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報告・連絡・相談に代表されるコミュニケーションにおいては、スピードと正確さが求められます。スピードといっても速ければよいというものではありません。大切なのはタイミング。機会を逸すればチャンスを逃しますし、誤解や勘違いがあれば思わぬダメージを被ることにもなりかねません。 とはいえ、早く正しくタイミングよく伝える、と一言でいっても実に奥深い問題ですから今回は特に「わかりやすく」という点に絞って考えていきます。 伝えたいことがうまく伝わらない時というのは、次のいずれかの原因が考えられます。 1.伝えようとしていることを相手が知らない(理解に必要な知識がない) いずれにしても、知識の有無がカギになります。理解という扉を開こうとするとき、カギがないから開かないのか、カギが合わないから開かないのかを明らかにする必要があるわけです。 別の入口を探してみる あるいは、カギのことは諦めて、別の入口を探すのも一つの方法です。すなわち、アプローチを変えるのです。 そのテクニックとは、「喩え」です。いくつか例をご紹介します。 ●ある映画監督が最新作のインタビューで「これは今までの監督の作品の集大成にあたるものですか?」と訊かれて次のように答えます。 12個パック入りの卵があるだろ?今までの映画はこのパックに1つずつ卵を詰めてきたようなもので、今回の作品でようやく1パックに全部詰め終わった、という感じ。次に映画を撮るときは、また別の新しいパックに1から詰め直していくんだよ。 ●地震防災対策強化地域判定会の会長が「感度の非常に高い計器を使って地震の予兆を測定し続けている」という話をした後に、次のように続けます。 25メートルのプールに直径1センチのビー玉を落としたときに生じるわずかな水の揺れも感知できるくらいの精度です。 ●『思考は現実化する』という本では、「心」について実に巧みな説明があります。 まず、こぶしを作ってみてほしい。それは何なのか? ただのこぶしである。そのこぶしで何ができるだろうか? 誰かを殴り倒したり、物を動かすことはできるが、そうたいしたことはできない。こぶしを作る前は、もともと何だったのだろうか? 答えは簡単である。「開いた手」である。 いかがでしょうか。いずれも、身近なものになぞらえることによって、理解がスムーズになっていることを実感できたかと思います。 映画作品の位置づけ、地震測定の感度、心。いずれも目に見えないものであり、直接手で触れることもできないため、言葉での説明が困難なものばかりです。 このような状況は仕事においても頻繁に発生するでしょう。すぐに思いつくのがお客さま相手に自社の商品の良さを説明する場合。当然、相手は商品のことについてはよくわかりませんから、まずはこの“穴”を埋めていく必要があります。 そのような場合に役に立つのが「喩え」です。「喩え」とは「未知のものを既知のもので説明する、という試み」です。「試み」である以上、うまくいかないこともあります。 うまくいかない時というのはたいてい、伝えようとしていることはもちろん、そこで使われる喩えも相手にとって未知であるような時です。逆に、うまくいく時というのは喩えが相手にとって馴染みのあるものであり、すぐに頭に思い浮かぶような時です。
もしそれが把握しきれなかった場合でも、一般的に馴染みのある知識(卵のパックや25メートルのプール、あるいは握りこぶしなど)を応用するといいでしょう。 こうしたことは一朝一夕には身につきませんから、普段からトレーニングを積んでおくことをおすすめします。例えば、自分の得意分野について、いろいろな年代や職種の人を想定しながらそれぞれの人にとって一番わかりやすい説明の仕方を考えてみるようにするのです。 「肩凝りを知らない相手に肩凝りを説明するには?」 定期的にチームミーティングを行っているなら、その中で新しい業界トレンドや専門知識を、異分野の人にもわかるように3分程度で説明するスピーチを持ち回りで行うよう時間を持つようにするといいでしょう。 このレポートに関するご意見・ご感想は下記までお願いします。
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