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2008年2月23日(土)、「欲張りなキャリア」をテーマにWOMAN*ITフォーラムを開催しました。復職支援制度を導入する企業が増加するなか、その環境を最大限に活用するための具体的な方法論として「ITの可能性」を語っていただきました。



テレワーク(在宅勤務)制度を作った背景
私は2児の母で会社の制度を活用して、5年間の育児休暇それと5年間の短時間勤務をそれぞれとらせていただきました。その頃、現場の社員からテレワークの制度(自宅勤務制度)に関する強い要望があり、社内での本格制度化の業務を任されました。テレワークトライアルの募集は当初、女性の活躍の場を広げる目的で検討していたのですが、ダイバーシティの推進という観点から男性や管理者も集まって発足しました。社員有志によるボトムアップ発の施策として、トップの承認を得て、関係部署で全面的に協力し、スタートしました。
就業時間内に出産のための検査通院ができたり、男性でも育児休職がとれるような制度は充実していましたが、それでも数年前までは、特に30代女性の離職率が非常に高い状況にありました。その三大要因というのは、まず第一に、毎晩遅くまで仕事をする労働環境。それから女性社員に対する悪気のない無理解。そして、スタッフ部門の女性が開発部に点在することによる孤立感などが挙げられます。
解決策としては、男性の中に女性がひとりだけで仕事をしているといった空間意識を見直したり、また「つながっている感」が持てるようにSNSを使って女性同士のコミュニティの構築をして、悩みを投稿することで情報共有を図ることを考えました。実行するためのワークライフバランスチームは、当初少数でしたが、今では80人までになっています。会社全体を巻き込んで、メンバーが一体になって取り組んだのが成功の秘訣だったと思います。
テレワーク制度の実施による活用例と効果
小学校の会議に参加するために2時間の有休を利用する方もいます。今までは1日休みを取らざるをえないと諦めていた方が多いのですが、テレワークを活用することで細切れに有休が取得できるようになりました。裁量労働でいうと、主婦としての作業をしてから自宅で仕事をするなど、無駄な時間がなくなったという話を聞きます。
ちなみにセキュリティ面については最大に配慮していて、紙媒体は一切禁止し、資料をPDFなどで管理して共有しています。個人情報を取り扱う業務は、シンクライアントで行っているので、パソコンにデータが残ることがないようにしています。テレワークを安全に行うことが重要になってきますので、社内の情報セキュリティ委員会にて、社員の要望を検討しながら改善している状況です。
テレワークの効果としましては、「通勤に関する負担が少ない」「家族とコミュニケーションがとれるようになった」「仕事の生産性が向上した」「自立・自己管理的な働き方が向上した」などの意見がありました。実は私たちも、こんなに向上するとは思っていなかったんです。また「資料の作成はテレワークのほうが集中してできる」といった話もあり、成果物をあげなくてはいけないというプレッシャーから開放され、自己管理のもと効率的に仕事に取り組めるようになっています。さらにアウトプットについては、「会社にいるよりも上司と事前確認が入念にできるようになった」などがあり、管理者からもテレワークを実施したいと非常に高い評価をいただきました。
女性にとってのキャリアとは
女性にとってキャリアは、「与えられるもの」ではなくて、「築くもの」なんじゃないかと思います。社会の中で仕事をするためには、知識やスキルを使い分ける。それには豊かな人間関係も入っているのですが、そのためには、今日のようなこういう場をどんどん活用して欲しいと思います。
一番重要なのは、自分の行動や生き方に“芯”となる信念を持つこと。自分の目で見て判断して、そして自分で行動する。そのためにはやはり勉強も必要です。
みなさん1人1人の知識を深めて、しっかり信念に誓って、強くしなやかに、女性らしく生きていって欲しいと思います。
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働く女性をサポートする制度とは
- 経沢さん
- IT業界で活躍されているみなさんですが、こんな制度があって、こんなふうに上手く活用したというような、それぞれの会社にある制度を教えてください。
- 北村さん
- 妊娠中の定期健診などを就業時間内に受けに行けたりしますね。それから、2人あわせて5年の育児休職をとらせていただきました。5年間は時短で、4時間勤務でした。自分のまわりにそういった制度を活用している人がいないからと悩んで辞めて行った方もいましたが、今はネットを通じて情報交換をしたりもできますので、そんなことはなくなってきているのが嬉しいことだと思います。
