「てくらぼ」オープニングイベント 「エンジニア進化論」イベント詳細レポート
2008年3月11日、秋葉原UDXギャラリーにてパソナテックが提唱するエンジニアの進化を支援するサイト「てくらぼ」のオープニング記念イベントが開催された。ゲストにまつもとゆきひろ氏、小飼弾両氏を迎えファシリテーター役の平田大治氏進行のもと、お二人が考える「エンジニア論」について熱い討論が繰り広げられた。
当日の会場は満席で、盛況のうちに2時間のイベントは幕を閉じたがそのときの模様をレポートしたい。
その1 Matz&Danの本音を知るためのエンジニア的○×質問
イベントの前半、事前に用意した「9つの質問」にまつもと、小飼両氏に○×形式で答えてもらった。 その質問内容と、両者の回答は以下のとおり。
| 質問 |
Matz |
Dan |
| 今の自分のターニングポイントを、はっきり覚えている |
× |
○ |
| 今、注目している言語がある |
○ |
○ |
| オープンソースは最高だ |
○ |
× |
| エンジニアに英語は必須だ |
○ |
○ |
| 時々、つまらないと思いながらプログラミングすることがある |
× |
○ |
| プログラマー35歳定年説は存在すると思う |
× |
× |
| 10年後もプログラマーとして第一線で活躍している |
○ |
○ |
| 生まれ変わってもプログラマーでいたい |
○ |
△? |
| 仕事に対する家族の理解はある |
× |
○ |
この中からいくつか、お二人の回答コメントを紹介しよう。
■「今、注目している言語がある」
まつもと氏
実は今日もかばんの中に「Erlang(アーラン)」というプログラミング言語の本を持ってきていて。まだどこがいいのかわからないので(笑)、いろいろ勉強している最中ですけど。
今コンピュータはどんどんマルチコア化してきていますが、マルチコアを最大限活用するためにはハードウェアではなくソフトウェア側がどう対応していくのかが今後、問われてくるのですね。
そこでErlangの「プロセスモデル」がその鍵を握っているのではないかと個人的に考えています。ただErlangをそのまま利用するのではなく、あくまで私のRubyにErlangの優れた機能を盗んで取り込みたいなと(笑)。
小飼氏
ちょっと「言語」を拡大解釈してしまうかもしれませんが「日本語」に対して今、非常に危機感を持っています。それはプログラミング言語も含めたかなり高度なコンピュータサイエンスの分野でも、今はある程度日本語で勉強できる環境がありますがこの先、日本人の人口が減少していく中でこの環境が果たして維持できるのか?
もしかしたら20年後、例えば英語をマスターした上でないとRubyを勉強できない、ということも十分あり得ると思っていますね。
■「時々、つまらないと思いながらプログラミングする時がある」
小飼氏
僕の場合、プログラミングする時は一度、頭の中でコードを構成して考えてから手を動かすタイプなんですけど、とにかく手を動かしている時がつまらないしかったるいし(笑)。
もっと速く動く手がほしいですね。できれば頭の中をそのままインターネットに直付けしたい(笑)。
まつもと氏
僕は弾さんと違って頭の中でコードを書けなくて、あくまで手を動かしながら考えるタイプですから、手を動かしながら考えるプログラミングという行為そのものに対して、つまらないと感じたことはないですね。
■「仕事に対する家族の理解はある」
平田氏
この質問は私がぜひ、お二人に伺いたかったので入れてみました。私にも家族がいるんですが、いつも自分の仕事をわかりやすく家族に説明できなくて困っているんですけど。お二人はどうですか?
小飼氏
いや、説明できないですけどただ私の場合、自宅で仕事をしているので普段、どれだけ負荷がかかっているか(笑)は周りに伝わっていると思いますね。特に娘は生まれたときからこの環境を見続けているので。
まつもと氏
さきほどの「Erlang」なんて「日本語しゃべっているの?」って思われますから(笑)。
結婚した当初は妻に自分の仕事を理解してほしい気持ちはあったんですけど、「オープンソースとは…」と説明しても、「それはいじめですか?」といわれてしまい(笑)、今は諦めました。
その2 メインテーマ「エンジニアが進化していくために必要なこと」とは?
