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Windows Server 2008ポイント技術解説

第4回 仮想化機能 Hyper-V

安藤 奈帆子
株式会社パソナテック マイクロソフト認定トレーナー

マイクロソフトは、様々な仮想化テクノロジーを開発しています。従来からある、いわゆるバーチャルマシンを実現できる「Virtual PC」や「Virtual Server」、セッションの仮想化が実現できる「ターミナルサービス」、また最近ではアプリケーションの仮想化のための「SoftGrid Application Virtualization」など多様です。
2008では、「Virtual Server」の後継としてHyper-Vが開発されています。今回はこの機能についてご紹介します。

“7割のサーバーは、その性能の2割しか使っていない”とも言われますが、現状サーバーマシンのパワーすべてを使い切っていない状況が多くあります。
また、Webサーバーに1台、ファイルサーバーに1台、トラブル対策で予備に数台・・・と考えるとかなりのコストを必要とします。
そこで、仮想化テクノロジーを導入すれば現状の資産を有意義に活用することができます。

Hyper-Vは2008の「役割」の一部として提供されていますが、2008の開発には間に合わずメディアにはベータ版が入っています。正式版は追加提供となっています。ベータ版やRC版の提供期間が長く続いていましたが、2008/6/30よりようやく日本語版のダウンロードによる提供が始まっています。
7/9からはWindows Updateを利用した提供もスタートします。

導入するためには次の3つの準備が必要となります。

  • ・ Windows Server 2008 64ビット版
  • ・ ハードウェア 仮想化支援機能
  • ・ ハードウェア DEP

まず、2008は64ビットバージョンが必須となります。これは大容量のメモリや複数のプロセッサをサポートするためです。64ビットバージョンであれば、Web Serverエディション以外はすべて利用可能です。32ビットバージョンは対象外ですので注意しましょう。

次にハードウェア要件です。
AMD VやIntelVTなどのハードウェア仮想化支援機能つきのマシンを必要とします。また、データ実行保護(DEP)も必要となり、場合によってはBIOSの設定をしなければいけないこともあります。

ここまで準備すれば、あとは簡単にインストールができます。
DNSやDHCPのインストールと同じように「サーバーマネージャ」の「Hyper-V」にチェックを入れ追加作業を行うだけです。

次に、Virtual Serverとの比較をしてみましょう。

違い

Virtual Server(以下、VS)の場合には、VSをインストールしているOSをホストOSとして、その上にゲストOSをインストールしていましたのですべてのゲストOSの動きはホストOS経由で行われていました。

Hyper-Vでは、ハイパーバイザ型と呼ばれる仮想化テクノロジーを採用しており、「Windows Hypervisor」というごく薄い仮想化層の上で複数のOSを実行することとなります。
ホストOSは親パーティションと呼ばれ、管理機能やストレージ、ネットワークの仮想化機能を持ちます。対して、ゲストOSは子パーティションと呼ばれます。
CPUから見れば、どちらのパーティションも同等となり、複数のOSを動かしているのと同じイメージとなります。

比較

続いて機能の違いも見ていきましょう。
Hyper-Vでは子パーティション(ゲストOS)として64ビット版のOSをサポートしています。
またバーチャルマシン毎の最大メモリサイズも32GBまでとなっており、マルチコアのバーチャルマシンを作成することもできるようになっています。

また、管理する上で好都合なのはMMCベースでの管理が可能な点です。
2008での他の役割などとほぼ同じ管理画面が使えるため、わざわざ専用の管理ツールの使い方を習得する必要はなくなります。

mmc

次に、仮想マシンの作成画面を見てみましょう。

Hyper-V Managerという管理画面が起動したら、右側のペインにある「新規」から「仮想マシン」を選択し、ウィザードを進めます。
まずは仮想マシンの名前と保存場所を選択しましょう。

new

次に、メモリサイズを決め、ネットワークの構成を設定します。
そして、仮想マシンにOSをインストールするためのハードディスク上の領域を特定し、最後にインストール方法を選択します。

new2

これで、仮想マシンは作成完了しました。管理画面から仮想マシンを起動し(OS未インストール)、メディアを挿入して通常のOSと同じ要領でインストール作業を進めます。

最後に便利になったと感じる機能を1つご紹介しましょう。
Hyper-Vでは、仮想マシンの実行中にスナップショットを何度でも取ることが可能です。

Virtual Serverでも復元ディスクという機能があり、起動時点の状態に戻すことはできました。ただ、ロールバックできるのは1バージョンのみでした。
Hyper-Vのスナップショット機能は、何度でも復元ポイントを作成することが可能で、もしも仮想マシン上にトラブルが起きた場合にも、任意のチェックポイントへ戻すことができるようになりました。

snap

Hyper-Vを利用してみた感想としては、従来のVirtual Serverなどで感じていた起動の遅さやレスポンスの悪さでストレスを感じることはほとんどなく快適に操作を進めることができました。
ハードウェア要件の条件さえクリアになれば、OS付属で実現できる仮想化環境という点でも大いに利用価値のあるテクノロジーだと思います。

第1回 Windows Server 2008でのサーバー管理
第2回 ネットワークアクセス保護(NAP)によるセキュリティの向上
第3回 シンプルなOSの提供(Server Core)
第4回 仮想化機能 Hyper-V
第5回 Active Directoryでの新機能

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