- 経沢さん
- 吉津さんはベンチャー企業に勤めてらっしゃいますが、管理職という立場で、どんな制度を作ったり活用されているのか教えてください。
- 吉津さん
- 今は親会社の就業規則などをそのまま持って来ただけですが、旅行サイトを運営しているので、1年に1回は絶対に旅行に行く休暇を作ろうということになりました。また妊娠をした社員がいるので、育児休暇をなるべく長い期間とれて特徴のある規則にしたいと思って、どんどん制度化していっている段階です。
- 保々さん
- 海外で勉強することができたり、会社がやっていることと利益相反がなければ、大学で教えるといった副業を行うことができます。もうひとつは、テレワークがあり、これはかなり確立した制度になっています。基本的に、小さな会社というのはいろいろなことを一緒に作っていくことができるので、新しいことをプラスすることができます。大きい会社は、制度を整えて行くための時間がかかりますが、いろいろな仕事があって、いろいろなキャリアが考えられるんじゃないかと思います。
- 経沢さん
- 大企業の場合、転職しなくても社内で仕事を変われるという流動性が比較的高いということ。逆に、ベンチャーだとやりたいことをやれる。会社によって、いろいろなメリットがあると思うのですが、鈴木さんは、何か利用された制度はありますか。また、IT系の人材サービスを展開されている中で様々な会社に関わることが多い今の立場から、ご自身の経験と業界の話をしていただけますか。
- 鈴木さん
- そうですね、会社の成長とともにいろいろな制度が作られてきているという段階です。実は最近ベビーブームで、育児休暇をとって戻ってくる方が多いんですよ。お子さんがいらっしゃる方に対してみんなが気持ちよく対応しているのが、すごくいいなと思いますね。
業界全体的なところとしては、コンプライアンスを意識しながら、派遣で働く人のことも考えた制度を導入している企業が増えてきたと感じます。例えば外資系企業ですと、セキュリティを整えた上で、テレワークもやって行きましょうと新しい制度を入れてくださる会社もあります。
IT業界に入ったキッカケ
- 経沢さん
- ITというのは、「世の中が便利に楽しくなるようなものを自分たちの手を通じて作り出せる」というところに非常にやりがいがあり、自分のキャリアにプラスかなと思います。では、どのようにこの業界に入り、キャリアアップにはどんな道があるのかを教えてください。
- 北村さん
- 最初に配属になったのが産業部門(企画開発)で、ありとあらゆることをやった新入社員時代でした。その後、ビジネス開発本部系の部署に所属していろいろな仕事をしました。その中で大切なのは、女性は生活者としていろいろなヒントをいっぱい持っているので、女性ならではの意見をどんどん提案して行くことじゃないかなと思います。
- 経沢さん
- “女性ならでは”というのが、キャリアとして生きるというのがとても興味深かったですね。吉津さん、いかがですか。最初、新卒で入った会社から徐々にキャリアアップして来たと思いますが。
- 吉津さん
- 一貫してSEだったのですが、入社後に基礎知識をたたき込まれて、実践で身につけました。チームの先輩から教わりながら力をつけて行くといったような感じですね。会社の規模などにもよりますが、初心者でもある程度は支援してもらえると思います。必要なのは、自分でどんどん勉強すること。いろいろなものを見て、こういうものがあったらいいなと気づくことが大事で、それがキャリアアップにもつながって行くと思います。
- 経沢さん
- 保々さんはいかがでしょうか。
- 保々さん
- 私の場合、生活者や女性の観点というのが一切役に立たないのが最初の仕事の環境でした。何も分からないまま、ある企業の担当になり、そこで5年かけてビジネスプロセスを理解しました。その後、ドイツに行ったのも日本の製造メーカーのビジネスプロセスの知識があるということで抜擢されました。そういう経験をふまえて、自分がやりたいことだと思ったら、髪を振り乱してもそれだけを3年位みっちりやったほうがいいと思いますね。
- 経沢さん
- みなさんの多くは正社員としてキャリアを積んで来たと思うんですが、異業種からの場合どんな入り口があるのか。仕事を紹介する立場から教えてだけますか。
- 鈴木さん