続いて今回のメインテーマである「エンジニア進化論」について、お二人からそれぞれ重要なキーワードになる言葉をいただいた。
■「他人とは違う差別化」を求めている
まつもと氏
昔私がいた企業は当時、毎年200人を採用していたんですがそのうち190人以上はコンピュータも知らない人で、それが3ヶ月間研修を受けて、COBOLプログラマーとして官公庁系のシステム構築を任されるわけです。
そうなるとクライアント側から見ると、単に「プログラマー」「SE」と言っても実際にどんな人かはわからない。だから「別の人でもいいや」といった目で見られることにあるし、でもエンジニア側からすれば「もっと個人個人を大切に扱ってほしい!」という双方のギャップにつながるわけです。
このように日本は「同調圧力」が強い環境の中で、また多くの人が「他人とは違う差別化」を求めています。
そこで必要なのは「他では“交換”の効かない人物」になること。
私の場合、まず名前から差別化を図ろう(笑)と学生の頃からひらがなで名乗り、今では「Ruby」という自分の名刺代わりにもなる技術を手にすることができました。
弾さんと違って(笑)多くの方は私と同じように組織の中にいると思いますが、その「交換の効かない人物」になるためには、まず同じ組織の中に自分を理解してもらえる人やサポートしてもらえる人との出会いが重要になると思いますね。
■「進化」するためには「生存」し続けなければ
小飼氏
私の場合、まつさんと違って本名自体が特別なので、生まれたときから差別化されてましたけど(笑)。なので違うことは当たり前の文化で生きてきましたがその一方、それだけではビジネスとしてお金を得られないことにも気づいたんです。
それは「その違いを誰にでもわかるようにする」ということ。
そしてその上で、「誰にでもわかる技術だけど、それは自分にしかできない」ものを手にすることができることが、進化するために重要な鍵になるような気がします。
それからもうひとつ、そもそも「進化」するためには「生存」し続けなければいけないわけです。そして正しいことをするのが進化につながるわけではなく、まずは生き残ることが重要なんだと思いますね。
まつもと氏
その「生存」をするためにはある種、「心配性」である必要があるんだと思います。
この業界は常に速いスピードで変化しますから、その一つ一つの変化が「自分に影響を与えるものなのか」、自分なりのアンテナを高くしておくこともまた、重要になってくると思っています。
「常にアウトプットを出し続けることこそ、エンジニア進化論の重要なテーマ」
この後、会場からは「ロールモデルのような人はいたのか?」「PHPに関してどう思う?」「女性プログラマに対しての考えは?」など様々な質問が飛び出し、お二人からそれぞれ貴重なコメントが交わされた。
また最後に、お二人から今回のメインテーマである「エンジニア進化論」について、
「常に失敗や批判を恐れずにブログなどを通してアウトプットを出し続けることが、エンジニアとして進化するために重要」とのご意見をいただいた。
「私もRubyに関して昔、いろいろ叩かれました(笑)。でもそれによってまた多くのことを学べたし、今があるんだと。そして多く学んでいる人ほどより多くアウトプットをだせると思うし、それがエンジニアとしての更なる進化につながるんだと思います」(まつもと氏)
「とにかく、まずは他人に“突っ込まれる”ことを恐れずひたすらアウトプットを出していくこと。そして、それを見た多くの人からの意見をフィードバックしていく作業こそ、エンジニアとして進化するために必要だと思いますね」(小飼氏)
今回のイベントが、多くのエンジニアにとって今後の参考になることを願っている。
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●まつもと ゆきひろ氏 |
| 株式会社ネットワーク応用通信研究所 フェロー |
| Matz日記 ( http://www.rubyist.net/~matz/ ) |
筑波大学卒業。
ソフトハウス、CADベンダー勤務を経て1997年、株式会社ネットワーク応用通信研究所に入社。自身が開発したRubyのバージョンアップやメンテナンスに従事している。 |
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●小飼 弾氏 |
| ディーエイエヌ有限会社 代表取締役 |
| 404 Blog Not Found ( http://blog.livedoor.jp/dankogai/ ) |
ブロガー/プログラマー/投資家
東京都出身。 91年、米カリフォルニア大バークレー校中退
96年、ディーエイエヌ有限会社を設立し、代表取締役に就任(現在)。
99年、オン・ザ・エッヂ(現ライブドア)取締役に就任、01年退任。 |
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●平田 大治氏 |
| 株式会社ニューズ・ツー・ユー 取締役 |
| Daiji Hirata: dh memoranda ( http://uva.jp/dh/mt/ ) |
大手通信会社を経てネオテニーに参加、2000年からベンチャー投資事業に従事した。
2002年にブログに出会い、MovableTypeの日本語化をはじめ日本でのブログサービスの開発、運用を始め、 講演、書籍の執筆などの啓蒙活動に取りくんだ。
2003年には、ネオテニーから出資したシックス・アパートに参加、米国本社のVP of Technology、日本法人の技術担当執行役員として、同社の国際的な事業の立ち上げに寄与する。
2007年7月に同社を退社後(現顧問)、現在ニューズ・ツー・ユー取締役。 |
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法人企業向けネットワークシステムの構築における、
顧客提案・設計・導入・運用業務をご担当頂きます。
顧客へのヒアリングやプロジェクトマネージメントをはじめ、
ネットワーク機器設定、サーバ設定などを実施して頂きます。 | 即日から可能な方、大歓迎です!
大手電器メーカー系独自システムのテクニカルサポート業務です。
駅近で通勤にとっても便利!
■経理処理、顧客管理などが出来る独自システムの電話サポート業務
■PC、プリンター等もサポート対象となります
■サポート対象:独自ソフトを利用している販売店の従業員様
■10-15本程度/日(ピーク時は30本前後になることもあり) | 大手通信キャリアでのお仕事です。
次世代テレビジョン中継システムの方式/NWの技術検討業務を
お願いします。
■担当業務
・次世代TV中継システムの方式検討、NW技術検討
・システム検証業務
・システム開発業務 |
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