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2010.09.17
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仕事には、大きく分けて「ルーチンワーク」と「非ルーチンワーク」があります。仕事の効率を挙げるためには、次の2つの対策が有効です。

  1. 可能な限り「非ルーチンワーク」を「ルーチンワーク」に変えていく
  2. ルーチンワークの作業効率を高める

1については、「繰り返し行われる仕事であれば」という場合に限ります。初めての場所に行くのは時間がかかるものですが、2回目以降は道を覚えられるために、より少ない時間でたどり着くことができます。同じように、仕事においても「2回目」があるものについては、1回目の経験を活かすことで効率化を図ることができます。

ルーチンワークに変える、すなわちルーチンワーク化ですが、そのための最もシンプルな方法は手順を書き記すことです。グリム童話「ヘンゼルとグレーテル」の中で、道に迷わないようにするためにパンくずを落として“跡”を残す工夫がありましたが、これと同じように、後から跡をたどれるように記録を残すわけです。

この記録が次回以降に役に立つ手順書の素になるわけですが、これは料理でいえばレシピといえるでしょう。仕事ができる人は、頭の中ではなく頭の外、すなわち人に見せられる場所に“レシピ”をたくさん持っている人といえます。

2については、このレシピをさらに改善していく工程です。

今回は、この工程にフォーカスを当てます。

月末になると通常業務が滞ってしまうことはありませんか

ルーチン化は、一定頻度で発生する仕事に対して有効です。たとえば、毎月月末に必ず提出しなければならない交通費の明細や立て替え払いの領収書など経理書類は、月末に1ヶ月分をまとめてやろうとすると、大仕事になってしまうことがあります。

1つ1つはちょっとした作業ながらも、量がかさむと大変なことになるのです。

このように、溜めてしまうとやっかいなルーチンワークを効率よく片付けるためにはどうすればいいでしょうか。

そもそもこういったルーチンワークが溜まってしまうのは、自然発生的に溜まっているのではなく、故意に溜めているからと考えられます。発生する都度処理をしていたのでは効率が悪い、ということで「月末にまとめてやろう」という方針を採っているとすれば、まさにそれが“故意”だからです。

背景にはいろいろ事情はあるとは思いますが、僕の場合は、入力システムの問題でした。かつて勤務していた会社では、社員が自分で自部門の売上や経費を入力するシステムが用意されていました。ただ、そのシステムの処理速度や応答速度が遅く、日々発生都度処理をしようとする気になれなかったのです。それで、「イライラするのは月に1回にしたい」ということで結局月末にまとめて処理することになっていました。

このケースでは、もっとサクサク動くシステムにリプレースすれば問題は解決しそうです。でも、それでは話が大きくなってしまいます。そもそも、システムの遅さは相対的なもので、以前はもっと遅かったかもしれません。現行のシステムは以前に比べてパフォーマンスが上がっているとしたら、あとは使う側の問題です。

つまり、システムがレスポンスよく動いたとしても、作業の内容自体は変わりませんので、「仕方なくやる」という気持ちは残るでしょう。この気持ちを「効率が悪い」というもっともらしい理由にすり替えている可能性があるのではないかと思うのです。

同じく30分かかる「仕方なくやる仕事」と「嬉々として取り組める仕事」という2つの仕事があった場合、よほどの理由がない限り、後者の「嬉々として取り組める仕事」から手をつけるでしょう。

同じ時間ですから、結果としては30分が経過するだけです。でも、終わってみて気分がいいのは「仕方なくやる仕事」ではないでしょうか。先送りしがちな仕事を早く終えることができれば、その分だけ「仕方なくやる」というプレッシャーから早く解放されるからです。

残っている仕事が「嬉々として取り組める仕事」ばかりであれば、やる気も出てきますし、実際早く終えることもできるでしょう。逆に「仕方なくやる仕事」がたくさん残っていると、気分が沈み、従って仕事のスピードも鈍化、結果として「効率が悪い」という判断が下されることになるわけです。

そこで、「仕方なくやる仕事」を“仕方あらしめる”、すなわち少しでも「嬉々として」取り組める状態に近づける方法を考えてみます。

まず、「仕方なくやる仕事」と「嬉々として取り組める仕事」の関係を再度整理してみます。

  • 仕方なくしぶしぶやる仕事 取っつきの良さ:× 終えたときの気分:◎
  • 嬉々として取り組める仕事 取っつきの良さ:○ 終えたときの気分:○

先ほどは「嬉々として取り組める仕事」を終えた時の気分については言及していませんでしたが、「仕方なくやる仕事」と比べると、「そこそこ」という感じではないでしょうか(そういう意味で○)。

とはいえ、「仕方なくやる仕事」も大量に溜めてしまうと、それを終えたとしても達成感よりも徒労感の方が勝り、気分の良さも吹き飛んでしまいます。そうならないためにも最適な分量というものを探ります。探るにあたって、人はどういう時に気分がいいかを考えてみると、

  • 仕事を期限より前に終えることができた時

はその1つといえます。

月末にまとめてやろうとすると、当然期限に追われる形になりますので、あまり気分はよくありません。そこで、例えば週に1度、毎週金曜日にその週の分の経費を入力してしまうようにしてみます。すると、通常の4分の1の量で済むため、「え、これだけでいいの?」と感じられるはずです。

さらに、従来は月に1回しか味わえなかった「やり終えた!」という達成感が月に4回味わえるようになります。しかも毎週1週間分を処理するという仕事は自分で決めたことであるため、期限に追われるということもありません。

これは週に1度という頻度がこの仕事にとっては最適なものだからだと考えられます。

例えば、掃除をするのは毎日よりも週に1度の方が、目に見えるゴミが一掃できて「掃除してキレイになった!」という実感をともなったいい気分を味わえることに似ています。毎日ですと「昨日とたいして変わらないのに掃除をするのは何だか損をしているような気がする」という気持ちが勝ってしまい、逆効果になりかねません。

手間 快感経費の入力だけに限らず、溜めてしまうと困るルーチンワークについては、この「損をしているような気持ち」を感じない程度で、しかも毎回達成感を味わえるような頻度で片付けるようにすると良いでしょう。

これは、手間(コスト)とそこから得られる快感(リターン)の最適化を目指して調整をしていることになります。コストをかけたからには、それなりのリターンが欲しいわけです。

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大橋悦夫プロフィール

大橋悦夫

1974年生まれ。上智大学外国語学部英語学科を卒業後、ソフトウェア技術者、テクニカルライター、専門学校講師などを経て、有限会社サイバーローグ研究所を設立、仕事を楽しくする「仕組み」の研究に従事。その成果は、ブログ・仕事を楽しくする研究日誌『シゴタノ!』にて公開するほか、各種連載や書籍、セミナーにて解説している。

著書に『成功ハックス』(青春出版社)、『スピードハックス』『チームハックス』(日本実業出版社) 、『LifeHacksPRESS Vol.2』(技術評論社)、『「手帳ブログ」のススメ』(翔泳社)、『そろそろ本気で継続力をモノにする!』(日本能率協会マネジメントセンター)がある。

大橋悦夫プロフィール

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