- 大きく2つに分けられると思います。ひとつは、技術者をサポートするような仕事。開発現場では成果物をお客さんに納品するとき、ドキュメントを作る必要があります。ですので、普通に自分たちが使っているオフィスソフトでスペシャリストになれるという状況があります。もうひとつは技術者。デザインが好きならWEBクリエーターという領域もありますし、エクセルのVBAから入ってプログラミング、という風に開発者に進む道というのもあります。
IT業界にむいてる人ってどんな人
- 経沢さん
- いろいろな職種があると思うのですが、どんな人に向いているんでしょうか。
- 北村さん
- ITだからプログラミングだけやっているのかというとそんなことは全然なくて、いろいろな自分の得意分野を生かすことができると思うんですね。そういう意味で職種が幅広く、どんな人でも向いていると思います。
- 吉津さん
- 経験からいいますと、変化を楽しめる人は向いているのかなと思います。ある日突然、買収されたりして(笑)、違う会社の人と仕事をする。それはたぶん見方によってはすごくエキサイティングなことだったりしますが、それが楽しめないとちょっとつまらないのかなと思います。
- 経沢さん
- 向いているかどうか、職種ごとにあるかもしれないですね。保々さん、どうですか。
- 保々さん
- やはりスピードが速いところなので、ついて行けない人はちょっと大変かなと思います。ただ、仕事によっては本当に様々な種類があるので、好きとか、やりたいと思うことで仕事を選ぶのが一番ぶれがないと思います。そういう気持ちがあるほうが仕事は上手く行くと思いますね。おもしろいと思ったら、あまり考えずに飛び込んでみる。もしかしたら、そこに飛び込むことができる人というのは誰でも向いているんじゃないかなと思います。
- 経沢さん
- 鈴木さん、いろいろな方にその人に合った仕事を勧めている立場から、どんな方に向いているのか。具体例などがあれば教えて欲しいんですが。
- 鈴木さん
- スキルアップした人の事例でお話しますと、欲張りに自分で何とかやって行ける人が向いていると思います。コールセンターでインフォメーションの仕事をしている方がコツコツとITの勉強をされて、最終的にコールセンターのネットワーク管理者になった方がいます。自分の意志で変えていけることが、大事なのかなと思っています。
- 経沢さん
- 確かに、業界としても歴史が短いから一見不安に感じる部分があるかもしれませんが、逆に業界全体が伸びていっているし、私たち女性にとってはチャンスがいっぱいあると考えることができますね。
最後に
- 経沢さん
- 最後に、今日の感想をふくめて参加者のみなさんにメッセージをいただければと思います。
- 北村さん
- 私自身いろいろな方のお話を聞いて、またひとつ勉強をさせていただきました。この後の懇親会でもひとりでも多くの方とお話ができれば、また次にステップアップして行けるかなと思っています。
- 吉津さん
- 29歳ぐらいのときには聞くほうの立場だったので、何で今は話す立場にいるんだろうと思いました(笑)。今33歳なので、4年でこんなに変わるんだなというのが自分の感想になりますね。人生は何があるか分からないというのをすごく感じました。
- 経沢さん
- 今のポジションも、SEからマネジメントをしてみたいとご自身でおっしゃって、それがかなえられたというのはベンチャーならではだと思います。それが生かされて、今日は本当に素敵な経験談をありがとうございました。
- 保々さん
- 私はこの業界で仕事がなくなるとは思っていないんですね。自分の働き口があれば、いくらでも働く仕事はあるし。スピードが速いぶん、敷居が低くて入りやすいけれどもその後が大変なんじゃないかというと、そんなことはないです。私の下にもう一人女性がいるんですが、彼女は産休をとって、また戻って会社に貢献している。だから会社も安心していろいろなことを任せることができると思っています。みなさんがIT業界に来てよかったと思えるように、これからも私たちはもっともっと頑張って行きます。
- 鈴木さん
- 私ができることというのは、参加者のみなさんと同じ目線に立って、自分が知りたいと思っていることを一緒に悩みながらやって行くことが私の使命なんだなと分かって、今日のこの場がすごく楽しめました。
- 経沢さん
- IT業界というのは本当に伸びていて、新しいサービスやユーザーの方のために、よりよくみなさんが人生を楽しめるためのフェーズに入って来ているなと感じました。それには、私たち女性の発想が非常に力を持つんだということですね。それから、働き方やスキルを身につけたいという私たちのわがままに、業界全体で取り組んでいて、仕事で活躍しながら人生を充実させて行けるという業界だというのを改めて感じました。
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