルを作成。学習者の作業プロセスも同様に動画撮影し、AIで抽出した作業手番を熟練者のものと比較することにより、必要以上に時間をかけている作業をAIが指摘できるようになりました。学習者はAIによる具体的な指摘に基づき、現場での作業を繰り返すことでスキルアップが可能となりました。また、データを蓄積し続けることで、より良い作業サンプルを継続的に抽出し、作業手順のベストプラクティスを導けるようになりました。
組立て工程でのサイクルタイム短縮の為、AIを活用し熟練者の各プロセスをハンドジェスチャーとして学習
トレースされた熟練作業をフィードバックすることで学習者が成長できる仕組みを構築
データを継続して蓄積することによりベストプラクティスの獲得が可能に
機能要素
[検知]作業要素の自動検知 | [データ管理]分析と結果の保持 |
---|---|
[統計]作業者全体の統計算出 | [表示]熟練者と学習者の作業動画比較表示機能 |
ベストプラクティスの編成 | 熟練者と学習者の各作業要素ごとの時間グラフ表示、作業者全体の統計算出 |

効果
これまで熟練者が毎回行っていた学習者への育成工数を大幅に削減でき、負担を軽減させることができました。また、映像化することで、学習者は熟練者の組立て技術のコツを具体的に捉えることができ、動きの無駄やミスの原因を理解できるようになりました。結果、生産性の向上と品質の安定化(歩留まり改善)に繋がりました。
パソナテック 担当者の声
お客様のご要望として、熟練者から学習者への技術継承と製品の品質向上だけでなく、熟練者の作業を超えたベストプラクティスを模索したいということがありました。
そこで、各作業手番をAIで自動的に記録することでベストプラクティスを検知し、作業者全体へ展開する仕組みをシステム化しました。
今回の技法としては、各作業者が必ず経過する中間ポイントを事前定義し、そのポイントを各部品の位置関係から高精度に検知する物体検知と物体トラッキングのAIモデルで実現しました。
本案件は熟練者の技術継承とベストプラクティス創造における、先進的モデルケースとなりました。